トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 平成29年2月定例会 > 平成29年2月定例会 代表質問 質疑質問・答弁全文 (鈴木正人議員)
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掲載日:2020年3月9日
Q 鈴木正人議員(県民)
発達障害とは、自閉症、アスペルガー症候群、その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害、その他これに類する脳機能の障害であって、その症状が通常、低年齢において発現するものとされております。文部科学省の2012年の調査によると、通常学級に在籍する児童生徒の中で発達障害の特徴を示す子供は全体の約6.5パーセントという結果になり、これは診断を受けている子供の数ではありませんが、その特徴を示す子供が約15人に1人の割合でいることで、埼玉県の15歳未満人口に当てはめると、約6万1,000人が対象となるのであります。
そこで、埼玉県では平成23年度から発達障害対策を重点プロジェクトに位置付け、乳幼児から学齢期、成人期までの発達障害児・者のライフステージに応じて積極的に支援をしております。市町村での発達障害の窓口となる担当職員の育成、保育士や幼稚園等で早期に気づき、適切な支援をできる人材の育成、保育所、幼稚園での支援を小学校につなぐ教員の育成などの取組を積極的に行ってまいりました。親への支援、診療、療育体制の強化、就労の支援を柱に各種事業も実施され、さらには平成23年度から福祉部福祉政策課に専担組織を設置し、今年の1月には発達障害児の支援の拠点として発達障害総合支援センターが県立小児医療センターの建物内に設置され、非常勤の医師の方や臨床心理士など11名の体制を組んで発達障害の支援ができる人材の育成や親への支援、地域の支援機関への助言、県民からの相談に応じるなど、発達障害のある子供や保護者の方からの期待も大きいと感じております。
そのほかにも、県内3か所の中核発達支援センターの設置運営により、診療、療育体制の強化も図られ、さらには発達障害者に特化し、就労相談から職業能力強化、就労訓練、就労活動から職場定着までをワンストップで支援する県内4か所にある発達障害者就労支援センターの設置運営など、埼玉県の発達障害児・者への支援に対する意気込みは年々増え続けていることが予算額の推移からもうかがえます。鳴り物入りで平成23年度から発達障害対策を重点プロジェクトに位置付け、乳幼児から学齢期、成人期までの発達障害児・者のライフステージに応じて積極的に支援し、既に多くの成果が上がっていると伺っておりますが、こうした埼玉の取組による支援の成果が全国へと発信され、生かされることを期待したいと思います。
そこで、平成23年度の重点プロジェクト位置付け以降の発達障害児・者に対する支援の成果は具体的にどのようなものであったのか、成果や課題を踏まえて今後の支援の方針はどうなるのか、上田知事にお伺いをいたします。
A 上田清司 知事
平成23年度以降の支援の成果についてです。
保育所や幼稚園に通っているうちに発達障害が分かれば、早くから周囲からの配慮が受けられるようになり、友達とのトラブルが減り、一緒に行動ができるようになるなど、集団生活になじむことができるようになります。そこで、県では保育所や幼稚園、小学校の先生と市町村との職員を対象として研修に力を入れてまいりました。いわゆる障害児を見分けることができるような人たちをたくさん養成しようということでございます。
小学校3年生までで、発達障害の特性に応じた支援が必要な子供は県内で推計約4万人と多いため、支援が届くような規模感を持って人材を育成してまいりました。27年度までの5年間で、10,549人に研修を受講いただきました。保育所や幼稚園では1園に3人、小学校では1校につき6人の方が発達障害に早期に気づき支援ができる人材として活躍いただいております。こうした本県の取組は、平成26年度に全国知事会の優秀政策賞に選ばれています。
次に、今後の支援の方針ですが、発達障害児支援をより一層進めるため、本年1月にさいたま新都心に発達障害総合支援センターを開設いたしました。センターでは、市町村や障害児が利用できる事業所の職員が専門的な支援を行えるよう、人材育成や地域支援に力を入れています。人材育成では、研修室に設置したブランコやトランポリン、平均台などの遊具を活用し、新たに実習形式の研修を実施しています。発達障害のある子供は、体の動かし方がぎこちないことが多いため、苦手な部分を減らし、できることを増やしていく効果的な遊び方を実践的に学んでいただきます。さらに、センターの保健所や臨床心理士、作業療法士などの専門家が障害児が利用する事業所や市町村を直接訪問し、子供が地域で適切な支援を受けられるよう助言、支援してまいります。
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