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掲載日:2024年12月11日

平成30年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(山本正乃議員)

災害に備えた自助の取組の促進について

Q   山本正乃   議員(立憲・国民・無所属

本年は自治体消防70周年の年であり、私も70周年式典に参加させていただきました。消防団や消防行政に携わる皆様には365日、24時間、地域の安心・安全を守るために日々御尽力いただき、感謝の思いでいっぱいです。
「災害は忘れた頃にやってくる」ということわざがありますが、最近では「災害は忘れる前にやってくる」という状況が続いています。今年は特に大阪府北部地震、西日本豪雨、北海道胆振東部地震、相次ぐ台風の上陸など、これだけ災害が続くと消防に携わる方々の力に頼るだけでなく、住民自らが災害から命を守る自助の取組の重要性も感じているところです。
確実にやってくると想定されている関東直下大地震や火事、台風、不審者の侵入など様々な災害からどうすれば自分や家族の命が守れるのか、まずは災害状況を的確にイメージする力、災害イマジネーションを高めることが重要と考えます。人は、イメージできない災害状況に対して適切な心掛けや準備はできません。様々な時刻や場所、季節や天候に応じて発災からの時間経過の中で、自分の周辺で起こる災害状況を具体的にイメージできるように、自分を主人公とした物語を作ることが必要だと言われています。
そこで提案です。自助の取組の一つに、東京大学の目黒教授が提案されている「目黒巻」を取り入れてはいかがでしょうか。目黒巻は災害の状況を自分自身の問題としてイメージするツールです。災害の種類を想定し、災害発生時の条件を設定、時間の経過とともにどのような行動をするのか書き込んでいくシートがあります。これはちょっと拡大した大きい版のシートになりますけれども、目黒巻というのは目黒区の目黒に、巻物の巻という漢字で検索していただければ、どなたでもダウンロードができます。
そして、そのダウンロードした紙をA4の紙2枚、これA4の紙なんですけれども、この2枚がこの基になっておりますけれども、これそれぞれを半分に折って横につなげていくんですね。これを拡大したものですけれども、そうしていくとその発災後10秒、1分経過、5分というふうに時間の経過の中で、そのとき自分が何ができるか、どういう状態かと想像していくものを書き込むツールになります。
このシートにいろいろ書き込んでいくことで、私もちょっとやってみたんですけれども、寝ているときに大震災が起こったらどうかと、はたと思うと、かなり私、危ないところに寝ているなというふうに思いまして、いろいろ寝る位置を変えたりもしてみましたけれども、そういったことで何が起こって、起こったときにどうなるかということを自分で考えていくといろんな点に気付いていきます。この物語を作ることによって、ハッピーエンドに変えるためには、直前直後、事後の対策をどうしたらいいかということが自分の中で発想の中に浮かんできますので、これ大変有効なツールだと思っています。この目黒巻は1人で書いても十分楽しめるツールですが、何人かで書いて話し合うともっと効果があるそうです。
この災害時のイメージを高める目黒巻を県として周知していただきたいと思いますが、危機管理防災部長のお考えをお伺いいたします。
この災害に対するイメージができたら、次はどのようにしたら、日頃から備えていけばいいのかという関心が起きてきます。私が今回この質問をしようと思ったきっかけは、身近に、私の姉が愛媛県の宇和島市に住んでいるんですけれども、西日本豪雨で水害に遭いまして、本当に誰もが予想しなかったお水が出て、うちがこのくらい水浸しになったんですね。夏にちょっとお手伝いに田舎に帰ってきたんですけれども、まだまだ泥がいっぱい夏でもありましたし、大変想像のつかないことだったということをしきりに言っていました。なので、今、私も水害に遭ったらどうしようということでいろいろ考えたりして、大事なパソコンとかいろんな機械類は絶対2階だなとかというふうに考えたところです。
また、この宇和島市では山崩れにより浄水場が破壊され、長期間にわたる断水が続き、水の重要性を痛感したという多くの声を聞いてきました。また、被災直後は崖崩れがあったりして買い物に行けずに、水や食料が不足した方々も多くいらしたようです。飲料水は大人1人につき1日2、3リットルが必要と言われています。飲料水のほかにも洗濯、トイレ、歯磨きなど生活用水としてもかなりのお水が必要になります。災害時にライフラインが止まったときのために、日頃から各家庭で水を備蓄することは極めて重要です。
災害時のために普段食べているもの、飲んでいるものを多目に買い置きし、なくなったら新たに補充する備蓄方法としてローリングストック法があります。消費期限が長いものをわざわざ準備することなく、うっかり消費期限切れといった失敗もありません。県の「イツモ防災」の取組の中では、例えば水や食料の備蓄については最低3日分、できれば7日分以上ローリングストック法で備蓄することを推奨しています。
今後、県はこのような備蓄の取組をはじめとした自助の取組をもっと普及していく必要があると考えますが、危機管理防災部長の見解をお伺いいたします。

A   槍田義之   危機管理防災部長

まず、災害のイメージを高める「目黒巻」の周知についてでございます。
県民の皆様が災害時に自分が置かれる状況を具体的にイメージし、被災時の行動や問題点などについて家族で話し合い、共通の認識を作っておくことは非常に重要です。
「目黒巻」はそのきっかけ作りに大変有効なツールだと考えます。
県では、災害時のイメージを高めることなどを目的に、本年3月の埼玉県防災学習センターのリニューアル時に「埼玉防災絵巻」という展示を設置しました。
そこには、発災前、発災時、発災後と時間が変化していく中での人々の様子が描かれておりまして、災害時の対処や日頃の備えについて楽しく学べる展示となっています。
今後、埼玉防災絵巻を解説する企画イベントを計画しておりますので、その際に「目黒巻」を紹介するなど、様々な機会を捉えて周知に努めてまいります。
次に、備蓄の取組をはじめとした自助の取組の普及についてでございます。
県では自助の取組を促進するため、平成27年度から「イツモ防災事業」を市町村とともに展開しています。
この事業は、イラストを使い分かりやすく説明したマニュアルブックなどを活用しながら、水や食料の備蓄など各家庭での備えの重要性を県民の皆様に幅広く啓発し、実際の行動に移していただこうとするものです。
今年度はNTTタウンページ株式会社の御協力を得て、県内全世帯及び全事業所約350万か所に「防災啓発冊子」を配布しました。
また、講座やワークショップで講師となる「イツモ防災インストラクター」を養成し、市町村や企業のイベントの場を活用して、県民の皆様へ直接働き掛ける活動も実施しています。
11月14日の県民の日に県の危機管理防災センターで行った自助の啓発イベントにも1,600人を超える方が集まり、熱心にインストラクターの話に耳を傾けていらっしゃいました。
全国的に大きな災害が続いたことなどを反映し、今年度の県政世論調査における県政への要望では、「災害から県民を守る」が1位となりました。
防災に対する県民の意識が高いこのタイミングを捉え、家庭での備えをはじめとした自助の取組促進に、市町村とともに努めてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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