トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 平成29年9月定例会 > 平成29年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(安藤友貴議員)
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掲載日:2023年9月20日
Q 安藤友貴議員(公明)
訪れた方が気持ちよく過ごし、また来たいと感じていただくことは、どの自治体も重要な課題と考えていると思います。リピーターを増やすためには、サービスや利便性など訪れた方の満足度を高めることが重要です。その中には、トイレの清潔感などに気を遣っているところも多くあります。すばらしい土地であるのにトイレが汚かったために思い出が傷ついたり、どんなにおいしい食事を提供する飲食店でもトイレの印象で二度と行かないような経験はありませんでしょうか。私にはあります。
先月、この視点から県を挙げて公衆トイレの美化、整備を進めている和歌山県を視察いたしました。和歌山県は、平成25年度からおもてなしトイレ大作戦と題して観光地の公衆トイレを中心に、小便器の自動洗浄や温水洗浄便座など普及に取り組んでいます。訪問者に心地よく滞在していただき、和歌山県にもう一度来たいと思っていただくことを目的とし、特に観光地、道の駅、鉄道、神社仏閣の公衆トイレを中心に整備を進めてきました。また、飲食店やホテルなどの民間企業に対しては、県観光課が一軒一軒おもてなしトイレ整備の協力要請に回るといった地道な努力をされています。
平成25年度に観光地、道の駅など668か所の改修を目標に掲げ、現在662か所の改修が終了しています。この約3年間で小便器の自動洗浄は35.2パーセントから100パーセントに、温水洗浄便座の設置は3.2パーセントから62.4パーセントとなり、大幅に改修が進みました。
担当の方よりこのようなエピソードがありました。あるバス旅行でバスガイドの方が乗客の皆様にこう言ったそうです。「もうすぐ和歌山県に入ります。トイレ休憩は和歌山県でとりましょう。和歌山県はどこでもトイレがきれいですから」と。「和歌山県のトイレはきれいという印象が深く根付いてきたことにうれしく感じます」とおっしゃっています。
また、埼玉近県でも取り組んでいる自治体は多くあります。群馬県では、群馬ビジタートイレ制度と題してトイレのブランド化を進めています。千葉県は観光地魅力アップ整備事業として、トイレ整備を行っています。
また、国内の観光客だけでなく海外の方にも目を向けなければなりません。本県の外国人観光客数の推移は、平成23年の12万人と比較し、平成27年は28万人と2倍以上となっています。これから東京オリンピック・パラリンピックも控え、ますます外国人観光客は増えていくと思います。
トイレ製造メーカーが訪日された外国人にアンケート調査をしました。その中で、「旅行前に宿泊施設に期待していたことは」との問いに、1位が接客、2位がトイレであり、食事や客室などの項目を大きく引き離しています。このアンケート結果からも分かるように、トイレの印象一つで評価が変わります。
全ての方が本県にまた来たいと思っていただくためにも、観光地を中心に小便器の自動洗浄や温水洗浄便座などのトイレ改修を進めるべきと考えますがいかがでしょうか、知事にお聞きします。
A 上田清司 知事
全く同感でございます。
きれいで快適なトイレの整備は観光地や観光施設のイメージアップに加え、集客にもつながる重要な要素の一つだと思っております。
県でも率先して県営の大規模集客施設や公園のトイレについて計画的な改修工事を進めております。
2019年にはラグビーワールドカップが、その翌年には東京2020オリンピック・パラリンピックが開催され、多くの方が来県されることが見込まれます。
まずは、来場者に気持ちよく観戦していただけますよう、その会場となっている熊谷ラグビー場及びさいたまスーパーアリーナのトイレを大会開催までに改修いたします。
そのほか県営公園など多くの方が訪れる県有施設のトイレについても、順次、改修を進めてまいります。
市町村や民間企業でも様々なアイデアにより来訪者に気持ちよく利用していただくための取組が進んでいます。
例えば、さいたま市では大宮駅東口にあるトイレを整備する際、テラスを併設し、イベントなどで利用するとともに街の情報を発信しています。
和光市では駅前トイレの命名権を活用し、その対価としてお金ではなく改修や定期的な衛生管理を行ってもらう仕組みを導入しています。
その結果、明るくきれいになったと利用者に好評だと伺っております。
西武鉄道所沢駅では、トイレに男性用、女性用の香りを漂わせ、香りのおもてなしを行っていると聞いております。
一方、市町村や民間企業がこれらの取組を行うに当たって、財源の確保が課題であります。
国では市町村や民間企業に対し、外国人観光客の利用の多い観光地周辺のトイレの洋式化に必要な経費の一部を支援いたします。
また、県でも市町村の魅力ある地域づくりを支援しており、その中にはハイキングコースの整備と一体となった観光トイレの整備などの例もございます。
市町村や民間企業に対しては、様々な機会を捉えて国や県の支援制度の活用ができることなどをお知らせし、また先進的な民間の取組事例などをお知らせし、清潔で快適なトイレの普及を後押ししていきたいと考えております。
議員お話のとおり、トイレは観光地やその地域の印象に大きく影響いたします。
今後とも、埼玉県を訪れた全ての方々に気持ちよく過ごしていただき「また埼玉に来たい」と思っていただけるよう受入環境の整備を計画的に促進してまいります。
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