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掲載日:2024年12月20日
Q 新井一徳 議員(自民)
国は、平成元年の「高齢者保健福祉推進10か年戦略」、いわゆるゴールドプランを皮切りに様々なプランを策定し、福祉サービスの充実を目指してきました。本県もこれらのプランに準じて、超高齢化社会への準備を進めてきたことと思います。現在、高齢者施設は多岐にわたり、利用者にとっては選択の幅が広がるプラスの面がある一方、施設の種別と利用者のニーズが複雑多様化し、混乱を招く事例も耳にします。
実は、有料老人ホームは急増しています。本県では、平成18年度で96施設、定員6,605人だったのが、本年度は558施設、2万9,939人です。民間の株式会社が設置できる有料老人ホームを今後どう整備すべきかは大きな課題です。
有料老人ホームには、大きく3つのタイプがあります。このうち、介護付き有料老人ホームは、介護保険の特定施設の指定を受ける必要があり、埼玉県高齢者支援計画で上限数が定められていますが、そもそも有料老人ホームは届出で設置が可能であることや、残る2つの住宅型有料老人ホームや健康型有料老人ホームはこの支援計画が及ばず、総量規制もありません。
定員数などを勘案して整備する施設と違い、事業者が自由に整備でき、無制限に増える可能性があります。当然ながら、質の悪化も懸念されます。入居時や月々の費用が高価であり、富裕層のためのものとの印象が強かった有料老人ホームですが、介護保険制度導入前後から使用しなくなった職員寮やアパートを修繕・転用することでイニシャルコストを抑え、安価で入居できるホームが増えたことで特養と費用の面で差がなくなりつつあるとの話も聞きます。
こうした比較的安価な有料老人ホームは、将来への不安を持つ多くの高齢者のニーズに応えてきたものと言えます。しかし、住宅型や健康型の有料老人ホームに入居する高齢者も、時を経るにつれ、要介護へと進みます。適切な施設への移行が困難な場合、現在の有料老人ホームに居住したまま、関連事業者による外部サービスの提供を受けることになります。利益を優先する余り、過剰なサービスを提供するケースがあると耳にします。結果として、入居者の不利益はもとより、社会保障費の増大につながる懸念すらあるのです。さらに、届出のない有料老人ホームも存在し、これでは行政の指導監督の目が行き届かず、高齢者の安心・安全が脅かされるおそれもあります。
団塊の世代が後期高齢者となる2025年問題とその先を見据え、高齢者の安心・安全を守るためにも、有料老人ホームの在り方を考えるべき時期に来ていると考えますが、福祉部長の見解をお伺いします。
A 知久清志 福祉部長
有料老人ホームは、高齢者が暮らしやすいように配慮された「住まい」で、主に民間企業によって運営されています。
県内の有料老人ホームは、平成30年10月末現在574施設です。
そのうち、介護保険法に基づく特定施設入居者生活介護の指定を受けた介護付きが376施設、指定を受けていない住宅型が198施設となっております。
議員お話のとおり、介護付きは総量規制の対象となっておりますが、住宅型などは対象とはなっておりません。
このため、一定のサービス水準や安定的、継続的な事業運営を確保していくことが重要です。
県では、平成3年に全国に先駆けて、有料老人ホームの設置運営に係る指導基準を定め、構造設備、人員などの運営方法、サービス内容、利用料金などについて指導を行ってまいりました。
また、同時に策定した指導要綱に基づき、事業者の届出を受理する前にも、事前相談、事前協議の2段階にわたり事業者と十分に協議し指導を行っております。
開設後は、年1回経営状況の報告を求めるとともに、定期的に実地指導を行うほか、介護サービスの利用や入居者の処遇に関して問題が発生した場合は、現地調査を実施して指導を行っております。
一方、未届施設に対しては、市町村からの情報提供を基に現地を調査し、粘り強く指導を行っております。
今後県といたしましては、有料老人ホームを取り巻く環境が変化していることから、入居する高齢者の安心安全を確保するため、有料老人ホームの指導の在り方などについて市町村や事業者団体の意見も聞きながら検討してまいります。
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