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掲載日:2026年3月17日
Q 田村琢実 議員(自民)
まず、AIの爆発的進化を踏まえ、DX推進計画の抜本的見直しについて知事の見解を伺います。
本県は現在、令和6年度から8年度を期間とする埼玉県DX推進計画に基づき、多角的な施策を展開しています。しかし、計画策定時と比較して現在の状況は、生成AIの登場という歴史的転換点により前提条件が劇的に変化をしています。
以下の点について伺います。
DX推進計画策定時、AIは主に特定のデータ解析や自動化の手段にとどまっていました。しかし、現在は生成AIが文書作成、プログラミング、高度な意思決定支援までをこなし、行政実務の在り方を根底から変えつつあります。本予算案でも、生成AIを活用した申請相談サポートなどが盛り込まれていますが、既存の3か年計画の枠組みは、この加速度的な技術革新を想定したものと言えるのか、策定時との認識のかい離をどう捉えているのか、知事に伺います。
次に、一般的に行政計画は3年から5年を一くくりとしていますが、半年前の技術が既に旧式化するAI時代において、3年間の固定的な計画はむしろ技術革新から取り残されるリスクをはらんでいます。事実、本計画の最終年度を待たずして、現場では生成AIの活用事例が次々と創出されています。時代の変化に後追いで対応するのではなく、技術の進展に即応して計画を機動的にアップデートするローリング方式への転換が必要と考えますが、知事の認識を伺います。
さらに、令和8年度は現行計画の総仕上げの年となりますが、同時に次期計画の策定に向けた極めて重要な時期でもあります。次期計画においては、単なるデジタル化、デジタライゼーションにとどまらず、AIを前提とした行政組織そのものをつくり直し、トランスフォーメーションを加速させるべきです。例えば、本予算案にある未来型オフィス推進事業をさらに一歩進め、AIが職員の伴走者として政策展開をサポートするAIファースト県庁舎の実現など、次世代の標準を見据えた施策を今から打ち出す必要があると考えますが、知事の所見を伺います。
A 大野元裕 知事
埼玉県DX推進計画は、令和3年度の第1期の計画策定段階から、デジタル技術や現代の社会情勢の急激な変化に柔軟に対応するため、3年というスパンを計画期間として設定し実行してまいりました。
また、計画に対するアクションや工程を示したロードマップについては、毎年度見直しを行い、常に新しい技術や社会情勢に対応できるよう進めてきたところであります。
このように、DX推進計画は固定的な枠組みとして運用するものではなく、技術の進展や社会情勢の変化に応じて柔軟に見直しを行うことを前提としておりますが、その一方で、議員御指摘のとおり、生成AIによる昨今の社会変化は、当初の想定をも上回る速度で進化をしております。
このため、現行の令和6年度から8年度までの第2期DX推進計画では、計画年度の途中ではありますが、生成AIの業務活用等、新たな技術を見据え、計画の一部であるビジョンの見直しを行い、この3月に計画を改定することといたしました。
こうした計画策定時の想定を超えるような技術革新を的確に捉え、行政運営の高度化に資するよう、今後も計画の柔軟な見直しを行ってまいります。
次に、技術進展に即応して計画を機動的にアップデートする「ローリング方式」への転換の必要性についてであります。
「ローリング方式」とは、環境変化に合わせて、常に最新の状況に基づく目標や施策へと見直す計画の策定手法であります。
AIの進展状況を踏まえれば、時代の変化に「後追い」で対応するのではなく、技術の進展に即応して計画を機動的に見直すことは、行政の実効性を高める上で極めて重要な視点であると考えます。
こうしたことから、埼玉県DX推進計画のビジョンやロードマップは、これまでも技術の進展状況を外部の専門家も交えて調査し、その状況を踏まえて、見直してまいりました。
今後も、状況に応じ適宜、計画の見直しを行い、柔軟で機動的な計画運用を通じ、変化の激しい時代にふさわしい行政運営を実現してまいります。
次に、AIを前提とした行政組織そのものの作り直しの加速に向けて、次世代の標準を見据えた施策を今から打ち出すべきについてでございます。
様々な業務におけるAIの活用により、県民サービスの提供の仕組みや職員の働き方なども大きく変わり、また、将来的には本庁と地域機関という区別もなくなり、県民・職員双方にとって利便性の高い「行かなくて良い県庁・働きやすい県庁」の実現ができると考えています。
そうしたAIを前提とした未来の県庁を見据え、令和8年度当初予算案についても「未来型オフィス推進事業」において、AIが様々な県民サービスや職員業務の代替手段として対応する取組を御提案させていただいているところです。
一方で、行政組織は、高い安定性と継続性が求められます。
このため、まずはAIを職員の「伴走者」として位置付けた上で、政策立案や住民対応、事務処理の質を高めるよう段階的に活用し、その効果と課題を丁寧に検証することが重要と考えます。
次期計画においては、技術の可能性を最大限引き出しつつ、県民の安心と信頼を損なわないバランスを取りながら、AI活用を通じた県民サービスの向上と業務改革をスピード感をもって進め、将来の組織の在り方についても検討を深めてまいります。