トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 平成29年2月定例会 > 平成29年2月定例会 代表質問 質疑質問・答弁全文 (西山淳次議員)
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掲載日:2020年3月4日
Q 西山淳次議員(公明)
川の国埼玉を実現するには、きれいな川を取り戻し、水辺をゆとりと安らぎの空間にすることが必要です。そのためには、河川汚濁の主な原因である生活排水の処理施設を整備することが極めて重要です。県は、埼玉県生活排水処理施設整備構想を策定し、平成37年度には生活排水処理人口普及率100パーセントを達成すると目標を定めています。同構想では、平成37年度に下水道が86.9パーセント、農業集落排水1.3パーセント、浄化槽が11.8パーセントと、これで合100パーセントの生活排水処理人口普及率が可能になると定めています。ああ、平成37年度には県内の100パーセントで生活排水処理がきちんとできるんだなと思いたいところですが、現実はそう簡単ではありません。
まず、下水道の86.9パーセントですが、これは下水道が引かれた区域の人口、あくまで人口が86.9パーセントになることであり、実際に下水道に接続した人口ではありません。せっかく地域内に下水道が引かれても、つながない家庭があることも事実です。下水道が整備された区域内の家庭が100パーセント接続すれば、県全体の86.9パーセントになるということです。
そこで、第一の質問ですが、下水道整備区域における下水道未接続人口、家庭の割合はどの程度なのか。また、数にするとどのくらいでしょうか。この未接続家庭に接続を促すために、県はどうしますか。全て市町村にお任せでしょうか、知事に伺います。
次に、浄化槽の11.8パーセントであります。下水道や農業集落排水が整備されない区域は合併処理浄化槽でやるしかありません。ですので、11.8パーセントは100パーセントから下水道と集落排水を引いただけの数字でありまして、何らできる保証がありません。環境部の試算では、11.8パーセントを達成するには、単独処理浄化槽から合併処理浄化槽への転換が年間2,000基程度必要とのことであります。これができれば単独処理浄化槽はゼロになります。このゼロの達成について、昨年の2月定例会、予算特別委員会で我が党の藤林議員が大丈夫かと質問したのに対しまして、当時の環境部長は「必ず達成します。不退転の気持ちで推進します。」と答弁をしております。
しかしながら、12月定例会の自然再生・循環社会対策特別委員会で、この課題について報告されましたところによると、合併処理浄化槽への転換は目標の2,000基に対して、この4年間は年1,100から1,200基程度にとどまっております。このままでは目標達成は困難と思われます。目標達成には、県として合併処理浄化槽への転換を促す更なる施策が必要と考えますが、いかがでしょうか、知事の見解を伺います。
A 上田清司 知事
下水道への接続についてでございます。
下水道整備区域内における未接続人口の割合は平成27年度末現在で4.6%、人口にすると約27万人でございます。
接続率を高めるには、公共下水道の事業主体である市町村が取り組むのが基本です。
下水道への接続には一世帯当たり30万円から50万円程度の費用を要することから、市町村では経済力の弱い世帯に対する融資や助成制度を設け、接続率を高める努力をしています。
また、市町村が行う助成に対しては、下水道の整備が完了した区域では国の交付金を財源として活用できないため、県はその改善を国に要望しております。
今後とも、下水道接続に関する市町村の支援を継続し、接続率の向上につなげてまいります。
次に、合併処理浄化槽への転換についてでございます。
合併処理浄化槽への転換には、1基当たり約114万円の費用を要することから、早期に転換をするためには、国、県、市町村による支援が欠かせません。
この数年、国の交付金は市町村の所要額を下回っているため、必要額を確保できるよう、県としては国に対し要望を行っているところでございます。
また、合併処理浄化槽への転換を加速するためには、主流である個人設置型浄化槽から、市町村が浄化槽を設置して維持管理も行う市町村整備型浄化槽に切り替えることがいちばん重要だと思います。
市町村整備型の大きなメリットは、個人設置型に比べ、個人の負担額が60万円から10万円程度と、約50万円軽減ができます。
市町村にとっても、浄化槽整備に要する市町村負担額を地方債で対応できるため、一般財源の負担がなく、元利償還金に対して49%の交付税措置があるという財政的なメリットもあります。
県では、平成28年度から市町村整備型に対する補助金を個人設置型に比べて1基当たり10万円から15万円増額しております。
現在、市町村整備型は11市町村で導入されており、単独処理浄化槽から合併処理浄化槽への転換は、導入していない他の市町に比べ約2倍のスピードで進んでおります。
こうしたことを踏まえて、県は平成35年度までに浄化槽整備区域のある58市町村の全てに、市町村整備型を順次導入することを目標にしております。
この目標が達成されますと、平成37年度には合併処理浄化槽への転換が完了できるというふうに見込んでおります。
今後とも市町村による合併処理浄化槽への転換を支援して、平成37年度までに生活排水処理人口普及率100%を達成していきたいと考えております。
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