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掲載日:2023年3月17日
5か年計画特別委員会における審査経過の概要について、御報告申し上げます。
本委員会に付託されております案件は、議案9件であります。
12月定例会で継続審査となった第110号議案については、閉会中の1月10日、1月20日及び2月10日に審査を行い、分野別施策等について執行部から詳細な説明を受け、質疑を行いました。
さらに、今定例会では、2月24日及び3月3日に審査を行った次第であります。
まず、2月24日の委員会において、木下委員ほか2名、及び秋山委員から、それぞれ、第110号議案に対する修正案が提出されました。
初めに、木下委員ほか2名から提出された修正案の主な内容を申し上げます。
まず、第1編及び第2編において、目標を達成しようとする強い意志を端的に県民に表明するべきであるとの理由から、「挑戦」を「宣言」に改める。
次に、第1編の1に(4)として、「計画の見直し」を追加する。計画と現実のずれを是正するため、計画を見直し、必要に応じて修正することは重要であるとの理由から、ローリングを計画の中間年度を目途に実施することなどを明記する。
次に、第1編の3の(1)に、事業実施過程において、部局・課所・各職員が目標を共有することを明確にし、事業の効果的な推進に取り組むことを明記すべきであるとの理由から、計画に掲げる目標を踏まえた部局及び課所の数値目標を毎年度定めること、及びこれらの目標と各職員の年度目標とをひも付けることにより、組織全体で目標を共有することなどを追加する。
次に、第2編において、今後5年間で最も重点を置き取り組むべき「活力ある超高齢社会の構築」などの4つのテーマに係る取組が、分野別の各施策における取組の一つとして、分散して記載されているのみであることについて、県民に重点的に推進することを示すべきであるとの理由から、第2章として「重点推進課題」を新たに追加する。
次に、第2編第2章の5の(1)において、施策内容等が類似しているとの理由から、「環境に優しいエネルギーの普及拡大」と「地球温暖化対策の推進」をまとめて「環境に優しい社会づくり」に統合整理の上、再編することなどであります。
以上、主な修正について申し上げましたが、それぞれの修正理由並びにその他の修正につきましては、お手元の修正案により御確認をいただきたいと思います。
次に、秋山委員から提出された修正案の主な内容を申し上げます。
まず、行き届いた教育のためには少人数学級の拡充が求められるとの理由から、施策指標を「学力・学習状況調査における学力状況」から「小学校・中学校における少人数学級の実現割合」に改める。
次に、不登校児童生徒数を減らすことは、逃避や休息の機会を子供から奪いかねないとの理由から、「不登校(年間30日以上)児童生徒の数及び割合」の施策指標を削除することなどであります。
続いて、3月3日の委員会において、各修正案に対する質疑を行いました。以下、論議のありました主なものについて申し上げます。
まず、木下委員ほか2名から提出された修正案について、「太陽光発電とエコタウンモデルは重複する部分が多いとして、太陽光発電に関する記載の一部を削除しているが、この修正は太陽光発電そのものを否定するものではなく、住宅用の太陽光発電の普及は引き続き推進すべきと考えていると理解してよいか」との質疑に対し、「家庭用の太陽光発電の普及拡大を否定するわけではない。ただし、エコタウンモデルについては、検証がしっかり行われないまま全県展開が進むことは問題であり、検証等の結果が確認された後、費用対効果に見合った取組を行うべきである」との答弁がありました。
次に、「PDCAサイクルには、次の5か年計画につなげていくという意味合いも含まれると考えられるし、今までも計画期間の途中で進捗を検証してきている。今回、あえてローリングを実施することを加えたのはなぜか」との質疑に対し、「原案では、PDCAサイクルによる改善は、翌年度の予算・組織や事業の実施方法を対象としており、計画そのものの変更には至らない。ローリングを実施するとの記載を加え、検証・見直しを行う節目を明確にした」との答弁がありました。
続いて、秋山委員から提出された修正案について、「不登校児童生徒の数及び割合の施策指標を削除するのは、学校関係者の不登校を減らそうとの努力を否定することになる。不登校を減らすのは好ましくないということか」との質疑に対し、「過度の競争やいじめが原因で不登校になっている場合もあり、不登校を悪いものと決めつけるのは子供を追いつめるため、施策指標にすべきではないと考える」との答弁がありました。
その後、討論に入りましたところ、木下委員ほか2名から提出された修正案に反対する立場から、「執行部との綿密な調整を行っておらず、県政史上類を見ないプロセスで行われた修正である。また、修正により計画の体系そのものが崩れており、取組のバランスが悪く、新たに加えた章については現実性が疑問視される」、「本質に影響のない表現上の修正が多い。また、5か年計画は、代表的なものに限定して記載せざるを得ないため、取り上げる数に限りがあることを考えれば、修正案で追加された施策が原案にないことが不適切であるとはいえない」、「太陽光発電や温暖化対策などはこれからのエネルギーや環境政策の中心となるものである。これらの文言が削除されたことに反対である」との討論がありました。
