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ページ番号:170008
掲載日:2022年8月15日
Q 前原かづえ 議員(共産党)
私の地元ふじみ野市周辺では、都市内水によって繰り返しの被害を受けました。この地域は、新河岸川に対して、雨水幹線川越江川と福岡江川が流入し、さらに下流には砂川堀があります。この3本の雨水幹線が毎年の台風のたびに新河岸川への流入困難となり、その周辺に浸水被害をもたらし続けているのです。川越江川の下流、ふじみ野市の元福岡地域は35軒の床上浸水、112軒の床下浸水となりました。2年前の台風21号の際にも、救命ボートが出動するような浸水被害があった地域です。さらに、下流の福岡江川流域の水宮でも31軒の床上浸水が発生し、富士見市の砂川堀沿いでも2年前と3年前に浸水被害がありました。毎年の豪雨におびえる地域のために、一刻も早く新河岸川への流入口の整備を進めるべきです。
県土整備部長、川越江川流域住民は、新河岸川への放流量増加と寺尾調節池への豪雨時の排水を求めています。福岡江川の新河岸川への放流量増加についても求めますが、どうでしょうか。砂川堀の合流点改修も一刻の猶予もありません。完成の見通し、その進捗状況について、3点、御答弁を求めます。
実は、この内水被害地域の福岡江川付近は、産業誘導地区として国道254バイパスふじみ野地区計画、砂川堀付近には富士見上南畑地区産業団地整備事業と、それぞれ開発計画が進んでいます。254バイパスふじみ野地区は組合方式、富士見上南畑は県企業局が主体です。もともとハザードマップでは、荒川と新河岸川、両河川の決壊の可能性が指摘され、浸水数メートルと書かれている土地です。この土地を開発し、企業誘致する計画に対し、今回浸水被害を受けた地域から、更に湛水能力が失われ、周辺に被害をもたらすのではないかと危惧の声が上がっています。同じ254バイパス沿いのららぽーと富士見開発の際には、条例基準の1.3倍の貯留施設が地下に整備されましたが、それでも3年前の台風で周辺は浸水被害を受けています。このような開発には、これまでの常識をはるかに超えた貯留施設が必要だと考えます。
知事に伺います。
第1に、開発に関わる貯留施設等の必要対策量を定めた埼玉県雨水流出抑制施設の設置等に関する条例について、気候変動の時代にふさわしく見直すべきだと考えますが、どうか。第2に、二つの開発計画について、市街化区域の編入など都市計画決定をする以上、絶対にこの地域、周辺住民に迷惑をかけない、この開発によって浸水被害は絶対に引き起こさない対策を講ずるべきです。答弁を求めます。
A 大野元裕 知事
埼玉県雨水流出抑制施設の設置等に関する条例の見直しについてでございます。
本県においては、河川整備と流域対策を組み合わせた総合的な治水対策を推進し、浸水被害の軽減に努めているところであります。
御指摘の条例は、流域対策の一環として、一定規模の開発行為に対し、雨水流出抑制施設の設置を義務付けることを目的に平成18年度に制定したものであります。
本県独自の取組として、開発によって浸透できなくなる雨水の量に加え、盛土により湛水が阻害される量も加えた基準となっています。
気候変動の影響により、更に降雨量が増大し、水害が頻発化・激甚化することが懸念されている中、河川整備の目標や流域対策について、不断の点検・評価が重要です。
一方で、河川管理者による河川整備と比較し、民間事業者による流域対策が過大な負担とならないよう、総合的な治水対策の中で十分配慮する必要があります。
まずは、現行の条例に基づく指導を徹底するとともに、現行の計画に基づく河川整備や流域対策を推進し、浸水被害の軽減に努めてまいります。
次に、二つの開発計画により、周辺地域に対して浸水被害を引き起こさないよう対策を講ずることについてでございます。
県では、埼玉の活力を高め「稼ぐ力」を生み出すため「第3次田園都市産業ゾーン基本方針」を策定し、市町村が進める産業基盤づくりを支援しています。
議員お話しの二つの開発計画についても、県では市から相談を受け、土地利用の調整において支援を行っているところです。
二つの開発計画のうち国道254号バイパスふじみ野地区については、市街化区域への編入を目指しています。
本地区は、台風などの大雨の時には一時的に水が溜まることが想定されている区域であり、治水対策上の課題には特に配慮して、調整を進めています。
周辺地域も含めた浸水被害の軽減のため、条例に基づく雨水流出抑制施設の容量に加えて、ふじみ野市独自の治水対策を行うと聞いております。
具体的には、平成29年に発生した台風第21号による浸水被害状況を踏まえて、周辺地域の雨水も貯留できる調整池が設置される予定であります。
また、富士見上南畑地区においては、現在、土地利用の調整を行っているところです。
近年発生した台風による近隣集落等への影響を参考にして、十分な治水対策を行ってまいります。
県といたしましては、産業基盤づくりに当たり、市町村や開発事業者などと連携、協力して、周辺地域への浸水被害軽減に努めてまいります。
A 中村一之 県土整備部長
まず、川越江川から新河岸川への放流量の増加と寺尾調節池への豪雨時の排水についてでございます。
川越江川と新河岸川の合流部は樋門構造となっており、新河岸川の水位が上昇した場合、樋門を閉めることとなっております。
樋門閉鎖後に新河岸川へ放流できる量については、川越市から協議があり、既に提示しております。
今後、排水ポンプ設置についての申請があった場合には、適切に審査してまいります。
また、豪雨時に内水を直接寺尾調節池に排水することについても、川越市へ既に回答をしており、ポンプの設置位置など引き続き調整してまいります。
次に、福岡江川の新河岸川への放流量の増加についてでございます。
福岡江川も樋門構造となっており、排水ポンプの設置については、ふじみ野市から小規模なポンプの申請があり、既に承認しております。
今後、新たなポンプの増強について、申請があった場合には、新河岸川への放流が可能な範囲において適切に審査してまいります。
次に、「砂川堀雨水幹線の工事の進捗状況」についてでございます。
新河岸川合流点から勝瀬橋までの約400メートル区間の整備を進めており、これまでに砂川堀第1号橋の架換えが完了したところです。
現在、合流点から砂川堀第1号橋までの堤防嵩上げ工事に着手したところであり、その後、既存の樋管を撤去し、令和2年度末の完成を目指してまいります。
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