トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 平成29年2月定例会 > 平成29年2月定例会 代表質問 質疑質問・答弁全文 (小谷野五雄議員)
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掲載日:2020年3月4日
Q 小谷野五雄議員(自民)
昨年2月定例会で2本の議員提案条例、「埼玉県手話言語条例」と「埼玉県障害のある人もない人も全ての人が安心して暮らしていける共生社会づくり条例」、議員総員の賛成により成立をいたしました。いずれの条例も、障害のある人もない人も分け隔てられることなく、相互に人格と個性が尊重される共生社会づくりを進めようとするものであります。私もこの条例制定に当たっては、自由民主党議員団のプロジェクトチームの一員として障害者の方々、家族、支援者の方々と意見交換を行い、内容の検討を加えるとともに、提案者の一人となった思い入れ深い条例でもあります。
意見交換の中で繰り返し確認したことは、この条例制定はゴールでなくスタートであるということであります。この2つの条例、そして昨年4月に施行された障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律、いわゆる障害者差別解消法などの関係規定を生かして、全ての人が安心して暮らしていける共生社会づくりをつくっていきましょうという話をしました。条例にはこうした意見交換や県民コメントなどをできるだけ取り入れ、取り組むべき課題などを明らかにしております。先日、県内の障害者雇用情勢が改善されているという調査結果が発表されましたが、条例の精神が生かされたのであれば大変、知事、嬉しいことであります。
一方、先月、JR蕨駅で視覚障害者がホームから転落して死亡するという悲しい事故が発生いたしました。安心して外出できるということは社会参加の一歩であります。12月定例会においても、我が党の永瀬秀樹議員がホームドアを設置するのを訴えるなど、自由民主党議員団として早くから安全対策を求めてまいりました。ホームドア設置支援制度が平成29年度予算に盛り込まれていたことは、前進だと私は考えております。県のリーダーシップによって、ハード、ソフト面の両面から安全対策が更に進むように取り組んでいきたいと思っております。
昨年4月にこの両条例を施行されて間もなく1年がたちます。障害者の方々、その家族、関係者の皆さん、県民の方々、我々議員の思いの詰まったこの条例を知事はどのように受け止めて、これからの障害者施策を進めていくお考えなのかお伺いをいたします。
また、共生社会を実現していくには、社会に住むみんなが共生社会づくりを進めようとする思いを持ち、共生社会を普通に感じられるようになることが私は大事だというふうに思っております。学校教育で社会性が培われていく中で、手話の学びなどを通じて共生社会に関する正しい知識を身に付けることが必要だと考えますが、これは教育長の御見解をお伺いいたします。
A 上田清司 知事
共生社会づくり条例と手話言語条例は、共生社会の実現を推進するための力になるものと受け止めております。
実際、私も障害者団体や関係団体の集会などに出席した際、この条例を高く評価する声がよくあります。
まず、この条例を多くの方に知っていただき、共生社会に関する理解を深めていただくことが必要だと考えております。
このため、平成28年度は条例の概要を記載したリーフレットを作成し、市町村職員を対象に説明会を開催しました。
その後、市町村と共催により、障害者と接する機会の多い飲食業、旅館業、不動産業などの従業員の方を対象に説明会を開催いたしました。
また、多くの県民の皆様にも条例の趣旨を理解していただくため、「彩の国だより」などで広報もしております。
今後も障害者や関係者の意見を聞きながら、条例を踏まえ、障害者への理解促進、障害者の社会参加や就労の促進などの施策をしっかりと進め、共生社会の実現に努めてまいります。
A 関根郁夫 教育長
共生社会の実現のためには、社会性の礎を築く学校教育において、障害のある子供と障害のない子供が、早い段階から共に学び、お互いを認め、尊重し合う心を育むことが大変重要であると考えます。
そのため、県では、本県独自の取組である支援籍学習を推進し、障害のある子供と障害のない子供が共に学ぶインクルーシブ教育の拡大を図ってまいりました。
例えば、大宮と坂戸の県立ろう学園の児童生徒の支援籍学習では、障害のある子供と障害のない子供が、「手話」を使ってコミュニケーションをとり、共に学ぶ中で、お互いの理解を深めております。
また、多くの小中学校では、総合的な学習の時間などで福祉に関する学習を取り入れており、その中で地域の社会福祉協議会と連携した「手話」の体験活動を行っている例もございます。
さらに、高等学校においては、福祉の授業や部活動などで「手話」を学んだり、特別支援学校高等部の分校が設置されている学校では、文化祭や体育祭などを合同で行い交流を深めている例もございます。
こうした機会や活動を通じて、様々な機会から自信を得られるとともに、障害への理解が深まり、お互いを認め、尊重し合う心が育まれております。
今定例県議会において、新たに戸田翔陽高校内に特別支援学校を設置するために必要な経費を当初予算案に計上させていただきました。
今後、こうした取り組みを通して、障害のあるなしに関わらず、共に学ぶ場の充実に取り組み、共生社会の実現に向け、インクルーシブ教育の推進に取り組んでまいります。
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