また、木下委員ほか2名から提出された修正案に賛成する立場から、「救急搬送時間の短縮に向けた支援や不妊予防教育、観光インフラ整備構想の研究・推進などが追加されており、県が取り組むべき課題を明確化し、希望ある未来へと前進できる修正案である」、「ローリングは、社会情勢の変化への対応とともに企画部門と現場に近い部門との意識のずれを解消することにもつながる。また、『挑戦』を『宣言』にしたことや、重点推進課題を新たな章とし、積極的に取り組む意志を示したことは、県民の目線で見直した結果であり、県民の希望や思いが反映されたものである」、「児童虐待死亡事例の件数の捉え方を見直したことに賛成である」との討論がありました。
次に、秋山委員から提出された修正案に反対する立場から、「学校環境などを改善することで不登校を減らすことにつながるため、不登校児童生徒の数及び割合は施策指標として不適切とはいえない」、「同和問題は、私たちの後に続く世代で語られることがないようにするための課題だと認識している」との討論がありました。
次に、原案に反対する立場から、「安定水利権の獲得を目標とすることは、ダム事業への更なる協力を余儀なくされる可能性を生む。また、全国学力・学習状況調査は、児童生徒の学力形成に有害で、むしろ少人数学級をはじめとした教育環境の整備を急ぐべきであり、全国学力・学習状況調査の平均正答率を施策指標にすべきではない」、「2025年問題を考える上で重要である財政の見通しについての視点がなく、大きな欠陥がある」との討論がありました。
また、原案に賛成する立場から、「本県の直面する最重要課題である超高齢社会への対応を中心に、必要な課題が整理され、取り組むべき施策と数値目標が、整合性を持って提示されているため賛成である」との討論がありました。
以上のような審査経過を踏まえ、採決いたしましたところ、木下委員ほか2名から提出された修正案については、多数をもって可決し、秋山委員から提出された修正案については、賛成少数をもって否決し、修正可決した部分を除く第110号議案については、多数をもって、原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
次に、第35号議案ないし第42号議案の審査について申し上げます。
まず、3月3日の委員会で、執行部から説明を受けました。続いて、3月17日の委員会では、質疑を行った後、第36号議案及び第38号議案ないし第41号議案に対する修正案が、木下委員ほか2名から提出されました。
なお、これらの議案は、各分野における個別の行政計画であり、5か年計画の修正可決に伴い、修正案が提出されたものです。
修正案の主な内容を申し上げます。
まず、第36号議案に対する修正案は、第2の2の(1)において、「固定的な性別役割分担意識は十分解消されておらず」との記載を削除する、などであります。
続いて、第38号議案に対する修正案は、第5章の3の(5)のイ及び第6章の3の(11)において、「清浄な水」との記載を「安全な水」に改める。
続いて、第39号議案に対する修正案は、第3の1の(3)において、「エコタウンモデルの全県展開」を「エコタウンモデルの検証等」に改める、などであります。
続いて、第40号議案に対する修正案は、第4の1の(3)のアにおいて、「北部地域振興交流拠点の検討・推進」との記載を削除する、などであります。
続いて、第41号議案に対する修正案は、第3の1の(7)において、埼玉エコタウンプロジェクトについて「拡大・深化を目指した取組を継続する」との記載を「検証等の取組」に改める。
次に、第5の1の(2)のエ及び第5の3において、「住宅用太陽光発電設備の設置数」の施策指標を削除する、などであります。
なお、詳細につきましては、お手元の修正案により御確認をいただきたいと思います。
続いて、修正案に対する質疑を行いました。
その中で、「『固定的な性別役割分担意識』との記載が、5か年計画の修正に伴って削除されている部分と、残っている部分があるのはなぜか」との質疑に対し、「固定的な性別役割分担意識が十分解消されていないと確定的に評価している部分は、県民に示すことになじまないため削除した。一方で、客観的に現状を説明する部分や、施策の目的や方向性を説明する部分は修正せずに残した」との答弁がありました。
その後、討論に入りましたところ、第36号議案及び第38号議案ないし第41号議案に対する修正案に反対する立場から、「個別の計画は、5か年計画よりも社会的背景や施策が詳細に記載されることは当然である」、「5か年計画にない修正が加えられ、表現をグレードダウンしている」、「性別役割分担意識は明らかに存在することや、北部地域振興交流拠点の課題の検討は必要であることなどから、これらの削除などに反対である」、「エコタウン事業などに取り組む若手職員の努力を思えば修正案に賛成できない」との討論がありました。
次に、第38号議案に反対の立場から、「八ッ場ダムや思川開発を推進する計画であり、反対である」との討論がありました。
以上のような審査経過を踏まえ、採決いたしましたところ、第36号議案及び第38号議案ないし第41号議案に対する修正案については、多数をもって可決し、修正可決した部分を除く第38号議案については、多数をもって原案のとおり、修正可決した部分を除く第36号議案及び第39号議案ないし第41号議案については、総員をもって原案のとおり、第35号議案、第37号議案及び第42号議案については、総員をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
以上、審査経過の概要について申し上げましたが、本委員会の付託案件につきましては、今回をもって審査を打ち切ることに決した次第であります。
以上をもちまして、本委員会の報告を終わります。
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