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掲載日:2022年8月15日
Q 美田宗亮 議員(自民)
本年9月、一人の少女が世界中で注目を浴びました。彼女は、スウェーデンの16歳、グレタ・トゥーンベリさんで、ニューヨークで開かれた国連気候変動サミットで地球温暖化防止を訴え、世界各国の首脳を前に厳しい言葉でスピーチを行いました。彼女の言葉を借りるまでもなく、地球温暖化防止はグローバル規模で取り組むべき課題であります。先月公表された国連環境計画の報告書では、パリ協定で掲げている産業革命以前からの気温上昇を1.5度に抑えるという努力目標を達成するためには、温室効果ガスの排出量を年7.6%のペースで削減する必要があるとしております。世界で5番目の温室効果ガス排出国である日本は、世界の中でも積極的に温暖化防止に取り組むべき立場に置かれていると考えます。
政府は、2016年に地球温暖化対策計画を策定し、温室効果ガス排出量を2030年度までに2013年度比で26%削減することを目指して、国を挙げて温暖化対策に取り組んでいるところです。埼玉県におきましても、2009年にストップ温暖化・埼玉ナビゲーション2050を策定し、県民、事業者、NPO、行政などが一体となり、地域総ぐるみで温暖化対策を進めていくことを目指しております。
この計画では、現在2020年における温室効果ガス排出量を2005年比で21%削減することを目標に掲げております。県庁自身も大規模事業者として率先して温暖化対策を推進するため、ストップ温暖化・埼玉県庁率先実行プランを策定し、県庁全体でより高い23%の削減目標を掲げております。
私は、平成29年12月議会において、下水道局が県庁全体の排出量の約6割の温室効果ガスを排出していることから、何よりもここの取組が重要であると考え、下水道局での温室効果対策の取組とその成果について質問いたしました。その答弁で、私の地元三郷市の中川水循環センターで進められているバイオガス発電事業による温室効果ガスの削減見込みの量と事業スキーム、事業スケジュールについて下水道事業管理者から答弁がありました。
バイオガス発電事業については、中川水循環センターに先行して本年4月より元荒川水循環センターにおいて稼働を開始しております。他県にも先行事例はありますが、本県の流域下水道では元荒川水循環センターが最初の事例となります。そのため、元荒川水循環センターで得られる様々なノウハウを中川水循環センターのバイオガス発電事業に生かすべきであります。
そこで、先行して稼働している元荒川水循環センターにおける温室効果ガス削減効果及び事業採算性は現時点でどのような状況にあるのでしょうか。また、それを受けて中川水循環センターにおける事業効果をどのように見込んでいるのか、事業の進捗状況も含めて下水道事業管理者にお伺いいたします。
さらに、一層の温暖化対策を進めるために、現在下水道局として新たにどのような事業に取り組んでいるのかについても併せてお伺いいたします。
A 砂川裕紀 下水道事業管理者
まず、元荒川水循環センターにおける温室効果ガス削減効果及び事業採算性についてでございます。
元荒川水循環センターでは、バイオガス発電設備を平成31年4月に供用を開始いたしました。
温室効果ガス削減効果につきましては、導入前に比べて平成31年4月から令和元年9月までの6カ月間で、ほぼ計画どおりの約1,600トンのCO2の削減となっております。
事業採算性につきましては、発電事業者へのバイオガス売却収入が6カ月間で、ほぼ試算どおりの約3,000万円となっております。
維持管理費用につきましては、バイオガスを発生させる消化工程により汚泥が減少し、汚泥処理にかかる費用が削減され、薬品費などの増加はあるものの、全体としては費用の削減効果が得られております。
今後とも、薬品の調達や運転方法を工夫するなどして、より一層の事業効果が得られるよう努めてまいります。
次に、中川水循環センターにおける事業効果の見込み及び工事の進捗状況についてでございます。
中川水循環センターのバイオガス発電設備は元荒川水循環センターの約4倍の規模となります。
事業効果につきましては、事業スキームをさらに工夫することで、1年間の温室効果ガス排出量をCO2に換算して約16,000トン削減し、発電事業者へのバイオガス売却収入を年間約3億円と見込んでおります。
維持管理につきましても、元荒川水循環センターでの経験を十分生かしながら、更に効果的な運転につなげてまいります。
事業の進捗状況ですが、今年度は消化タンクやガスタンクなどの建設を鋭意進めており、令和2年度中に建設工事を完了させ、試験運転期間を経て、令和3年度中に供用開始する予定です。
次に、新たな温暖化対策の取組についてでございます。
下水道局では、バイオガス発電事業に加えて、新たに汚泥の焼却工程における廃熱を活用して蒸気を発生させ、発電に有効活用する汚泥焼却発電事業に取り組んでおります。
発電した電力を水循環センター内で自家消費することで、石油などの化石燃料由来の電力を削減することにより、温室効果ガスの削減を図るものでございます。
現在、二つの水循環センターにおいて取組を始めております。戸田市にあります荒川水循環センターでは令和4年度から、和光市にあります新河岸川水循環センターでは令和5年度からの供用開始を予定しております。
下水道局といたしましては、今後とも新技術の開発動向などを踏まえながら、更なる温暖化対策に取り組んでまいります。
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