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掲載日:2021年12月28日
Q 前原かづえ 議員(共産党)
昨年12月議会で秋山もえ県議が、校則の中の髪形や服装に関わる細かな規定について、国際人権規約に照らして適切ではないと見直しを求めました。その後、県教育委員会は、県立学校191校で校則の点検を実施しました。校則が時代の進展などを踏まえたものかを確認したところ、頭髪については生まれながらに茶色い髪の毛であることなどを証明する自毛証明の提出規定がある学校が88校あり、下着の色や柄の規定がある学校が15校あることが分かりました。本年度中に見直すよう県立学校宛てに通知したとのことです。
これは大きな一歩として評価するものですが、まだ不十分です。過去1年間で服装や頭髪などについて、児童生徒から見直しの要望があった学校は38.7%あります。
自毛証明や下着以外の校則規定の中にも課題があり、今後も見直しが必要と考えますが、教育長の見解を求めます。
この間、私は、生徒会が主体となって校則の見直しを行っている県立上尾鷹の台高校を訪問し、先生や生徒の皆さんからお話を伺いました。先生が校則で大事にしていることは、第一に、生徒の安心・安全な学校づくり、第二に、進路の保証だということでした。学校の評価は身なりで判断されてしまう現実がある。面接、学校訪問にその格好で行って受け入れられるかどうかと、まず考えていると。先生方の生徒を思う苦悩が伝わってきました。
生徒の皆さんにも率直な思いを聞くことができました。先生たちは髪の毛の色など自然がいいというけれども、もともと茶色髪なのに黒く染めてきてと言われたことがある。コートの型はピーコートかダッフルコートしかだめで、色も紺、黒、グレーと決まっているけれども、冬は暗いから安全を考えたら黒っぽいコートじゃないほうがいいと思う。こうした生徒の皆さんの率直な意見を聞いて、私は思わずうなずいてしまいました。
同校では学校への要望をまとめた生徒会通信が発行されていたり、学校への要望についてアンケートをとって生徒総会の議案として議論していたり、生徒の要望が丁寧に話し合われていると感じました。また、平成30年、31年、令和3年と校則見直しが行われていることも評価できます。このように生徒と先生が校則について話し合う仕組みがあることが大切だと痛感しました。
そこで、教育長に伺います。今、多様性を大切にする時代です。服装や髪形を細かく規定している校則について、先生と生徒が話し合って見直す仕組みの必要性について、また全ての県立高校にこの仕組みを作ることについて見解を求めます。
A 高田直芳 教育長
まず、「地毛証明や下着以外の校則規定のなかにも課題があり、今後も見直しが必要」についてでございます。
校則は学校生活において、児童生徒が守るべき学習上、生活上の規律として重要であり、最終的には校長の判断と責任において適切に決定されるべきものです。
その上で、学校を取り巻く社会環境や児童生徒の状況は変化していくため、校則は不断に点検・見直しを行う必要があります。
県では、本年8月に「校則の点検・見直しに関する調査」を実施したところ、多くの学校において校則の点検、見直しが実施され、児童生徒・保護者に対し丁寧に説明するなど適切な運用が行われていたことが確認されました。
一方で、一部ではありますが、ここ数年点検をしていなかったという事例もございました。
この結果を踏まえ、9月30日付けで各県立学校長に対し、校則の継続的な点検・見直しを求める通知を発出いたしました。
その際、特に「地毛証明書」や下着の色や柄の指定などの校則については、生徒の人格と個性を尊重する観点から、積極的な点検・見直しを求めたところです。
また、その他の校則についても、その内容が、児童生徒の実情、保護者の考え方、時代の進展などを踏まえたものとなっているか点検・確認し、必要に応じて見直すよう求めております。
今後も、校則について適宜点検・見直しを行い、適切に運用されるよう、指導してまいります。
次に、「校則について先生と生徒が話し合って、見直すしくみについてすべての県立学校に必要」についてでございます。
校則を見直す際に、生徒が話し合う機会を設けたり保護者から意見をお聞きすることは、生徒が校則に対する理解を深め、主体的に守っていこうとする態度を養う良い機会になると考えます。
今回の校則の点検・見直しに関する調査では、35.6%の学校が生徒からの意見を聞いたうえで見直しを行っているとの結果でした。
今後も、校長会議や生徒指導主任を集めた会議等を通じて、校則の見直しにあたり生徒や保護者が何らかの形で参加している学校の情報を提供するなどして、各学校の取組を支援してまいります。
再Q 前原かづえ 議員(共産党)
大人が思っている以上に校則によって子供たちが苦しんで追い詰められている部分もありますし、この見直しが子供たちの心に沿うものになるように更にお願いしたいと思うんですね。それで、アンケートとか、それから意見書の設置とか、そういうことを現場でやっているところもありますので、そういう方法なども全県に広げながらやっていく、そういう決意を再度お話ししていただきたいと思います。
再A 高田直芳 教育長
生徒が校則の見直しに関わることの重要性を、という御指摘だったというふうに思っております。
校則を見直す際に、生徒が話し合う機会を設けたり、あるいは保護者の方から御意見を伺うということは、生徒が主体的に、自分たちの学校生活の決まりでありますので、自分たち自らが守っていこうという態度を育てる上では非常に有効だというふうに思っておりますので、今後、校則の見直しに当たりましては、可能な限り生徒の意見を反映して見直しを進めるよう、各学校を指導してまいります。
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