トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 平成29年9月定例会 > 平成29年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(木下高志議員)
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掲載日:2023年9月25日
Q 木下高志議員(自民)
県は、戦後の人口増加とそれに伴う様々な行政需要に対応するため、高度経済成長期を中心に公共施設や道路などの社会インフラを大量に整備してまいりました。一方で、我が国では本格的な少子高齢化社会を迎え、人口の減少が始まり、本県においてはいまだ人口は微増しているものの、今後は急速な高齢化と人口減少が避けられない状況であります。少子高齢化、人口減少は経済活動を縮小、停滞させる要因となり、県の財政にも大きな影響を与える可能性があり、将来の財政状況が見通せない中で、過去大量に整備してきた公共施設等の老朽化が進んでしまっております。今後そうした施設が更新時期を迎えると、老朽化対策に多大な費用が必要となり、県財政を大きく圧迫することになりますが、施設の老朽化問題の対応を怠れば、新たな社会資本の整備ができなくなるばかりか既存施設の維持管理すら困難になり、行政サービスの提供に支障を来すおそれが生じます。そのため県有資産をより一層効果的、効率的に利活用していくことが欠かせません。
このような観点から、県有資産に関する課題を整理し、今後の県有資産の管理や利活用に関する基本的な考え方や方向性を明らかにすることを目的に県有資産総合管理方針が策定されたわけですが、その中で注目したいのは、今後の取組方策としてのメンテナンス産業の育成です。方針では、公共施設等の維持管理業務に係る技術力を向上するため、メンテナンス産業に取り組む民間企業の育成に努め、公共施設等の大更新時代を乗り切るために必要となる公共事業の担い手づくりに長期的な視点で取り組むとされております。
国においては、平成28年11月にインフラメンテナンス国民会議を設立し、革新的技術の開発や技術者の育成に取り組んでいますが、埼玉県としてもできることがあるのではないでしょうか。メンテナンスに係る適切な予算を確保し、発注に当たっては業者の技術力とメンテナンス体制を十分に把握し、選定を行うことが従来に増して重要になってくると考えます。例えば、福祉業務を委託する際に指名業者が対象となる設備のメンテナンス技術や資格があるか、修理品ルートが確立しているかなど多岐にわたります。また、メンテナンス産業の育成を各部局が統一的な考えに基づいて実行することも必要になるのではないでしょうか。県有資産の取りまとめ役である総務部が各部局に対し、指定管理施設を含め施設のメンテナンスについて指導していく必要があると考えます。
今後、県有施設の長寿命化は喫緊の課題であり、それを支えるメンテナンス産業を埼玉県としてどのように育成するのか、総務部長にお伺いいたします。
A 高柳三郎 総務部長
議員御指摘のとおり、メンテナンス産業の育成は、県有施設の維持管理に係る技術力の向上を図る上で重要な課題であると認識しております。
メンテナンス産業を育成するためには、まずは事業者の皆様に仕事を通じて、現場で経験を積んでいただくことが何よりも重要であると考えております。
そこで県では、ファシリティマネジメントの考え方を取り入れ、県有施設の長寿命化と財政負担の平準化を図りながら計画的に維持管理業務を発注しております。
また、発注に当たっては、類似業務の実績や免許の有無、有資格者の人数等を入札参加条件として設定し、業務の適正な施行を確保しております。
県といたしましては、今後ともメンテナンスに係る必要な予算を確保するとともに技術力等を踏まえた発注に努めてまいります。また、県の体制でございますが、ファシリティマネジメントを全庁的に進めるため、全部局を構成員とする「県有資産マネジメント検討委員会」を立ち上げ、計画の進捗管理を行っております。
指定管理施設を含めた施設のメンテナンスにつきましては、この検討委員会の中で、適切な予算の確保や事業者の選定等について情報共有を図ってまいります。
さらに、この検討委員会の中に新たに部会を設置し、メンテナンス産業の育成について検討してまいります。
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