トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 平成29年2月定例会 > 平成29年2月定例会 代表質問 質疑質問・答弁全文 (鈴木正人議員)
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掲載日:2020年3月9日
Q 鈴木正人議員(県民)
年が明けてから、メディアでは連日、米国のトランプ新大統領に関する報道が多くなり、次々に出す大統領令に対して、いかに破天荒で問題だらけの行動をしているのかと、いわゆるコメンテーターと言われる方々が連日批判をしております。しかしながら、そんな破天荒な大統領を米国の民主主義の制度で選んだのも米国国民であり、英国のEU離脱や米国のトランプ新大統領の誕生など、行き過ぎたグローバリズムの反発から新たなナショナリズムの時代が来たとも言われております。
また、トランプ大統領誕生が選挙で確定してから、公約であった国内のインフラ整備を徹底的に行う内需拡大策や減税策は、市場や米国の経済にとってプラスになるとの見方から株価は上昇し、ダウ平均が史上最高値となる2万ドルを突破してからも、更に過去最高値を更新し続けております。それにつられる形で日本の日経平均株価もダウ平均ほどではありませんが上昇しており、FOXTV以外は米国だけでなく、日本のマスコミも含め批判の嵐を受けている米国のトランプ大統領ですが、突然何を言い出すか分からない不安定要素はあるものの、経済的に見ればアメリカファーストの政策は市場からは期待されているようであります。
我が国も、経済政策では見習うべきものは見習って、本格的な景気回復とデフレ脱却のためには他国に負けない先端産業を育成しながらも、必要なインフラ整備による公共事業などを積極的に行う内需拡大策と消費税8パーセントへの増税後の個人消費の落ち込みと景気低迷を考えれば、財務省の財政均衡主義にだまされずに、消費税3パーセント分に匹敵する減税か、個人消費を拡大させるための財政政策が必要ではないかと考えております。
このような変化しつつある世界的潮流や政府の方針などを見極めながら、我が埼玉県経済の発展と、それに伴う県民所得の向上は県民生活の安定のために何よりも大切で重要な政策だと考えております。非正規雇用が増え、格差が広がってしまい、最近では「貧困」という言葉をよく聞くようになってしまいました。相対的貧困率も先進30か国では米国に次いで第4位というデータも示されている昨今、やはり埼玉県経済が元気になり、同時に県民所得が向上して個人消費が活発になれば、更に経済が元気になる好循環になります。このようにして、格差や貧困の問題が解消されていく埼玉県にしなければなりません。
上田知事におかれましては、県政運営及び予算編成に関する基本的な考えの中で、強い埼玉県経済が必要であると訴えておりました。埼玉県として積極的に進めてきた先端産業創造プロジェクトにより、マグネシウム蓄電池に実用化のめどが立っており、企業の研究開発を3年にわたり支援してきたことによって、多視点裸眼3D内視鏡システムなど45件の製品化が見込まれているとのことであります。農業分野においては、もうかる農業の推進をうたい、埼玉県農業の競争力強化も打ち出しております。
このような新しい成長産業のほかにも、経済を支えることや安定した雇用を確保することを考えれば、やはり公共事業は今後も大切であります。埼玉県経済の血流を良くする幹線道路の早期整備や駅前通りなどの主要道路などの無電柱化の推進、また要望の多い信号の設置や公園などの都市環境の整備、さらには川や森などの自然環境の再生など、以前批判のあった無駄な箱物行政でないことであっても、やれること、やらなければならない公共事業は数多くあると考えております。
また、実質賃金もここに来てようやくプラスになる月も出ておりますが、まだまだ実感として給料が上がって財布のひもが温かくなったという話はほとんど聞きません。格差社会を拡大した非正規雇用の方々も、本人の希望があればどんどん正規雇用化できる仕組みづくりや、働く女性、働きたい女性の支援や、まだまだお若い定年後のシニアの就業や会社を興す起業の支援も大切だと考えております。
いずれにしても、県民の所得が上がらなければ個人消費は活発にならず、本格的景気回復などはあり得ませんので、上田知事におかれましては時には国に物を言い、プレッシャーをかけながら、本県経済の発展と県民所得の向上を図っていただきたいと思います。
そこで、今回の平成29年度予算案において、埼玉県経済の発展と県民所得の向上に向けて、どのような特徴をもって施策を展開され、強い埼玉県経済をつくっていこうとしているのか、上田知事にお伺いいたします。
A 上田清司 知事
平成25年度までの10年間の都道府県別の県内総生産の増減額を見ますと、本県は愛知県の1兆6,733億円に次いで全国2位の7,675億円の増加になっています。
強い埼玉経済を維持していくためには、「稼ぐ力」を更に向上する必要がございます。
そのためには、まず、県経済をけん引する稼ぎ頭の産業の育成が重要だと思います。
本県の製造業は比較的バランスが取れていますが、それでも自動車関連産業が生産額の2割程度を占めています。
経済情勢に左右されない足腰の強い産業構造とするためには、平成26年度から取り組んでいる先端産業創造プロジェクトを更に進め、新たな産業を育成する必要があると思います。
また、昨日26日には圏央道の茨城県区間が全線開通し、成田空港までのアクセスが容易になりました。
これを機に企業誘致についても、これまでの蓄積を生かし、更に展開してまいります。
加えて、国内市場が縮小する分野もありますので、経済のグローバル化を生かし、県内企業の海外展開を進めることも重要だと思います。
そのため、ベトナム、タイなどにサポートデスクを置き、アセアン市場への参入を支援しています。
また、JETRO、日本貿易振興機構のネットワークとノウハウを活用し、商工団体や市町村と連携して県内中小企業を支援してまいります。
一方、こうした「稼ぐ力」の向上によって得られた成果が、経済活動をしっかりと支える「人財」に届き、所得の向上が図られなければ、経済はいい循環になりません。
そのため、女性やシニアの活躍を推進したり、定年廃止や長時間労働からの脱却などに取り組む企業や「埼玉県公労使会議」の議論を踏まえ、非正規雇用者の正社員化に取り組む企業などを支援してまいります。
こうした取組により、高齢者も女性も非正規雇用者も、誰もが貴重な「人財」として活躍できる社会に変えてまいります。
このように本県の「稼ぐ力」を引っ張り、その活力を全体にわたらせ、更に「人財」の活躍につなげることで、埼玉県経済をより持続的に一層強いものにすることができると考えます。
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