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ページ番号:170225

掲載日:2022年8月15日

令和元年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(藤井健志議員)

魅力ある県立高校づくりと再編整備について

Q   藤井健志  議員(自民

昨年公表した再編整備の進め方の中で、約10年後の令和11年3月頃をめどに、現在の134校から10から13校を減らす再編整備が予定されています。その具体的な第一期実施方策として、2組の統廃合案を公表しましたが、当初は当該地域での反発があり、市と市議会が反対表明するなどの混乱がありました。生徒や卒業生、そして教師、保護者、地域の方々にとって愛情を持って共に歩んできた学校が閉校となってしまうことは、心情的、また地域の先々への不安といった点からも、簡単には受け入れがたいのは当然のことと思います。
その一方で、人口減少が先行している他の道府県でも再編整備を進めている現状を鑑みますと、本県でも今後約10年で公立中学校卒業者約6,000人の減少を見込んでいることから、再編整備は避けて通ることのできない道の一つであることは否定しません。しかし、今後も同じような手法で進めて良いのかは疑問があります。
そこで、私は高校再編整備に関する特徴ある条例と整備計画が定められている大阪府に視察に行ってまいりました。平成24年3月に制定された大阪府立学校条例では、入学を志願する者の数が3年連続して定員に満たない高等学校で、その後も改善する見込みがないと認められるものは再編整備の対象とすると規定されています。定員に満たない状況が発生した場合、条例により再編整備の対象となることが明確になっているため、市町村及び当該教育委員会、学校、生徒、保護者、卒業生等が学校存亡の危機を認識し、課題の共有がなされ、中には基礎自治体や関係者が学校と一体となって改善を加え、V字回復した学校もあるそうです。
また、これまでに府が行った再編整備は8校ほどですが、生徒減少を教育の質的向上を図る好機と捉え、エンパワメントスクールほか、様々な教育内容の充実と併せて再編整備が実施されています。
したがって、運用は決して再編整備ありきではなく、志願者数の推移や当該地域における将来の中学卒業生の推計に加え、今後の都市計画の状況、近隣地域における再編整備等の状況、当該高校における生徒募集活動等を総合的に勘案するとともに、改善の見込みについて十分に見極めた上で判断しているようです。
こうした大阪府の事例以外にも、岡山県では再整備アクションプランを策定し、1学年の生徒数が100人を下回る状況が2023年以降、2年間続いた場合には再編整備の対象とするなどの基準が設けられています。かつ、再編整備を行う上での留意事項として、地域にとって必要な教育内容の継承と、より広域で適正な配置、教育を受ける機会の確保に向けた通学負担軽減方策の実行、使用されなくなった校舎等の利活用については地域の要望を踏まえながら検討といった内容も定められています。児童生徒減少が先行している自治体だからこそ、先に課題に直面し、解決に工夫を凝らしていることがうかがえます。
埼玉県教育委員会は、再編整備への取組を丁寧に行ってきたと説明しておりますが、他の事例と比較すると十分とは思えません。そこで伺います。埼玉県における今後の再編整備に当たっては、より一層の見える化と改善への取組が必要だと考えます。
そこで、先行自治体の取組を速やかに把握し、再編整備の明確な基準と、よりきめ細やかな整備計画を策定するべきと考えますが、教育長のお考えをお伺いいたします。

A   小松弥生   教育長

県では、今後公立中学校卒業者数の大幅な減少が見込まれるとともに、社会状況の変化や生徒・保護者のニーズの多様化にも対応するため、平成28年3月に「魅力ある県立学校づくりの方針」を策定・公表いたしました。
方針では、標準の学校規模を1学年8から6学級としております。
この方針を踏まえて、県立高校の計画的な再編整備を検討するため、平成30年4月に「再編整備の進め方」を公表いたしました。
この中では、再編整備を検討する際の三つの観点を示しております。
「適正な学校規模の維持」、「地域や社会のニーズへの対応」、「近隣の高校の設置の状況」の三つの観点でございます。
このうち「適正な学校規模の維持」については、平成28年の方針に基づき、5学級以下の高校について、生徒募集の状況、地域の生徒減少率等も参考に再編整備を検討することとしております。
また、5学級以下の高校を機械的に対象とするのではなく、検討の対象となる高校の現状や県全体のバランスについても考慮して進めることとしております。
県立高校の再編整備に当たりましては、議員御指摘のとおり県民に分かりやすくすることが大切ですので、県の考え方をより明確に御説明し、地元の声も伺いながら、地域から期待される高校づくりを進めてまいります。
大阪府への視察には、私もお供させていただき、エンパワメントスクールの取組は大変魅力的であると感じました。
議員御提案のように、他県の事例等も参考に魅力ある県立高校づくりに今後とも努めてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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