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掲載日:2024年12月23日
Q 井上将勝 議員(立憲・国民・無所属)
先日、LGBTの社会的擁護に取り組む一般社団法人「レインボーフォスターケア」が、児童養護施設における性的マイノリティの対応に関する調査を実施しました。その調査によれば、貧困や虐待などで親元で暮らせない子供が生活する児童養護施設の全体の半数、45%にLGBTと思われる児童がいる、もしくはいたとのことです。そして、性的マイノリティの子供であるということを理由に受入れを拒むケースがあったことが明らかになりました。さらに驚くべきことに、受入れを拒否された子供はほかの施設でも拒否されて、最終的にその家庭に戻されたそうです。親と暮らすことができない理由があるから保護されたにも関わらず、児童養護施設への入所を拒否されたときの子供の感情を思うと気の毒でなりません。
また、児童養護施設の職員の理解が絶対的に足りないことも明らかになっています。ある施設では、トランスジェンダーの子供が「みんなに理解してほしい」と職員に相談すると、職員会議で「そういうことはみんなが理解できるものではないということを児童自身に分からせることが大事」と結論付け、当該児童に「個人で楽しむのはいいが、ほかの子や職員にそれを理解してほしいと発言することはしないように」と説得しました。あたかも差別されることは仕方ないから諦めろと児童に教えているようなものです。
親元を離れ、心細くてしようがない子供が安心できる場所でもある養護施設で、マイノリティであることで受入れを拒否されたり、尊厳を否定されるような対応があっていいはずがありません。その観点から、以下、質問いたします。
1、そもそも性的マイノリティに関わらず、保護すべき児童が管轄内の全ての施設に断られ、里親委託もできず、結局家庭に戻されたケースが県内でもあるのでしょうか。
2、性的マイノリティであることを理由に施設への受入れを拒否した事例があるか、把握しているか。していなければ今後どう把握し、そうした事例が起こらないようにするのでしょうか。
3、受入れ拒否の理由に個室が足りないということなどがありますが、性的マイノリティを含めた子供たちが安心して暮らせるよう、施設のハード面の整備について、県はどう関わっていく予定でしょうか。
4、厚労省は、昨年8月に、児童養護施設で過ごすLGBTの子供に対してきめ細やかな対応を求める通知を全国の自治体に出していますが、その通知が各施設で守られているか確認しているでしょうか。
5、県は一昨年、全国的にも早く性的マイノリティに関する教職員向けの指導資料集を作りました。そうしたものを活用しながら県内施設職員の理解増進のため、LGBTについての研修を必ず行うべきと考えますが、どうお考えでしょうか。
以上、福祉部長にお伺いいたします。
A 知久清志 福祉部長
まず、保護すべき児童が管轄内の全ての施設で断られ、結局家庭に戻されたケースが県内でもあるかについてでございます。
各児童相談所に確認いたしましたところ施設で断られた結果、保護すべき児童を家庭に戻したケースはございませんでした。
次に、性的マイノリティであることを理由に施設への受け入れを拒否した事例についてでございますが、県内の全児童養護施設に確認したところそうした事例はございませんでした。
次に、性的マイノリティを含めた入所児童が安心して暮らせるよう施設のハード面の整備について県はどう関わっていくのかについてでございます。
県では入所児童の様々なケアニーズに対応できるよう施設の小規模化と併せて、個室の設置のための改修経費を補助してまいりました。
引き続き、必要な支援を行ってまいります。
次に、厚生労働省は昨年8月に児童養護施設で過ごすLGBTの児童に関する通知を自治体に発出しているが各施設で守られていることを確認しているかについてでございます。
各施設に確認したところ、LGBTの児童に対して、自認している性別の服装を選ばせたり、入浴時間をずらすなど、きめ細やかな対応をしているとのことでございます。
次に、県内施設職員へのLGBTについての研修についてでございますが、県で主催する施設職員を対象とした研修で実施してまいります。
今後とも入所児童一人一人に応じた適切な処遇が確保されるよう児童養護施設を支援してまいります。
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