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掲載日:2022年8月15日
Q 横川雅也 議員(自民)
公共施設やショッピング施設などで出入り口付近に車椅子のマークが書かれた駐車区画、障害者等用の駐車区画のことですが、こうしたスペースの利用者に許可証を発行するというのがパーキングパーミット制度です。駐車許可制度と言い換えることができます。もともと公共施設、ショッピングセンターなどにおいて、車椅子を御利用の方、障害をお持ちの方、妊産婦の方々に対し、入り口に近い場所で駐車いただき、負担を減らしたいという配慮から設けられた駐車スペースです。このように色づけされているところも多く見かけます。
ところがこのスペースに健常者が車を止めてしまって、本当に必要な方が利用できないというモラル違反が頻発しています。こうした状況から自治体が利用許可証を発行し、誰が見ても一目瞭然となるように導入されたのがパーキングパーミット制度です。利用希望者はそれぞれの自治体窓口で申請し、障害などの状況に応じて許可証を発行してもらいます。利用するときはプラスチックの札で、フックのついている許可証を自動車のバックミラーにつり下げて外から見えるようにして車を駐車します。こちらが佐賀県で導入されている許可証です。オレンジは妊産婦の方や一時的にけがを負った方用で、原則1年未満の期限となっています。
この制度が導入されれば、許可証なしで不正に駐車している車はすぐに分かりますし、例えば一見健常者に見える妊娠初期の方や内面的な障害をお持ちの方なども、いわれのない批判を受けることなく安心して駐車することができるというわけです。
2006年に佐賀県で初めて導入され、以降、全国38府県で導入されています。この許可証については相互利用可能な協定を結んでいるので、県をまたいでも利用できるという共通の許可証となっています。しかしながら、最近では健常者が障害者マークのマグネットを購入して車両に張り付け、障害者等用駐車区画に駐車する悪質な方まで出てきています。
このパーキングパーミット制度、こうした状況下でありながら埼玉県ではいまだ導入されていません。県ではポスター製作などの啓発により県民への理解に努めており、また、東京都、神奈川県、千葉県、そして我が埼玉県の1都3県での勉強会を実施しながら、都市部ならではの課題について情報共有を行っているようですが、導入しない理由に私は疑問があります。
導入しない理由としては、企業やスーパー、商業施設などにおける駐車スペース自体を確保するのが困難であり、許可証を発行すると駐車スペースが足りないなどの逆のクレームが発生し得ることとしています。課題としては一定の理解はしますが、導入しない理由にはならないと考えます。そもそも本来そのスペースを必要としている方以外の方が利用している現況を解消することがまず優先で、駐車スペースの多少については制度導入後の課題と考えます。
埼玉県においてもいち早くこのパーキングパーミット制度を導入すべきと考えますが、県の考えを福祉部長に伺います。
A 知久清志 福祉部長
議員お話しのとおり、障害者用駐車場の不適正利用を解消することは、きわめて重要です。
パーキングパーミット制度は、障害者などに利用証を交付することで、障害者用駐車場の適正利用を図るものです。
しかしながら、都市部では利用対象者の人口が多く、敷地の制約もあるため商業施設などで必要となる障害者用駐車場を十分に確保することが難しいという現状がございます。
このような状況では、「利用証を持っているのに利用できない」という問題が生じます。
特に広い乗降スペースを最も必要とする車椅子利用者の方が利用できないという事態も考えられます。
また、本県が平成24年度にパーキングパーミット制度の効果について検証を行ったところ、実施エリアと実施していないエリアで、健常者による不適正利用に大きな差が見られませんでした。
これは、パーキングパーミット制度が強制力のない任意の仕組みであること、商業施設において不適正利用に対する指導が難しいことなどが原因と考えられます。
こうした課題もございますので、実際に導入した府県の状況などを十分に把握し、適正利用を進めるためにどのような方策が可能か検討してまいります。
一方で、障害者用駐車場の目的を正しく理解していただくことも重要です。
平成28年度から1都3県でマナーアップキャンペーンを実施しており、共通ポスターの掲示やグッズの配布などによる啓発に取り組んでいます。
また、駐車区画の青色塗装は、不適正利用を抑止する効果が高いと言われています。
今年度から、障害者、企業、ボランティア、学生及び塗装業界と協働で駐車区画の青色塗装と啓発活動を行う「青色プロジェクト」を実施しております。
県といたしましては、引き続き、障害者用駐車場の適正利用を進めるため、こうした啓発活動を通じて県民への働き掛けを強化してまいります。
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