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掲載日:2024年12月11日

平成30年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(並木正年議員)

「賢く」「省く」事業の重点化と財政健全化の堅持について

Q   並木正年   議員(県民

上田知事は、就任以来、高齢化や人口減少への対策、また県内産業の振興や雇用対策など、様々な施策を展開してこられました。例えば、先日発表された企業誘致の取組では、予定よりも半年早く累計立地件数1,000件を達成し、誘致した企業の投資総額は約1兆6,000億円、新規雇用者数は約3万3,000人にも上り、大きな経済効果を本県にもたらしています。
こうした施策を展開する一方で、一貫して行財政改革に取り組み、「最小最強の県庁」を旗印に事務事業を見直し、効率的な組織整備を行うとともに、規律ある財政運営に努めてこられました。その結果、社会保障関連経費が増える中においても、財政の健全性を示す健全化判断比率は着実に改善を続けています。
平成31年度当初予算編成方針においても、行財政改革を大きな柱の一つに位置付け、「『賢く』『省く』事業の重点化と財政健全性の堅持」を掲げています。県のかじ取りを担い15年がたちますが、あらゆる事業を見直すことが今後の持続可能な県政運営に求められるものだと思います。
そこで伺いますが、事業の重点化や財政健全性の確保に向けどのように取り組んでいくのか、知事の御所見を伺います。
また、平成31年度当初予算編成に当たって、我々の会派、無所属県民会議では、県民こそが主役の県政、そして県民満足度向上のための行政を願い、魅力あふれる埼玉の実現のため、548項目の要望を上田知事をはじめとした執行部に行いました。その中でも、特に教育分野への重点投資を求めました。教育は、正に人生100年時代の礎を築くものであり、真に必要な投資と考えます。
そこで、教育分野への重点投資についてどのようなお考えをお持ちか、知事の御所見を伺います。

A   上田清司   知事

まず、事業の重点化や財政健全性の確保に向けた取組についてでございます。
行政というものは、基本的に肥大化するきらいがあると認識しております。
長期にわたり事業を実施していると、必ずしも時代のニーズに合わなくなることがありますし、事業に関係する人の顔が浮かんだりして、なかなか廃止できないということもございます。
我が国では太政官制が始まった当時、各役所に「省」という文字が充てられました。当時の賢人たちは行政が肥大化していくことを知っており、だからこそ戒めとして「省く」という文字を充てたのではないかと思われます。
また、「省」という文字は、「振り返ってよく考える」という意味もあります。本当に県民のための事業になっているのか、もっと効率的にできないのか振り返ってよく考え、あらゆる歳出を総点検しスクラップアンドビルドを進めていかなければならないと思っております。
その際、県民にとって真に必要な事業を省くことがあってはならないと思います。
むしろこの取組により、県民にとって真に必要な事業に財源を重点的に投下できるように考えることが必要だと思っております。
そのためには、単に「省く」ことだけではなく「賢く」見直すという視点が必要だと思います。
例えば、今年度から総務事務システムなどのヘルプデスクにAIを導入いたしました。AIが職員からの質問の意味を理解して、問合せに回答します。うまく答えられなかった質問についても、AIが学習することで回答できるようになります。これにより、職員の問合せに要する時間を大幅に「省く」ことができ、またAIの学習が進めば、将来的に現在人が行っている業務を「省く」こともできるものだと思います。こうして「省く」ことによって生み出された時間を、県民のニーズを踏まえた政策の立案など、より創造的な仕事に向かわせることができると思います。
また、県では民間企業と連携し、様々な行政分野において民間企業のノウハウを生かす取組も行っております。
例えばヤフー株式会社と連携し、県が設置した県内20河川のカメラ画像を同社のサイトを通じて情報提供をしています。県としては日本最大級のポータルサイトを通じて、多くの方に情報を提供することができ、企業としてはサイトを充実させることができ、双方がWIN-WINの取組になっています。企業と県がそれぞれの得意な分野を生かし連携することで相乗効果が生まれ、県だけで事業を行うよりも費用を削減しつつ、県民サービスを向上させることが期待できます。
こうした「賢い」行政、無駄を「省いた」行政を進め、これにより生み出した財源を真に必要な事業につぎ込んでいきたいと思っております。
次に、教育分野への重点投資についてでございます。
もとより幼児教育の無償化をはじめとした教育への経済的な投資は、まことに重要だと思います。
しかしもっと重要なことは子供がつまずいた時、速やかに立ち直ること、社会や自分に対して自己肯定感を持つことができるようにすること、そして社会の中で生きる力をしっかり養うこと、このことが一番重要だと思っております。
近年、日本の子供の貧困率がOECD加盟国の平均を上回っており、7人に1人が貧困状態にあると言われています。子供の貧困状態が長く続くと、自己肯定感などが失われる可能性が高くなります。
このため県では生活困窮世帯の子供に対し、学習や生活の支援を行うアスポート事業を実施してきました。今年度からは、小学生を対象としたジュニア・アスポート事業も始めました。このような取組を地域と連携して行い、全ての子供が安心して過ごせる子供の居場所づくりを県内全域に広げてまいります。
一方で、これまで子供を見守ってきた地域社会は時代とともにその力が弱まり、地域で子供を育てるという考え方が徐々に失われております。地域が子供を育て、その子供がやがて地域を支えていくという持続可能な関係を再度構築する必要があると考えます。
県では県立学校と地域をマッチングし、地域の力を活用した教育活動や、学校の力を地域に生かす取組を推進しております。例えば小川高校では小川町と包括連携協定を結び、地域資源である小川和紙の普及など様々な地域課題の解決に向けた取組を行っております。また庄和高校では、地元の商工会と協力し商店街の活性化などについて生徒自らが知恵を絞り解決策を見つける取組も行っております。こうした取組を通じて、生徒たちは地域への興味や関心を持ち、愛着を深め、いずれ地域を支える人材になっていく可能性が高いのではないかと考えます。
議員御指摘のように、私も教育は人生100年時代の礎になるものだと考えております。
一人一人が社会や自分に肯定感を持ち、自分の能力と可能性を開花させていくことができれば、ときには困難なことがあっても輝く人生が待っているものと確信しております。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

お問い合わせ

議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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