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掲載日:2024年12月11日
Q 飯塚俊彦 議員(自民)
農業用ため池とは、古くから降水量が少なく、流域の大きな河川に恵まれない地域などでは、農業用水を確保するために、水を蓄え、取水できるように造成された池であり、本県では、地理的な条件から秩父、児玉、比企地域を中心とした中山間地域に多く存在しております。このような使われ方のほか、地域では、良好な自然環境を形成し、地元の農業を支えるだけではなく、貴重な財産ともなっています。
しかし、築造された当時のままの構造で管理されているため池もたくさんあります。また、時代の変化によって都市化が進み、ため池の下流に住宅などが増えていることから、ため池の適切な保全管理や安全対策が重要であると考えます。
私の地元でもある本庄市にも幾つかのため池があり、ほかの多くのため池の例に漏れず、下流域に住宅が点在しています。その中の一つである篠の池、平成23年6月本庄市議会にて私も質問させていただきました。現在、県営事業で耐震対策のための工事が実施されており、地元の皆様も喜んでいるようであります。
同様に、県民の安全確保のためには、県内に多数存在するため池について、大規模地震に備えた整備を実施することが急務と考えますが、県内の農業用ため池の耐震状況について農林部長に伺います。
また、近年では短時間に激しく降るゲリラ豪雨が頻繁に発生しております。平成30年7月の西日本豪雨、9月の台風21号等により全国各地で災害が多発した年でもあったわけであります。特に西日本豪雨では、線状降水帯の発生に伴う大雨により、土砂崩れや浸水のほか、何と32カ所のため池が決壊し人的被害を発生させるなど、甚大な被害となりました。この決壊した32カ所のため池のうち29カ所が、国が優先的に防災対策を講ずるべきとしていた防災重点ため池に選定されていなかったことから、農林水産省は、防災重点ため池の選定基準の見直しと併せて、今後のため池対策の進め方を発表したと伺っております。
そこで、こうした国の動向を踏まえ、県はどのようにため池の防災対策を進めていくのか、農林部長に併せてお聞き申し上げます。
A 篠崎 豊 農林部長
まず、県内の農業用ため池の耐震対策の状況についてでございます。
県内には農業用ため池が464カ所あり、営農に欠かせない水源として、市町村や土地改良区、地元の水利組合などが適正に管理を行っております。
このような中、平成23年の東日本大震災において、福島県でため池の決壊による死亡事故が発生したことから、全国で、ため池の耐震対策が進められております。
本県でも、平成25年度から27年度にかけて、各市町村が目視や簡易な測量によるため池の一斉点検を行い、その結果に基づき52カ所で耐震調査を行なっております。
このうち18カ所のため池については、概ね震度6程度の地震で、ため池が損傷する恐れがあることが判明いたしました。
このため県では、議員お話しの「篠の池」を含めて、現在6カ所で耐震対策工事を実施しており、平成33年度末までには6箇所全て完了する予定です。
また、残りの12カ所についても、工事着手に向けた整備計画の策定を行うとともに、地域の安全性を確保するため、市町村においてハザードマップの作成を進めております。
次に、国の動向を踏まえ、どのようにため池の防災対策を進めていくのかについてでございます。
議員お話しの「防災重点ため池」について、国は「決壊した場合の浸水区域に家屋や公共施設等が存在し、人的被害を与える恐れのあるため池」と定めています。
従来は、堤防の高さなど、ため池の規模により防災重点ため池を選定していましたが、今回の国の見直しでは、ため池から浸水想定区域内にある家屋等までの距離や貯水量などにより選定することとなりました。
現在、県では、市町村とともに個々のため池の状況をよく確認しながら、平成31年5月末を目途に、国の選定基準に沿った防災重点ため池の再選定を進めております。
また国では、防災重点ため池において、ハザードマップの作成など避難行動につなげるソフト対策と、ため池の改修など施設の維持、補強に向けたハード対策の効果的な実施について検討していると伺っております。
県といたしましては、こうした国の動向を踏まえ、市町村と連携し、計画的に農業用ため池の防災対策を推進してまいります。
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