トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 平成29年9月定例会 > 平成29年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(畠山 稔議員)
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掲載日:2023年9月25日
Q 畠山 稔議員(民進・無所属)
いじめ、不登校などの児童生徒への対応、地域との連携など学校に求められる役割が拡大するにつれて、教員の長時間労働が問題となっているところです。県教育委員会では、県職員の勤務の実態を管理職がしっかり把握するために、教職員自ら出退勤時刻を記録して管理職に提出することを始めたと聞いております。
そこで、教育長に4点お伺いいたします。
まず、1点目に、県立学校各校で出退勤時刻の把握が進んできたことは評価できますが、全ての教職員の勤務時間の記録を管理職がしっかりと把握できているのでしょうか。勤務時間の記録を行っていない教職員も存在していると学校現場から聞いておりますが、今後どのように指導していくのでしょうか。
次に、2点目です。多くの学校現場で教職員が長時間残っている実態があります。労働安全衛生法により、本人の申請があれば過労死ラインと言われる月80時間を超える教職員は、産業医の面談を行うことが定められております。現場の県立学校においては制度の周知を含め、管理職による具体的な指導が必ずしも十分に行われていないと思われますが、今後どのような働き掛けを行っていくのでしょうか。
次に、3点目ですが、平成29年8月に中央教育審議会で休養日を含めた適切な活動時間の設定など、部活動の適切な運営について緊急提言がされました。これに先立ち、県教育委員会では、平成28年3月に部活動の平日の活動時間は原則として2時間以内とすることなどを通知しました。しかし、徹底し切れずに、とりわけ運動部において長時間の活動を行っている学校もあると聞いておりますが、今後どのような対応をしていくのでしょうか。
次に、4点目でございます。文部科学省の調査によりますと、過労死ラインと言われる月80時間を超える教員が中学校では約6割に達している現実があります。早急に具体的な業務削減を進めなくてはならないと考えますが、県教育委員会として今後どのように対応していくのでしょうか、お伺いいたします。
A 小松弥生 教育長
まず、「すべての教職員の出退勤時刻の記録を管理職がしっかり把握できているのか」でございます。
教職員の負担軽減及び健康管理を図るため、県立学校では、校長に対して、平成28年5月から、教職員に出退勤記録簿に出退勤時刻を記録させ、個々の教職員の在校時間を適切に把握するよう指導をしております。
しかしながら、出退勤記録簿の記録に時間がかかるなどのため、この取組が学校現場においてまだ定着しておらず、出退勤時刻を十分把握できていない状況がございます。
教職員が出退勤記録簿の提出を徹底するよう、会議や面談等を通して、校長を指導してまいります。
また、今後は、出退勤時刻の記録の負担軽減を図るため、ICカードなどによる方式も検討してまいります。
次に、「県立学校における教職員の産業医との面談について、今後どのような働きかけを行っていくのか」でございます。
県では、長時間労働による健康障害を防止するため、産業医による面談の制度を設けております。
今後、出退勤時刻の把握により、月80時間以上残っている教職員などに対し、校長から面談を勧奨するよう、徹底してまいります。
また、産業医の面談制度についてわかりやすくまとめた教職員向けのリーフレットを作成し、この制度の周知徹底にも努めてまいります。
次に、「部活動の適切な運営について」でございます。
議員お話のとおり、県では、平成28年3月に部活動について、平日の活動は、原則として2時間以内とすること、週休日の活動は、原則としてどちらか一日を休みとすることを通知いたしました。
そこで、本年度、部活動の活動時間や休養日の設定状況について、県立高校や公立中学校の実態を調査したところでございます。
その結果、平日の運動部活動が2時間以内の県立高校は41.0%、公立中学校は84.3%であり、週休日のどちらかを休養日にしている県立高校は41.0%、公立中学校は36.2%でございました。
教員の多忙化や長時間労働の解消に向けた活動時間や休養日の適正化は、喫緊の課題の一つでありますが、これに関する通知の内容が学校現場に十分浸透していないことについて、県として重く受け止めております。
今後は、調査結果を踏まえ、活動時間が突出している学校や市町村に直接訪問し、短時間でも効果的な練習方法の事例を提供するなど、運動部活動の適正化に向けて必要な指導を、丁寧に行ってまいります。
次に、「具体的な業務削減を進めるにあたっての県の対応について」でございます。
今年度、国の委託事業「学校現場における業務改善加速事業」を受け、県に「教員の働き方改革推進プロジェクト委員会」を設置するとともに、伊奈町をモデル地域に指定し、業務改善の調査研究を行っております。
プロジェクト委員会では、学校、市町村教育委員会、民間企業、外部有識者などを委員として、業務改善の方策について協議をしているところでございます。
伊奈町では、業務の削減に向け、民間コンサルタントの助言や、教員自ら業務改善の方策について協議することを通して、行事や会議等の学校業務や教員自身の働き方の改善について取り組んでおります。
また、伊奈町の小中学校各1校ずつに、教員の業務の補助を行う「業務アシスタント」を配置し、分担する業務内容やスタッフ配置体制のあり方など、効果的な活用方法について検証をしております。
今後、伊奈町でのモデル事業の成果も含め、プロジェクト委員会でまとめられた改善策について、各市町村へ丁寧に説明するなど、教職員の負担軽減に積極的に取り組んでまいります。
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