トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 平成29年2月定例会 > 平成29年2月定例会 代表質問 質疑質問・答弁全文 (浅野目義英議員)
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掲載日:2020年3月2日
Q 浅野目義英議員(民進・無所属)
科学技術を取り巻く国際情勢、我が国の産業競争力が低下しています。日本が成長を続けていくためには、国際競争で勝てる新しい産業を創出する必要があります。そのため埼玉県では、今後の成長が見込める新たな産業を育成し、埼玉県に集積させる先端産業プロジェクトに取り組んでいます。埼玉県産業技術総合センター、以下SAITECと呼ばせていただきますが、技術開発の支援拠点として役割を発揮しています。
SAITECでは3つの事業で、中小企業の技術開発を支援しています。1つは、SAITECの中心事業と言える技術支援です。2つは、自社に専門の研究チームがなくても研究開発ができる研究開発支援です。3つ目は、セミナーや情報提供など技術分野の底上げを支援する情報交流です。SAITECは公設試験研究施設です。実はこういった公設研究施設は各都道府県に1つあり、首都圏でTKF、テクノナレッジ・フリーウエイというチームを形成しています。SAITECがTKFの中で、他と比べた埼玉県の強みはありますか、優位性は一体何なのでしょうか、知事から答弁ください。
正に大学研究機関等の先端的な研究シーズと企業の優れた技術を融合させ、実用化、製品化、事業化を強力に支援する先端産業プロジェクトです。ナノカーボン、医療イノベーション、ロボット、新エネルギー、航空宇宙の5分野を重点にし、さらには地域の金融機関などとの連携により先端産業を育成し、埼玉県への集積を目指してきました。これらの取組の結果、スマホに利用されているリチウム電池に代わる小型マグネシウム蓄電池など様々な成果が出てきています。
最終コーナーの製品化、事業化へ結び付くものは何件、どんなものがありますか、知事から答弁ください。
また製品化、事業化に結び付いた原動力となった発明などの研究に携わった職員への報奨などについて、私は更なる充実が必要と思います。どう考えますか、併せて知事から答弁ください。
A 上田清司 知事
まず、産業技術総合センターの強み、優位性についてでございます。
産業技術総合センターの一つの強みは、3次元の精密測定及び3Dプリンタを活用した試作品の作成支援が得意であることでございます。
この支援は、企業の設計・試作開発のスピードアップ、コストダウンを図るもので、企業の競争力を高めるために重要な役割を果たしています。
本県では、平成25年度、全国の公設試験研究機関では最も早くX線CT三次元測定機を導入しました。年間の利用時間は2,400時間を超えほぼフル稼働です。
また、10年以上前から3Dプリンタを活用した試作支援を行っていますが、X線CT三次元測定機などとの一体的運用を図ることで、より高いレベルの支援を行っています。
二つ目の強みは、他県に先駆け、将来の産業に大きな影響を与える可能性のあるテーマ「マグネシウム蓄電池」と「再利用可能な繊維強化プラスチック」の研究に取り組んでいることでございます。
特に「マグネシウム蓄電池に係る研究」は、全国の公設試験研究機関で唯一、本県だけが取り組んでおり、民間を含めても全国トップレベルにあるものと自負しているところでございます。
次に、先端産業創造プロジェクトで製品化・事業化へ結び付くものは何件あるかについてでございます。
先端産業創造プロジェクトでは、新たな研究開発に挑戦する企業に対して、今年度までに66件の助成を行っています。
平成29年度末までに45件が製品化される見込みです。
自動塗装ロボットや水晶を活用したウイルス検出装置は既に製品化され、売上が上がっています。
また、航空分野で製品の検査工程を大幅に効率化できる新たな測定技術を開発した企業は、エンジンブレードなどで1億円以上を受注している例などがございます。
次に、発明などの研究に携わった職員への報償などについてどう考えるかについてでございます。
本県では、職員が職務に関連して行った発明に対する報奨制度を設けております。
特許権を取得した発明について県が収入を得たとき、収入金額の5割の額を報奨金として発明者に支払っております。
また、本県では研究開発を行う職員が大学院で研究を行うため就学する場合に、授業料と入学金の一部を助成しております。
マグネシウム蓄電池の開発にかかわった職員もこの制度を利用して大学院で博士号を取得し、学んだことを直接研究成果にも結び付けております。
今後も研究環境の充実を図って職員のモチベーションの維持・向上に努め、先端産業創造プロジェクトを支える試験研究機関としてのレベルアップを図っていきたいと考えます。
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