トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 平成30年12月定例会 > 平成30年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 > 平成30年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(神尾高善議員)
ここから本文です。
ページ番号:142474
掲載日:2024年12月11日
Q 神尾高善 議員(自民)
八高線にSLの運行を実現させるためについては、県議会の一般質問でたびたび取り上げられております。直近では平成30年6月定例会の一般質問で武内政文議員が質問しておられます。
改めて申し上げるまでもなく、八高線は県北部地域及び西部地域を南北に走り、高麗川駅以北はディーゼル区間で、一日当たりの乗車客数は各駅とも数百人以下という状況であります。これらの地域では人口減少が進んでおり、人口の維持又は流入人口の増加は、重要かつ切実な課題でもあります。
私ども八高線・川越線沿線活性化議員連盟は、沿線市町とJRと連携しながら、この八高線を観光路線化してにぎわいを創出し、交流人口の増加はもとより移住の促進も図ることも目指して積極的に活動をしているところであります。
そして、八高線にSLの運行を実現することを一つの大きな目標とし、議員連盟としては今年の1月、JR高崎支社に対してSLの運行、フリー切符の発行、そしてサイクルトレインの運行の重点3項目を強く要望してまいりました。高崎から水上まで走っているSLを八高線に延長して走らせることは、群馬から横浜まで絹を運んだ歴史に照らしても、もとより重要なストーリー性を持っています。
さらに先日、群馬県選出の県議会議員と意見交換をする中で、JRグループ旅客6社が群馬県への誘客に取り組む「群馬デスティネーションキャンペーン」が2020年春に実施されるというニュースを耳にいたしました。注目すべき点は、世界遺産富岡製糸場と絹産業遺産群と関係が深い埼玉県北部や秩父地域など、県境を越えた関係市町と共に連携して実施されるというところであります。これは八高線沿線地域の魅力を発信するとともに、八高線にSLの運行を実現するための正にビッグチャンス、これを契機として一気呵成に実現してはどうでしょうか。
オリンピック・パラリンピック開催年でもある2020年に実施される「群馬デスティネーションキャンペーン」を契機として本県の観光振興、とりわけ八高線沿線地域の観光エリアとしての魅力発信に積極的に取り組むべきと考えております。また、SLが運行されれば同キャンペーンの大きな目玉となり、八高線沿線地域の観光エリアとしての魅力が倍増するのではないでしょうか。
11月29日に、八高線電車化促進期成同盟会会長のときがわ町の渡邉一美町長とお会いした際に、ときがわ町ではこのキャンペーンに合わせた観光PRの一つとして、明覚駅で1日限定10個の駅弁を売って販売する「駅弁キャンペーン」をやってみたいといったお話を伺いました。このように、沿線市町はこのキャンペーンを好機として捉えて、魅力発信に取り組もうと考えております。
そこで、このキャンペーンに向けて、八高線沿線地域の観光エリアとしての魅力発信について県としてどのように取り組んでいくのか、また、キャンペーンに絡めて目玉となるSL運行についてどのように考えるのか、産業労働部長に伺います。
A 渡辺 充 産業労働部長
まず、群馬デスティネーションキャンペーンに向けて八高線沿線地域の観光エリアとしての魅力発信について、どのように取り組んでいくのかでございます。
議員お話のとおり、2020年春の「デスティネーションキャンペーン」の開催地は群馬県に決定いたしました。
このキャンペーンはJRグループが全国規模で展開するもので、群馬県や関係自治体、観光事業者が一体となって集中的にイベントを実施するとともに観光資源などを紹介するものであります。
詳細は未定ですが、来年春には「プレキャンペーン」、2020年には「本キャンペーン」、2021年には「アフターキャンペーン」が実施され、3カ年にわたり全国に情報が発信されます。
対象エリアは、群馬県が中心となりますが、隣接する本県の北部地域や秩父地域も含まれることとなりました。
これは県内の観光振興にとっても大きなインパクトをもたらす絶好のチャンスと考えます。
そこで、本県の魅力を効果的に発信できるよう、現在、PR手法などについて群馬県と打合せをしているところです。
現時点での打合せでは「プレキャンペーン」における、全国の旅行会社やメディア関係者をターゲットとしたイベントの開催やモデルツアーの実施などが議論されております。
本県といたしましては、こうしたイベントなどを通じて、八高線沿線を含む北部地域や秩父地域、ひいては県全体の観光振興につながるよう、取り組んでまいります。
次に、キャンペーンに絡めて目玉となるSL運行についてどのように考えるのかについてでございます。
SLの運行につきましては、保安員の配置などの安全対策や、折り返し運転のための転車台の設置に多額な費用を要するなどの課題があるとJR東日本から伺っております。
昨年8月に東武鉄道が運行開始した「SL大樹」では初期費用として約30億円が投入されたとの報道もございました。
また、新たにSLを運行させる場合には初期費用に加え警備などの費用も掛かります。
このような費用面の課題もありますが、八高線の利用促進と沿線地域の活性化の観点から、県では今までにもSLの運行などについてJR東日本に粘り強く要望しているところです。
八高線沿線で今回のキャンペーンの対象となる地域には、絹産業遺産群と関連が深い本庄市の競進社や、神川町の冬桜などこだわりの観光資源がございます。
さらに、寄居町の水天宮祭をはじめ美里町の百八燈など文化財が数多く存在します。
今回のキャンペーンにおいては観光という視点から、こうした多彩な観光資源を紹介することにより、SL運行の機運醸成に積極的に努めていきたいと考えております。
八高線沿線にはたくさんの観光資源があります。
この機会を捉え市町村とともに沿線地域の魅力を全国に発信し、地域の活性化に繋げてまいります。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください