トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 平成29年9月定例会 > 平成29年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(新井 豪議員)
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掲載日:2023年9月25日
Q 新井 豪議員(自民)
先月の新聞などにおいて、「学童保育の待機児童が増加、1.6万人」という報道がありました。この待機児童という言葉は、学童においても保育園においても都市部の話題であり、私の地元の秩父地域をはじめ、あらゆる面で県南との格差が拡大している県北では、待機するほど子供が増えていないのが現状であります。
しかしながら、この県北秩父地域においても存在するのは、特別支援学校や支援学級に通う子供たちのための学童、放課後等デイサービス施設の待機児童問題であります。
我が国全体の出生数は、この10年間でおよそ5.3%減少しています。それに対し、特別支援学校に通う児童生徒の数は、逆に10年間で3.6%も増加しているのです。小中高いずれの学校も、全国で統廃合が進められている中で、特別支援学校の数は、平成17年に1,002校だったものが、平成27年には1,114校と100校以上増設されております。
こうした環境の中で、平成24年の児童福祉法改正によって新設されたのが放課後等デイサービスの制度であり、現在では約8,400か所の事業所が運営されております。しかし、地域によっては事業所が乱立し、中には、子供にテレビを見せているだけでケアをしない質の低い事業者や、報酬を不正に受給する不適切な事業者などが増えました。これに対し、児童指導員や保育士、障害福祉経験者の配置を運営の条件とするなど、厚生労働省は今年4月からその基準を厳格化しました。この厳格化により、全体的な事業所の質の改善又は悪質な業者の淘汰が図られるということが期待されます。
この埼玉県内においても、地域によっては事業所が飽和状態にあり、児童生徒の取り合い状態であると聞きます。こうした地域においては良い影響があると考えられますが、事業所が不足している県北では、より深刻な状況になることが懸念されます。
このように、県内において放課後等デイサービスを行う事業所の需要と供給のバランスが地域で偏っている、偏在が問題となっておりますが、このたびの運営基準の厳格化により、その偏在が更に顕著になり、ここでも南北格差が拡大する懸念もあります。県内のみならず、全国において事業所の質と量の問題があるわけですが、事業所が不足している地域でも、又は飽和状態にある地域でも、子供たちと保護者が望んでいるのは良質な事業所の設置なのであります。
まず質問いたしますのは、こうした現状を踏まえ、放課後等デイサービス事業所の質の向上のために、県としてどのように監督していくのかをお伺いいたします。
2つ目として、県内における事業所の偏在についてどのような見解を持ち、県としてどのような対策をとるべきかを併せて福祉部長にお伺いいたします。
A 田島 浩 福祉部長
まず、放課後等デイサービス事業所の質の向上のために、県としてどのように監督していくのかについてでございます。
国は、放課後等デイサービスの適切な支援の提供や質の向上を図ることを目的として、平成27年4月に障害児支援の基本的な姿勢などを定めた「放課後等デイサービスガイドライン」を作成しました。
県では、このガイドラインをホームページに掲載するとともに、毎年、事業所の職員を対象にした研修でその内容の理解を図っているところでございます。
また、原則として、3年に1回事業所を実地に訪問し監査を実施するとともに、毎年、全事業所を集めて不適正事例などを説明し事業者を指導しております。
問題がある事業所については、随時、訪問し監査を行い、指導しております。
平成29年4月に児童福祉法施行条例が改正され、今年度から事業者と利用者の保護者がそれぞれサービス内容について評価を行い、その結果と改善内容を公表することが事業者に義務付けられました。
この評価と公表は、今年度中にすべての事業者が行うこととされておりますので、今後、適正に評価と公表が行われるよう、事業者を指導してまいります。
次に、県内における事業所の偏在について、どのような見解を持ち、県としてどのような対策をとるべきかについてでございます。
県内には平成29年3月末現在で514箇所の事業所があります。
放課後等デイサービスについては、事業所が少なく、利用したい方が利用できない地域もあるものと認識しております。
このため、県としては、市町村ごとの施設の利用状況や待機している方の数など実態について調査を実施いたします。
その結果、待機している方がいる市町村には、直接、職員が訪問し、公共施設の一部を貸し出して事業所の開設を促すなどの協力をお願いしてまいります。
また、市町村とともに地元の社会福祉法人に設置を依頼してまいります。
今後とも、利用したい方が利用できないことがないよう、市町村と連携して必要な地域への設置促進に努めてまいります。
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