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ページ番号:280447
掲載日:2026年3月17日
Q 木村勇夫 議員(民主フォーラム)
ここ数年、貯蓄から投資へという国の方針の下、学校現場でもいわゆる投資教育が進められております。しかし、資産運用の知識は、経済的自立に必要な力の一部に過ぎません。
真に必要なのは、労働や企業を通じて自ら所得を形成する力、契約や労働法など就業上の権利と責任を理解する力、そして物価高や詐欺、不確かな投資話などのリスクから自らの生活を守る生活防衛の力であります。これらを総合的に身に付けてこそ、若者は自立した経済観念を持ち、社会の中で主体的に生きていくことができると考えます。
しかし、現状では金融経済教育は資産形成中心の内容が多く、労働法や社会保障制度など生活を守るための知識との連携は十分とは言えません。新NISAの仕組みを学ぶ一方で、不当な労働条件に直面した際の相談方法や、生活困窮時に利用できる公的支援制度について、実践的に学ぶ機会は限られております。若者が投資詐欺や犯罪に巻き込まれる事例が後を絶たない現状は、経済活動の基本とセーフティネットの知識が十分に身に付いていないことを示しているのではないでしょうか。
そこで、まず知事に伺います。
知事は、これまで稼ぐ力の重要性を強調してこられましたが、これを真に次世代の力とするためには、所得形成の力に加え、労働や社会保障に関する理解、生活を守る知識を一体として育む教育が必要であります。所得形成、資産形成、生活防衛を統合した埼玉版キャリア教育を確立し、若者が自立して生き抜く力を育むべきと考えますが、新年度予算における位置付けと今後のビジョンについてお示しください。
次に、教育長に伺います。
現在、学校では社会科、公民科、家庭科などで関連内容が扱われておりますが、体系的、統合的とは言い難い状況であります。金融商品に偏らず、実業家からは多様な所得形成の姿を、社会保険労務士等からは労働、契約のルールを、家計の専門家からはインフレ下の家計管理を学ぶなど、包括的な経済教育が重要かと考えますが、教育長の見解を伺います。
A 大野元裕 知事
議員お話しのとおり、これからの社会を担う若者が自立して生き抜くためには、起業や就業によって所得を形成する力の育成に加え、資産の運用や社会保障に関する理解など、幅広い視点からの包括的なキャリア教育が重要と考えております。
県では、令和7年3月に策定した「埼玉県こども・若者計画」において、若者の就労支援や自立した消費者の育成などを施策の一つに位置付け、体系的かつ総合的な支援に取り組んでいるところです。
学校教育における取組に加えて、例えば、高校生を対象にしたビジネスプランの作成講座や、大学生の起業に向けた伴走支援など、起業を通じて所得を形成する力の育成を進めております。
また、日本貸金業協会や県内金融機関と連携し、若年層向けの講座や広報啓発資料の配布などを行い、家計管理や資産形成など金融リテラシーの育成にも取り組んでおります。
さらに、「若者が巻き込まれやすい消費者トラブルとその対策」などをテーマとした消費生活講座を開催し、若者が消費者トラブルに巻き込まれないための知識や判断力についても養成をしております。
これらの事業を令和8年度も予算事業に位置付け、教育、産業・労働、消費生活など幅広い分野に対し、県庁ワンチームで力を合わせ、引き続き若者の経済的自立を支える包括的教育に取り組むとともに、「埼玉県こども・若者計画」を基に、体系的かつ総合的な若者支援に取り組んでまいります。
A 日吉亨 教育長
近年の物価高騰や金利の引上げなどを背景に、経済情勢は大きく変化しており、先行きが不透明な社会において、自立した生活を営むためには、経済に関する知識のバランスのよい習得が一層求められております。
また、フリーランスや副業といった多様な働き方が広がる中、働く人を取り巻く環境も変化しており、適切な労働環境や生活環境を自ら築く力が、これまで以上に求められています。
議員お話しの「包括的な経済教育」は、未来ある子供たちが、こうした社会を生き抜くために必要な力の育成につながるものと認識しております。
中学校や高校では、学習指導要領に基づき、生徒に社会科や家庭科等の授業で金融や労働、社会保障の制度等について学ばせており、更に外部の専門家を招いて学習を充実させている学校もございます。
また、県では、銀行や証券会社、埼玉県社会保険労務士会、埼玉県消費生活支援センターなどの外部専門家が無償で提供する教育プログラムを取りまとめ、県立高校へ積極的な活用を働き掛けるとともに、中学校向けのプログラムを市町村教育委員会に周知しています。
各学校においては、生徒の実態に応じ、これらのプログラムをバランスよく活用することが望ましいと考えております。
今後は、社会科や家庭科等の科目において、これらの教育プログラムを組み入れた指導計画を提示するなど、具体的な活用方法について、県立高校の教員に対して指導するとともに、市町村教育委員会へ積極的に周知してまいります。