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掲載日:2022年8月18日
Q 蒲生徳明議員(公明)
ネット社会の現代では、物を買うのに現金ではなく、インターネットショッピングや電子マネーの利用が当たり前となっています。
先日、がく然としたことがありました。私の知人の娘さんがSNSで知り合っただけの人に、脱毛エステのモニターになりませんかと言われ、モニターになると脱毛に使う高級化粧品を、あなたはモニターなので一括払いで契約すれば、毎月返済月額と同額のお金をあなたの口座に振り込みます、だから実質無料になりますよと勧められ、契約をしてしまいました。驚くべきことは、話を持ち掛けたのは友達の友達、契約の手続に来たのがそのまた友達です。そして何と最後の契約まで、この2人とはラインのやりとりだけで、顔を合わすことなく契約を決めています。結局、初めの3回以降、3月以降お金は振り込まれず、気が付いたら債務回収会社から高額の一括請求を受けることになります。県の消費生活支援センターに相談したところ、すぐに対応を図っていただきました。
このケースのように、早いうちからスマートフォンやパソコンに慣れ親しんだ若者は、バーチャルの世界に抵抗がなく、SNSで知り合っただけの人を簡単に信じてしまいます。若者には、単に悪質商法にだまされないというだけでなく、信用や信頼関係といった契約社会の根本的なところから理解をさせていくことが必要ではないかと痛感しました。
同センターに伺ったところ、県内の相談件数は、ここ数年5万件前後で推移し、高止まりの状況ですが、その中でも若者はインターネット通販の相談が圧倒的に多く、SNSを使った手口も増加しています。平成24年に施行された消費者教育推進法では、被害防止だけでなく、自ら考え行動する消費者の育成が求められています。また、選挙権年齢が18歳に引き下げられたことに加え、成人年齢引下げの検討も進んでいて、成人になれば未成年取消しの保護はありません。このような状況を踏まえると、早い時期からの消費者教育、特に学校現場と連携した消費者教育の充実が急務であると考えます。
そこで、県として、若者に対しこれまでどのように消費者教育を進めてきたのか、また、今後どのような方向で消費者教育を推進していくのか、県民生活部長に伺います。
また、このようなSNSを利用した新たな犯罪の発生に対し、県警察は、その取締りや事件の撲滅にどう取り組んでいくのか、警察本部長に伺います。
A 稲葉尚子 県民生活部長
若者、特に児童・生徒に対する消費者教育は、議員のお話にもありましたスマートフォンの普及などによる新たな消費者問題に対応できる知識や、契約社会の基本ルールを身に着けるために大変重要と考えております。
そこで県では、教育現場で児童・生徒に対し具体的にどのような消費者教育を進めるかを話し合うため、県教育局と消費者教育連携会議を定期的に開催しております。
こうした話し合いをもとに、平成27年度は、教職員のスキルアップを目的にした実践的な消費者教育セミナーを17回実施し、340人の教職員に参加いただきました。
さらに、児童・生徒に対する直接的な働きかけとして、小・中・高校生等の若年者を対象とした消費生活講座を32回開催いたしました。
この講座は、契約の基本ルールをはじめとする消費生活に関する基礎的な知識の習得を目指すもので、講師が各学校にお伺いするなどして、3,000人を超える児童・生徒等が参加いたしました。
川口市のSKIPシティ内には、国内最大規模の消費者教育施設である『埼玉県生活科学センター』、愛称『彩の国くらしプラザ』がございます。
子どもから大人まで楽しみながら学べる当施設で、平成27年度は、過去最高の16万2,651人が来館し、体験学習を通じてお金の大切さや悪質商法への対処方法について学んでいただいたところでございます。
今後の消費者教育の方向性についてですが、現在、次期『消費生活基本計画』を策定中でございます。
この計画におきましては、消費者教育の推進を最重要課題と認識し、施策の充実について検討を進めております。
例えば、県内外の先進的な消費者教育の取組を教職員が学校などで簡単に閲覧できるよう情報共有化の仕組みを検討してまいります。
また、学校側からの授業協力依頼に対し、携帯電話事業者や金融機関などから適切な人材を派遣する仕組みなどの構築に取り組んでまいりたいと考えております。
消費者を取り巻く環境が変化していく中にあっても、若者自らが進んで消費生活に関する知識を習得し、時代に合致した適切な行動がとれる、いわゆる『賢い消費者』となるよう取組を強化してまいります。
A 貴志浩平 警察本部長
県警察では、悪質商法の被害拡大防止に向けた早期の検挙に努めているところであり、平成27年中は、31件29人を検挙しております。
これら悪質商法に対しては、取締りはもとより、消費者保護の立場から、消費生活支援センター等の関係行政機関と、定期的な連絡会議を開催するなど緊密な連携を行い、被害拡大の防止を図っております。
また、議員御指摘のSNSを利用した犯罪などに的確に対処するため、サイバー犯罪捜査の専門的知識等を有する警察官をサイバー犯罪捜査官(iCop)として指定し、県内の全警察署に配置するなど、捜査員の対処能力の向上を図っております。
県警察といたしましては、引き続き、知事部局や市町村相談担当部署等と連携し、新たな犯罪の情報の収集に努めるとともに、悪質な事件に対する重点的かつ積極的な取締りを推進してまいります。
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