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掲載日:2023年5月17日
Q 荒木裕介議員(自民)
現在、国家資格を得てマッサージをしている人と無資格でマッサージをしている人、また、施術をする際に現場でどのような問題が起きているのか。そもそもこうした有資格と無資格の線引きがなされていることすら、利用者には余り知られていないのが実情のようであります。
現在、立地条件の良い駅前や地元さいたま市各地区の商店街はもとより、県内の大きな繁華街を歩いてみますと、殊更、癒やしや気軽さ、こうしたことを前面に打ち出し、我々に1時間やそこらだったら施術をお願いしてみようかななどと思わせる看板が増えてまいりました。また、そうした店舗を一定の方が利用されていることも事実でありましょう。
一方で、日本はもとより、世界的にも期待が高まっている東洋療法は、本来、鍼灸マッサージ指圧師の資格を取得された方のみが行える療法で、あん摩マッサージ指圧、はり、きゅうなどのいわゆる医業類似行為が認められております。あん摩マッサージ指圧師の資格は国家資格であり、文部科学大臣が認定した学校又は厚生労働大臣認定の養成施設で3年以上の修学を要しますが、その中で必要な専門的知識や技能をしっかりと学び、国家資格に合格して初めてその免許が与えられるわけであります。
これに対し、前述の安価な料金設定で気軽さを売りに施術サービスを受けられるとされる、いわゆる民間療法では、法的な資格制度を必要といたしません。
私もそのような実情を認識する中で、つい先日、無資格民間療法の店舗が掲載した新聞折り込みや求人雑誌を目にいたしました。そこには、未経験者大歓迎や採用後の研修期間は数か月でオーケーといった具合の記述がありました。あん摩マッサージ指圧師の国家資格を取得するために、3年以上もの期間勉強しなければならないことに対し、こうした求人広告をもとに採用し、数か月間程度の研修を経たものの、施術者の技術水準や施術方法がばらばらな状況にあることから、その医業類似行為を受けて危害が発生したという事例があるそうであります。
独立行政法人国民生活センターの報道発表資料によりますと、寄せられた相談内容の中には、「腰を真っすぐにできないほど痛くなった」や「首や頭の回りが痛くなり、頸椎捻挫と診断された」、そしてさらには「腰や足に痛みが出て歩行が困難になった」など、危害程度の相談者のうち約8割は医療機関を受診しており、そのうちの約3割が治療に3週間以上を要していたとのことであります。
無資格者がマッサージを行う店舗と、有資格者がマッサージ組合に加盟し保険が適用される店舗とでは、その違いが明白であると言えるのではないでしょうか。民間療法の無資格者がその範疇を超える施術を行うことは、言うまでもなく違法行為でありますが、とはいえ、冒頭にも申し上げましたとおり、その店舗数が増えているのも事実であります。
しかしながら、危害事例が発生している以上、実際にあん摩マッサージ指圧師の有資格者が施術する店舗かどうか、利用される皆様が認識した上でサービスを受けているかどうかは疑問であります。
そこで、保健医療部長にお尋ねをいたします。
無資格者の施術による危害事例を考えた場合に、せめて県民の皆様が法的な国家資格を持っている人が施術する店舗かどうかを分かった上で、なおかつ自己責任の下にマッサージやサービスを受けることが望ましいと私は考えます。その明確な識別ができる表示の普及を図っていくべきと考えますが、その点に対します県のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
A 石川 稔 保健医療部長
マッサージなど身体の施術を行う店舗の中には、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師や柔道整復師など国家資格を有する者が施術を行う店舗と、そうした資格がない、いわゆる民間療法の店舗がございます。
御指摘のとおり県民には、そうした両者の違いが分かりにくい面があると思います。
県民が両者の違いを承知した上で、サービスを選ぶことが大切です。
県では、無資格者による施術を受け、健康被害が生じることが無いように、彩の国だよりや県ホームページなどを通じて繰り返し注意喚起を行ってまいりました。
また、国家資格を有する者が施術を行う場合には、法律に基づき店舗開設の届出を行うこととしておりますので、届出がされている旨を掲示できるよう証明書を交付しております。
今後、国家資格を有する者が施術を行っている店舗であることを、県民の皆様が更に明確に識別できるよう、証明書の様式やデザインの見直しについて、埼玉県鍼灸マッサージ師会などの関係団体や、届出を受理する権限を有するさいたま市など5つの市などとも協力をしながら検討をしてまいります。
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