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掲載日:2023年9月20日

平成29年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(並木正年議員)

埼玉県教育環境整備基金について

Q   並木正年議員(県民

平成27年3月に創設された埼玉県教育環境整備基金は、卒業生、個人や企業、団体からの寄附と、閉校した県立学校の売払金の一部を積み立てて、施設の整備など特色ある学校教育の推進のために県立学校が独自に策定したプランに活用できる基金となっています。各高校が策定したプランの一例としては、部活動の練習場所への照明の設置やピッチングマシン、防球ネットの整備など部活動の推進における施設の整備、また、学力向上への取組としては、プロジェクターやスクリーンの設置など教育環境の整備が挙げられます。
このように、現在は13の高校がそれぞれ特色あるプランを通じて寄附の募集を行っており、各高校の募集金額は162万5,000円から1,600万円までと幅広いプランの内容になっています。寄附については、チラシの作成を行い、卒業生への郵送や地元企業の訪問などを行っているようですが、寄附が目標金額の10パーセントにも達していない学校が半数以上あるなど、募集金額の達成は非常に厳しい状況であると思います。
また、寄附を広く集めることで教育環境を整備したい趣旨は理解をできます。しかし、寄附文化が広く根付いていない国民性から、寄附のみで様々な施設を整備することは、卒業生の少ない学校や歴史の浅い学校には寄附が集まりづらい傾向があるのかもしれません。
そこで、現在の寄附状況、各学校のプラン策定について教育委員会としての関わり方、さらに募集期間が迫っている学校については、この基金からの優先的な配分ができないものか、教育長に伺います。
次に、寄附の種類について伺います。
この寄附の方法は2種類あり、広く県立学校を応援する意味で特定の学校を指定しない寄附、もう一つは、プランを策定した特定の県立学校のみを指定する寄附があります。内容を調べてみますと、募集が始まった平成28年4月から約1年半で、特定の学校を指定しない寄附が9件に対して、特定の学校を指定した寄附が219件と圧倒的に多くなっています。寄附をする場合には、やはり卒業生などは自分が卒業した学校の策定プランに寄附をしたいと考えるのは当然だと考えます。しかし、特定の学校を選んで寄附をしたとしても、寄附をした金額の2割は自分が選択した学校ではなく、広く県立学校を支援する寄附の中に組み込まれてしまっています。
そこで、特定の学校を選んで寄附をした場合については、寄附者の心情から配分や割合を見直すべきだと考えますので、教育長の見解を伺います。 

A   小松弥生   教育長

まず、「現在の寄附の状況」についてでございます。
平成27、28年度に策定した13プランの目標額合計5,999万円に対して、寄附額は1,845万1,000円で、3割程度となっております。
目標額を達成し、今年度事業化した越谷北高校に続き、来年度は、3校が事業化できる見込みでございます。
一方で、寄附がなかなか集まらず、プランを廃止した学校も2校ございます。
次に、「各学校のプラン策定への教育委員会としての関わり方について」でございます。
この寄附制度は、学校自らプランを考え、地域社会にそれを訴えかけ、賛同していただける方から寄附をいただき、事業を行うもので、学校の意識改革も目指しております。
そのため、教育委員会としての関わり方は、プランの内容が法令上問題がないか、安全が確保されているかなどにとどめ、学校の考えを最大限尊重しております。
また、同時に適切な事業規模等についても助言をしているところでございます。
次に、「募集期間が迫っている学校に対しては基金からの優先的な配分ができないか」についてでございます。
学校間の公平に考慮しながら、議員からご提案のあった基金からの優先的な配分などを含め、対応策を検討してまいります。
次に、「特定の学校を選んで寄附をした場合については、寄附者の心情から割合を見直すべきでないか」についてでございます。
現行では、特定の学校を選んだ寄附の場合でも、寄附金額の2割相当額は広く県立学校全体の特色化の経費に充てる制度としております。
この制度は、学校の立地条件や地域との関わりなど学校を取り巻く環境によって寄附の集まりやすさ、集まりにくさがあるため導入をしたものでございます。
最初のプランの募集期間が終了したという時期でもございますので、議員御提案の趣旨も含め、よりよい仕組みとなるよう見直しについて検討してまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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