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掲載日:2022年8月18日
Q 蒲生徳明議員(公明)
生活習慣病は、我が国の死亡原因の6割、国民医療費の3割を占めています。超高齢社会でも、毎日生き生きと健康に過ごすため、また、高騰する医療費の抑制を図るため、生活習慣病への対策が特に重要になります。
一方、既に生活習慣病を発症している方には、それを重症化させない取組が必要です。中でも、国民病と呼ばれる糖尿病は、重症化して人工透析が必要になると、週3回の透析治療で日常生活が大きく制限され、医療費も年間500万と高騰します。県では、この糖尿病に対し、その重症化予防を推進するための実施事項等を定めたプログラムを作成し、平成26年度から重症化予防対策を進めています。
ここで、先月の読売新聞全国版「医療ルネサンス」の記事を紹介します。
本県東松山市在住の68歳の男性は、特定健診で自分の糖尿病関連の検査値が基準値を超えていることを知ります。しかし、糖尿病と診断されるのが怖いのと、趣味のサイクリングがあるから大丈夫だろうと、迷いながらも病院に行かずにいました。1年後、市から早目の受診を勧める封書が届きます。その頃、ひとり暮らしの元同僚が亡くなったのを知り、同じくひとり暮らしだった彼は、次は自分かもしれないと受診を決めます。医師の助言で血糖値を下げる薬を飲み、野菜を多く食べるなど生活習慣を改善した結果、検査値が改善し、喉の渇きなどの糖尿病の初期症状も収まりました。これは一事例ですが、この事業の着実な成果を見ることができます。
国は、本県の取組をモデルとし、全国的に横展開することを目指しています。私は、国のモデルである本県は、速やかに県内63市町村の実施を実現すべきですし、もっと県民に対し、この事業をしっかりと伝える必要があると思います。
そこで、まず本事業の現状と課題について、また、全県で真に効果的な取組を進めるために県は市町村をどう支援していくのか、保健医療部長に伺います。
また、糖尿病は失明や脳梗塞など併発した際の危険性を伴います。県は、重症化対策とともに、県民の皆さんが糖尿病にかからない対策を更に進めるべきだと考えますが、併せて保健医療部長の御所見を伺います。
A 三田一夫 保健医療部長
市町村により開始時期や内容は異なりますが、県内全63市町村において、糖尿病に対する様々な重症化予防の取組が行われています。
今年度は、そのうち40市町が埼玉県国民健康保険団体連合会と共同で、レセプトデータを活用した重症化予防の取組を実施しています。
この取組は、県医師会、埼玉糖尿病対策推進会議、県の三者で策定した糖尿病性腎症重症化予防プログラムに基づき行われています。
この取組により、糖尿病の治療が必要でありながら医療機関を受診していない方に、受診勧奨を実施して新規受診者が増加し、また生活習慣の改善が必要な方に、保健指導を実施して検査数値が改善するなど効果が出ています。
この取組は、国において「埼玉県方式」として評価され、全国への横展開を目指しています。
一方、共同事業に参加していない23市町村でも、特定健診の結果を説明しながら受診勧奨するなど、従前からの重症化予防の取組が展開されています。
しかし、23市町村の中には、事業の実施規模が小さいところや、効果の検証が十分とは言えないところがあります。
このため、独自の取組を行う市町村を含め、63市町村全てで効果的な対策が進むことが課題です。
全県で真に効果的な取組を進めるためには、独自の取組を行う市町村においても、しっかりと受診勧奨や生活習慣改善の効果検証ができるよう、県が支援を強化することが必要です。
具体的には、共同事業で蓄積したノウハウを提供するほか、国の財政支援制度の活用や、医師会及び糖尿病対策推進会議との連携を支援いたします。
さらに、重症化予防対策が現役世代も広くカバーできるよう、健康保険組合を含めた全ての医療保険者で構成する保険者協議会を通して、国保以外の保険者にも働きかけてまいります。
次に、重症化対策とともに、県民が糖尿病にかからない対策を更に進めるべきについてでございます。
糖尿病にかからないためには、バランスのよい食生活や運動習慣など望ましい生活習慣を身に付け実践することが必要です。
また、糖尿病の特性として自覚症状が出にくいため、定期的に健診を受け、自分の血糖値などを把握することが重要です。
これらは、従前から言われていることですが、わかってはいても続けられないものです。
そこで県では、これまでも健康長寿埼玉モデルの普及拡大や健康長寿サポーターの養成、市町村、保険者と協力して受診を促進するなど、継続的な取組を促してまいりました。
これらの取組を引き続き推進するとともに、来年度から始まる健康マイレージに、健康に関心の低い方も含め、多くの県民に参加いただき、生活習慣の改善に努めてまいります。
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