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掲載日:2022年8月18日
Q 江原久美子議員(民進・無所属)
先月11月3日、全国自治体政策青年ネットワークでともに勉強してきた仲間の名古屋市会議員の日比健太郎君が亡くなりました。今年5月に体調を崩し、急性混合性白血病と診断され、私たちにできる活動をしようということで骨髄バンクドナー登録の呼び掛けを始めた矢先で、36回目の誕生日を迎える直前でした。ドナー適合者は4人見つかりましたが、いずれも様々な理由で骨髄移植は断念したものの、臍帯血移植には成功したとの連絡を受け、議員仲間みんなで喜んでいたところでしたので、本当に残念でなりません。
今回のことがあり、強く感じたことがあります。それはドナー登録です。いつ、どこで、どのように骨髄ドナーの登録ができるのかを知らない方がまだまだ多いという現状です。実際、私も今回のことで初めて調べ、登録しましたし、話を伝えた人からはやはり同様に「ドナー登録はどこでできるの」との質問が一番多かったです。埼玉県では骨髄ドナー登録ができる場所は、所沢、鴻巣、川越、越谷、熊谷、川口、大宮の7か所の献血ルームで、年齢18歳以上、54歳以下の健康で、男性は45キロ以上、女性は40キロ以上であればおおむね登録可能です。まずはバンク登録場所などを知っていただきたいと感じています。
登録という問題の次にあるのが、登録しているドナーと患者とのミスマッチの問題です。ドナーは7月末時点で46万人を超えており、患者登録者数は約3,200人。適合率は95パーセントを超えているので、大半は移植の適合者がいる状態です。しかし、実際に移植にたどりつけるのは約55パーセントです。なぜでしょうか。これはドナー側の経済的な理由が大きいのです。
埼玉県では、全国で初めて県内全ての市町村で助成制度を始めました。昨年度71件という実績は、埼玉県が経済的な理由でのミスマッチを大幅に抑えているのだと思っています。もちろん患者とドナーが必ずしも同じ地域に住んでいるわけではないので、全国でマッチング率を上げるためにも国のバックアップも必要です。
埼玉県議会においても、9月定例会で可決した「骨髄移植ドナーに対する支援の充実を求める意見書」において、企業等がドナー休暇制度を導入しやすくするための優遇措置や休業補償の創設など、具体的な支援策を講ずるよう国に要望したところでもございます。
ドナー登録について現状などを述べてまいりましたが、ドナー登録の啓発について、保健医療部長に伺います。
まず、ドナー登録をより多くの皆さんに伝えていくことは必要ですが、より効果的な方法として、献血と同時に骨髄バンクのドナー登録を行う並行型登録会が挙げられます。そこで、登録会には不可欠なドナー登録説明員が重要な役割を果たします。ドナー登録説明員の育成に積極的に取り組むべきと考えますが、現在の取組と今後の方向性を伺います。
また、ドナー登録者は30代後半から40代の方が約7割を占めています。バンク登録年齢は54歳までなので、骨髄を提供できる年齢は限定されています。つまり55歳になると登録は末梢されることなどの理由で、年間2万人のドナーが引退しているという現状です。つまり、より若い人に登録してもらうことがポイントであるということが分かります。すばらしいことに、実は埼玉県は昨年度1万303名の高校生が献血をし、高校生献血全国ナンバーワンとなっています。ちなみに、私も初めて献血をしたのは高校生のときでした。ドナー登録や助成制度について、特に高校生への働き掛けが必要と考えますが、御所見を伺います。
そして、治療のタイミングなどの問題で骨髄移植が難しい患者さんが最後に希望を託すのが臍帯血移植です。臍帯血とは、出産の際に母体から取り出される胎盤とへその緒から採取されるもので、提供する母子の身体的負担もなく、患者とのHLAを厳密に一致させる必要はありません。移植例も近年増えているものの、この治療法の認知度は低く、埼玉県で臍帯血を採取できる病院は2か所にとどまっています。今後、協力病院を増やしていくべきと考えますが、併せて保健医療部長の御所見を伺います。
A 三田一夫 保健医療部長
まず、ドナー登録説明員育成の取組みと今後の方向性についてでございます。
骨髄バンクにドナー登録していただくためには、様々な要件があり、骨髄や造血幹細胞移植についてよく御理解をいただいていることが前提となります。
このため、献血会場でドナー登録を行う際の説明員の確保は重要です。
この説明員は日本骨髄バンクが委嘱しますが、骨髄バンクについての知識の習得やロールプレイングなど一定のカリキュラムをこなす必要があります。
現在、献血会場に配置する説明員が不足していることから、埼玉骨髄バンク推進連絡会からの御要望もあり、今月22日に、県では初めて養成講座を開催いたします。
引き続き、企業や大学等、大口の献血会場におけるドナー登録にも対応できるよう日本骨髄バンクと協力しながら説明員を順次養成してまいります。
次に、ドナー登録や助成制度について特に高校生への働きかけについてでございます。
ドナー登録は18歳から可能となり、満55歳になりますと登録取り消しとなります。
このため、議員ご指摘のとおり若い世代の登録者数を増やすことが極めて重要であります。
そこで本県では平成26年度から全国で初めて県内の全ての高等学校205校において、卒業を迎える3年生約6万人全員に18歳から登録できることをお知らせし、働きかけています。
こうした取組もあり、10代と20代の登録者数が10月末現在で5,210人に達し沖縄、東京に次いで全国で第3位となっています。
県では、一人でも多くの若者に登録をしていただくため、引き続き埼玉県赤十字血液センターと協力して、高校生への働きかけを続けてまいります。
次に、臍帯血を採取できる協力病院を増やすべきについてでございます。
臍帯血移植は、患者さんの白血球のHLA型と全て一致していなくとも移植が可能であり、ドナーとの詳細なコーディネートの必要がないので移植までの期間が短縮されるなど骨髄移植と異なる利点があります。
しかし、臍帯血移植は、分娩時から無菌管理が求められ、子供に遺伝性疾患がないことを確認する必要があります。また、幹細胞の数が少ないなどの課題もあり、現在のところ、骨髄移植に比べ需要の急激な増加は見込まれていません。
現在県内では、国の許可を受けた日本赤十字社関東甲信越ブロック血液センターが、2か所の医療機関に委託し、臍帯血の採取を行っています。
同センターからは、需給バランスを見ながら臍帯血の確保を行っていると聞いておりますが、県としては、医療の進展などに伴い、需要が急増する場合などを勘案いたしまして、同センターが必要な委託医療機関を継続的に確保できるよう協力してまいります。
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