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ページ番号:89170

掲載日:2020年3月4日

平成29年2月定例会 代表質問 質疑質問・答弁全文(小谷野五雄議員)

私立高校における父母負担軽減事業について

Q 小谷野五雄議員(自民

価値観や生活スタイルの多様化が進む中で、教育の多様化も重要です。子供たちが自分の未来を考えた上で、公立高校だけではなく私立高校もまた重要な選択肢となります。明治維新後、鎖国状態であった日本が驚異的なスピードで近代文明を取り入れることができたのも、戦後の焼け野原から日本が23年という短期間で世界第2位の経済大国に発展を遂げたことも、国民一人一人の教育の水準が極めて高かったことが理由の一つに挙げられております。
現在、公立高校の現場では、ICTの活用や体験学習などの様々な工夫がされておりますが、また、私立高校でもそれぞれの建学の精神に基づき多様な取組が進んでおります。より生徒の個性に合った教育環境を求めて私立高校で学習することもあると私は思っております。家庭にとって私立を選ぶ事情は様々ですが、子供たちの進学の幅を広げるためには、選択を伴う負担を平準化することが必要と考えます。私は、近年、私立高校へ通う生徒の負担軽減の重要性や教育の機会均等について広く認められているようになったことは、非常にいいと思っております。もはや経済的に余裕のある家庭が私立高校を選択するというイメージは、時代おくれ感もあります。
我が自由民主党議員団としても、父母負担軽減事業については、平成15年12月定例会において私立高校等に在学する生徒の父母への支援を求める決議を行って以降、強力に推進しております。埼玉県ではこれまで全国トップレベルの父母負担軽減事業を実施してまいりました。事実、東京都では授業料だけが補助対象ですが、埼玉県では年収約500万未満の世帯に対し、授業料だけではなく施設費等のほかの納付金も含めた実施無償化を実現しております。
このような中、東京都では年収760万未満の世帯について、授業料を実質無償化をするとの報道がありました。東京都が授業料軽減事業を強化することで、相対的に埼玉県の私立高校の競争力が低下することと我々自由民主党県議団は大変危惧をしておりました。そこで、直ちに更なる助成事業の拡大を要請したところ、平成29年度当初予算では授業料のみでありますが、実質無償化の範囲を年収609万円未満の世帯まで拡大する提案があったことは、団といたしましても高く評価しております。
経済的にも恵まれない家庭に育っても埼玉の私学で学びたいという生徒の希望をかなえ、人材として輝かせる責務が我々にはございます。そこで、新年度予算案における補助の充実を含め、父母負担軽減事業に対しどのような固い決意を持ってしっかりと取り組んでいく思いなのか、知事のお考えをお伺いいたします。

A 上田清司 知事

議員御指摘のように、教育の多様化が重要となる中、これまで県内の私立学校は公立学校と並び、人づくりの大きな役割を担ってまいりました。
このため、県では、学校への運営費補助と保護者への父母負担軽減事業補助を私学助成の2本柱として支援してきたところです。
特に父母負担軽減事業補助については、これまでも県議会の皆様から御要望などを様々な形で応援いただき、低所得世帯を中心に年々充実を図ってまいりました。
最近では、平成26年に授業料と入学金に加え、施設費等納付金の補助を創設いたしました。
また、平成28年度には年収500万未満世帯に対し、授業料と施設費等納付金の実質無償化を実現しました。
こうした中、東京都でも平成29年度から年収760万未満世帯への授業料を実質無償化する予算案の発表がございました。
県議会の皆様からも、更なる補助の拡充について緊急の御要望をいただきました。
こうしたことを踏まえ、東京と埼玉で働く給与所得者の年収の違いや、補助対象者の割合などを総合的に考慮しながら、年収609万未満世帯の授業料実質無償化を図ることといたしました。
これにより、授業料が実質無償化となる生徒の割合が4人に1人から3人に1人と拡充されます。
東京都では生徒の30%がカバーできると聞いていますが、本県では35%をカバーできることになります。
財政力の豊かな東京都と何でも競争する訳にはいきませんが、あらゆる人たちがチャンスを平等に得られる社会が望ましいという考え方で、これからも進めていきたいと思います。
選択と集中の観点から、今後とも子育て世代が抱える経済的な負担を軽減するため、私学助成にしっかり対応してまいります。 

  • 上記質問・答弁は、速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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