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ページ番号:124420

掲載日:2023年5月10日

平成30年2月定例会 代表質問 質疑質問・答弁全文(浅野目義英議員)

埼玉県の「AIが支える社会」突入への時代認識について問う

Q   浅野目義英議員(民進・立憲・無所属)

平成30年度埼玉県予算について、「目玉になるのは人工知能関連の事業」とか、「20年先を見据えて本腰」と知事の語った言葉が報道されています。知事の意気込みが強く感じられます。残念ながら日本の人口減少はとまりません。手をこまねいていれば、社会保障制度や雇用制度はこのままでは破綻する可能性さえあります。2024年には3人に1人が65歳以上の超高齢者大国になる、2026年には認知症患者が700万人規模になる、2020年代後半には日本の経済成長率は早くも0成長時代に突入する、そんな分析も喧伝されています。
こうした時代認識の中、様々な課題の困難を打破すると期待されているAIによる新たな革命は、超高齢社会の中で私たちの生活を支えるだけでなく、国民のライフスタイルの多様性や経済のグローバル化などにより複雑化する社会課題の解決が期待をされています。
AIを活用してのスマート社会の実現にシフトしていく埼玉県施策における平成30年度の工程を知事から示してください。私としては、1つ、情報の収集分析に活用され、埼玉県民の生活を向上させるもの、2つ、消費者の利益と直結すると思われますが、県内産業や農業の生産性を向上させるもの、3つ、無人化、省力化、効率化を進め、県庁本体の行政業務効率化が目指されるもの、4つ、AIと相性がいいといわれている医療、先進医療の一助となるものの4つに分類できるのかなと考えていますが、今年度以降、AI利活用の方向性と将来のあるべき姿についてどうデザインされているのか、知事から答弁をください。

A   上田清司   知事

スマート社会の実現にシフトしていく平成30年度の工程についてでございます。
AIやロボットといった技術は囲碁や将棋に見られますように、既に特定の分野において人間を超える能力を発揮させることが可能になっています。
AIなどの技術を上手に活用すれば、障害者の不自由な部分をカバーし、バリアフリーの社会をつくるなど経済発展と社会的課題の解決を両立したスマート社会を構築することも可能になるかもしれない。このように思っています。
正に平成30年度は本県にとってAIのスタートの年であります。
まずは実現可能性の高い産業、事業を県で実証しながら、課題を整理してまいります。
その上で、課題を踏まえて将来性の高い事業をピックアップし、深堀しながら発展させていきます。
さらに、AIの先進企業と連携しながら県内産業への普及につなげ、スマート社会へのシフトを図ってまいります。
次に、AI利用の方向性と将来あるべき姿をどうデザインしているのかについてでございます。
私の描くスマート社会の方向性は次の3つでございます。
1つ目は、時間や場所、言語などあらゆる壁を突破し、欲しいものやサービスがいつでもどこでも享受できるような環境を整えることでございます。
例えば、先ほどお話しした救急相談のように、AIを活用していつでも気軽にチャット形式で相談できる機能を整備していきたいと思います。
また、医療分野ではあらゆるがん治療の成果をAIが解析することにより、最適の治療を選択するなど、医師の適切な判断を支援することができると思います。
2つ目は、AIやIoTを活用した柔軟でより高度な生産、流通、消費を可能にする第4次産業革命の実現の可能性があります。
農業分野において、摘果(てきか)すべき梨の果実を判断できる眼鏡を開発するなど、熟練技術の見える化や生産性の向上を目指すことが可能です。
産業分野ではAIを活用した生産設備の異常箇所の探索や故障予測のためのシステムを開発するなど、県内中小企業のAI化を支援します。
3つ目は、県庁の仕事そのものが最大のサービス産業であることから、AIを活用したより効率的でより高品質なサービスを県民に提供できる可能性があります。
総務事務などこれまで職員が自ら処理してきた定型的業務にソフトウエアロボットを導入し、業務の自動化を進めます。
河川行政においてはレーザー測量機器を搭載したドローンなどによる3次元測量により、測量を高品質・高精度化していくことが可能です。
今後のAI活用の方向性とあるべき姿についても、最先端の技術を有する民間企業の実証的な経験を活用するなど、外部の知見も取り入れながら進めてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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