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掲載日:2024年12月23日

平成30年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(井上将勝議員)

生産年齢人口減少社会にどう立ち向かうか

Q   井上将勝   議員(立憲・国民・無所属

これから日本は、本格的に少子高齢化と生産年齢人口減少社会を迎えます。特に埼玉県は日本一高齢化が早く進む社会であり、生産年齢人口もそれに伴って減少していきます。生産年齢人口が減少すれば人手不足をはじめ消費者人口の減少による経済規模の縮小の可能性など、自治体として対応すべき様々な問題がこれから噴き出してきます。例えば、消費の減少により生活に密着する店舗が撤退した地域では、買物に向かうにも交通手段が必要となります。高齢者の免許返納などを進めていくと自家用車なども減少し、公共交通が必要となります。しかしながら、一方で、公共交通には地域住民の減少による乗客数減という問題が立ちはだかります。
また、生産年齢人口が減少する中では、人手不足による黒字倒産の増加が考えられます。政府は、人手不足解消の一つとして外国人労働者の拡大を決めましたが、外国人の受入れだけで課題が解決するとは思えません。
さらに、消費や生産が減少し、経済が縮小していくと県の歳入も維持するのが困難になるのではないでしょうか。一方では、更なる高齢化により社会保障経費など義務費の増大が見込まれ、増える支出に減る収入、恒常的な赤字財政に陥りかねません。
このように、生産年齢人口の減少は様々な問題をもたらすと考えられます。これからの日本、そして埼玉県が直面する生産年齢人口減少社会という最重要課題に県としてどう立ち向かっていくのか、知事の御所見をお伺いいたします。

A   上田清司   知事

まず、「生産年齢人口減少社会にどう立ち向かうか」についてのお尋ねでございます。
少子高齢化は今や国難とも言うべき危機と言われるようになりました。国は44年前には人口抑制という全く逆の政策を進めていました。
当時は、ローマクラブの「成長の限界」というレポートの影響などもあり、人口の増加に伴う資源の枯渇や公害問題に対する危機感が強く、そこから「子供は2人までが理想」という風潮がつくられました。
人口の動きは数十年先まで見通すことができますので、人口を抑制すれば少子高齢化社会が到来することは予測できたはずです。
人は「今そこにある危機」には対応できますが、遠い未来まで見通して考えることがなかなかできないようです。
私たちは今、64歳以下の人口が大半を占める20世紀型の社会から、人口の4割が高齢者となる21世紀型社会に移行する大転換期にあります。
高齢化率が5%くらいの時代に設計された社会保障の仕組みが立ち行かなくなるのも、無理からぬことでございます。
今まで誰も経験したことのない局面に立ち向かうには、突き抜けるような大胆な発想が必要ではないかと思います。
例えば、高齢者が増える21世紀の人口ピラミッドは上下を逆さまにした方がむしろ安定いたします。
高齢者は支えられる側という固定観念をひっくり返して、高齢者が若い世代を支えるという真逆の発想で社会の仕組みを作りかえるという、そういう方法などもいかがかなと、このように思います。
かねてから私は、社会の担い手として女性や高齢者の可能性に注目をしてまいりました。
平成24年に全国に先駆けて埼玉版ウーマノミクスプロジェクトを開始し、その後、元気なシニアの活躍拡大にも力を入れてまいりました。
社会で活躍する女性や高齢者が増えた結果、本県の就業者はこの5年間で20万人増加し、平成29年には過去最高の381万人となっています。
働いて収入を得る人が増えれば消費も活発になり、税収も伸びます。働くことは高齢者の健康にもプラスになり、孤立の防止にもつながります。
外国人労働者の受入れ拡大に向けた法改正が行われましたが、私はまずは高齢者や女性の潜在的な力を最大限生かすことが重要と考えています。
外国人の受入れに当たっては労働条件だけではなくて、地域で安心して暮らすための環境づくりなど地方を交えたもっと幅広い議論が必要ではないかと思っております。
持続可能で安定的な日本社会を考えれば、時間はかかりますが、少子化対策が最も重要な政策になるものだと思っております。
生産年齢人口の減少を克服するもう一つのカギは、イノベーションを起こし、スマート社会を実現することではないかと思います。
AIやIoT、ロボットなど新しい技術を活用することで、少ない人手で多くの仕事を楽に処理できるようになります。
そこで県が先行してAIやロボットを導入し、その成果を県内企業に還元していきたいと考えているところです。
未知の領域ですので試行錯誤は避けて通れませんが、挑戦なくして成功はありません。スマート社会の道筋を付けるために、チャレンジ精神を持って取り組んでまいります。
こうした大胆な発想で構想し、時代を先取りした政策を打ち込むことで、生産年齢人口が減少する中でも一定程度活力のある社会を築いていけるものだと私は思っております。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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