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掲載日:2020年3月12日

平成29年2月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(権守幸男議員)

「車中泊」避難対策について

Q 権守幸男議員(公明

最大震度7を記録した昨年4月の熊本地震では、被災者が自家用車で寝泊まりする車中泊避難を選択するケースが多く見られました。狭い座席に長時間いることで足の血管内に血栓ができ、それが肺に流れ込んで心肺停止など、いわゆるエコノミークラス症候群による震災関連死の発生や、避難者の人数や場所の把握に手間取ります。熊本地震は、多くの課題を浮き彫りにしております。
国が熊本地震を検証し、昨年12月、車中泊避難対策などを含む応急対策・生活支援策の在り方について、報告書を提出しております。
また、岐阜県は、車中泊避難対策を盛り込んだ地域防災計画の修正を検討しております。公明党議員団は、今月2月17日、岐阜県の取組について調査してまいりました。126年前、内陸地震として国内最大規模の濃尾地震に見舞われた岐阜県は、熊本地震を受け、浮かび上がった課題を、予防、応急、復旧の3つに分類し、116項目の防災対策の方針を昨年8月に発表しています。車中泊避難者は自然発生してしまう、その前提に立ち、応急対策の中に、避難所近くにある大型駐車場を事前に把握するなどの方針を新たに盛り込んでおります。
その一方、残念ながら本県の地域防災計画では車中泊避難を想定しておりません。避難所が破損して使用できないなどの様々な理由から車中泊避難は自然発生してしまう、その前提に立って車中泊避難の対策を立てるべきではないでしょうか。本県は、エコノミークラス症候群を防ぐため、医療用の弾性ストッキングを備蓄するほか、注意を呼び掛ける方法を検討する、また、市町村と連携し、あるいは民間事業者と協定を結び、公共施設や大型商業施設の駐車場の一部を避難者用として確保や指定をするべきと考えます。「車中泊」避難対策について、危機管理防災部長にお聞きします。

A 槍田義之 危機管理防災部長

平成28年熊本地震では、避難所の天井が落下して使えなかったり、子供やペットが周りの人に迷惑をかけるとの気遣いなどから多くの車中泊避難者が発生し、被災者の情報の把握や支援が困難を極めました。
このため、エコノミークラス症候群により亡くなられる方も出てしまいました。
こうした事態への対応としては、避難所において天井などの非構造部材も含めた耐震化を進めることはもとより、多様なニーズに応えられるよう避難所の環境整備、運営方法の改善を図ること、また、みなし仮設も含めた速やかな仮設住宅の提供が、まずは基本と考えます。
しかし、それでも発生する車中泊避難に対して必要な支援を柔軟に行えるよう準備を整えることは、防災対策において想定外をなくすという観点から重要なことと考えます。
このため県では、庁内に設置した熊本地震検証会議での検討結果を踏まえ、エコノミークラス症候群を防ぐための弾性ストッキングや使い捨てトイレを備蓄する予定でございます。
また、検証会議では、物資支援等を円滑に行えるよう、分散した車中泊避難者を一か所に集めるためのオープンスペースをあらかじめ想定しておくことや、健康被害に対する注意喚起、健康相談を行うことなど、車中泊対策に関する意見も数多く出されています。
避難所避難を原則とし、極力車中泊避難者を出さないよう努力をしつつ、それでも出てしまう車中泊への対応策について、議員の御提案も参考にしながら、避難者対策の最前線を担う市町村と検討を進めてまいります。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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