トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 平成29年9月定例会 > 平成29年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(菅原文仁議員)
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掲載日:2023年9月20日
Q 菅原文仁議員(県民)
県教育委員会では、平成27年度から子供たち一人一人の学力の経年変化を把握することができる独自の学力・学習状況調査を実施しております。さらに、この調査から得られたデータを最大限活用するため、統計学や教科教育の専門的な知見を有する研究機関に委託し、指導と学力の関係などについて分析するデータ活用事業を実施しております。この取組は、市町村や学校のどのような教育施策や指導方法が児童生徒の学力を向上させたのか、明確に検証することができる全国初の取組として注目を浴びています。
実際に、今年7月にはOECDの教育部門トップであるシュライヒャー教育・スキル局長が埼玉県を訪問されて、県庁で県学力・学習状況調査についての意見交換を行うとともに、私の地元戸田市の第二小学校の授業を視察したと伺いました。そこでは、県の取組について高い評価をいただいたそうであり、埼玉県の教育が世界の教育に貢献する日も近いのではないかと、大いに期待するものです。
さて、県学力・学習状況調査のデータ活用事業の平成28年度の分析では、主体的、対話的で深い学び、いわゆるアクティブ・ラーニングが、子供たちの学習方法、態度の改善や非認知能力の向上を通じて学力を向上させている可能性があるという分析結果が出ました。具体的には、子供たちが計画的に学習することや苦手意識を克服して学習に取り組むこと、また自己肯定感を高めることが、学習効果を高める上で重要だと再認識されたそうです。とかく経験則が物を言う教員の世界ですが、今回初めて効果的な指導の方策がデータに基づいて示されたということであり、大変画期的なことだと感じております。教員の皆さんにとっても、自分の指導がデータに裏付けられることで自信にもつながるのではないかと思いますし、さらに、そういった指導法を共有させることで、県全体の指導もより充実させていけるのではないでしょうか。
そこで、教育長にお伺いいたします。
まず1点目として、今回得られた分析結果を子供たちの学力向上につなげていくためには、学校や市町村全体でデータに基づく組織的な指導改善に取り組んでいくことが重要と考えます。そこで、県教育委員会は学校や市町村教育委員会がこのような取組を進めていく上でどのように支援をしていかれるのでしょうか。教育委員会ごとに取組に温度差があるように感じます。伸びているところは更に伸ばす、遅れているところにはしっかりサポートを行うなど、きめ細やかな支援が必要だと感じますがいかがでしょうか、御見解をお伺いします。
次に、2点目として、今回の分析結果を踏まえて、主体的、対話的で深い学びとなる指導への改善を図るとともに、より良い指導方法を共有するために、県立総合教育センターにおける教員研修を更に充実させる必要があると考えますがいかがでしょうか、お伺いいたします。
さらに3点目として、成果を上げている市町村教育委員会への視察を促すことや、成果のある取組を発表する機会を設けることなどにより、教育委員会同士の積極的な情報共有を推進してはいかがでしょうか、お伺いいたします。
A 小松弥生 教育長
まず、「データに基づく指導改善を進めるための支援について」でございます。
県では、今年度実施した県学力・学習状況調査の結果返却に当たっては、新たに3つの資料を作成し、市町村や学校に提供いたしました。
1点目は、どの学年や学級がより学力を伸ばす指導を行ったのかが学校や市町村で分かる資料でございます。
2点目は、効果が見られた主体的・対話的な学びの実践状況や、子供たちの自己肯定感など、非認知能力の変化が容易に把握できる資料でございます。
3点目は、データを踏まえ、効果的な指導方法を共有し、指導改善を進めるための校内研修の実施方法などが分かるものでございます。
全ての学校や市町村で、これらの資料を活用し、指導改善が着実に実施されるよう、市町村が実施する研修会や校長会などの場に県の職員が直接訪問し、指導助言を行ってまいります。
次に、「総合教育センターにおける教員研修の充実について」でございます。
現在、総合教育センターでは、初任者研修などの場で、主体的・対話的で深い学びを実践するための模擬授業や、優れた教員による授業の見学と研究・協議などを実施しております。
さらに今後は、県学力・学習状況調査で把握したデータに基づき、それぞれの学級や学校に適した改善方策を考える研修についても導入してまいります。
次に、「市町村教育委員会同士の情報共有の推進」についてでございます。
市町村教育委員会が集まる会議の場で、学力をより伸ばしている事例の発表や意見交換を行う機会を設けるなどにより、教育委員会同士が積極的に情報共有できるよう支援してまいります。
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