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掲載日:2023年5月18日
Q 江原久美子議員(民主・無所属)
配偶者や恋人など親しい間柄での暴力、DV、いわゆるドメスティック・バイオレンスは大きな社会問題であり、時には犯罪にまで発展する重大な人権侵害です。DVの被害者は大半が女性であり、DVから避難するためには、仕事や子供の学校などこれまでの生活を全て捨て去り、シェルターなどへ避難します。そのため、その後の自立した生活にも様々な困難を抱えています。
DVというと、とかく身体的暴力をイメージされることが多いと思われますが、実は、親が暴力を振るっている、振るわれていることを子供が目にすること自体が、児童虐待の一つに位置付けられています。帰宅後の家庭の中で日常的に暴言や暴力にさらされることは、親だけでなく、子供にまで身体的にも精神的にも悪い影響が出てきます。
内閣府のDV被害者の自立支援に関する調査によれば、DV被害者が加害者と離れて新しい生活を始めるに当たり困ったこととして、被害者自身の身体や精神の不調が半数以上、子供の問題行動が約2割という結果も出ています。DV被害者の自立支援における行政の支援策については、就業支援などの施策が重要視されてきました。しかしながら、被害者本人が暴力による身体的ダメージだけでなく、精神的ダメージから回復、自立していくことはもちろん、その子供たちも健やかに成長できるようなケアをしなければ、本当の意味で自立できないのではないかと思っています。
そこで伺います。DV被害者が自立した生活を送れるようにするには、こうした困難を解決するための多面的な、継続的な支援が必要であると考えます。DV被害者の自立支援について、知事の見解を伺います。
A 上田清司 知事
自分より弱い人をいじめるのがいわゆるDVだといわれています。暴力はいかなる場合も許されるものではない、このように認識しております。
DVは被害者に体の傷だけではなく心の傷にも大きく残り、特に心の傷は避難した後も長く残ると言われているそうです。
被害にあった女性は、職場の上司が大声で話し掛けただけでもDVの記憶がよみがえってしまい、仕事に行けなくなるほど心身に不調を来たす、こういった声を聞いたこともございます。
また、親の暴力を目撃して育った子供たちへの影響も大きく、落ち着きがなくなったり暴力的になったりすることもあると、そういった報告も伺っております。
その結果、DV被害者の社会的自立が妨げられ、DVの連鎖、そして貧困の連鎖となり次世代への悪い影響を与えております。
このため、県ではDV被害者に対し男女共同参画推進センターや婦人相談センターなどで相談を受け、必要な方には心理の専門家によるカウンセリングを行ってきました。
ただ、DV被害者はご案内のとおり住所を移したりされますので支援が途切れがちになったりいたします。
また、心の傷を母子ともに引きずっておられたりしております。
私もシェルターなどを2度訪問したことがございますが、やはり人に対する警戒心というのが特に強い、こんなふうに思っております。
そこで、昨年度から県がDV被害者母子の心のダメージを回復させるプログラムを用意し、専門のインストラクターが希望する母子たちに実施をしています。
このプログラムを実施することによって、母親の自信回復や母子の関係の再構築が促されております。
また、民間の支援団体に委託し、子供の教育相談に乗ったり、就労に向けてハローワークに同行するなど、行政では手が届きにくい被害者のサポートも行っております。
いずれにしても、DV被害者にとって一番重要なことは、最終的に相談できる窓口、いわば心の拠り所、そこがどこなのかということをしっかりしていかなければならないと思っております。
その専門の窓口として、埼玉県とすれば男女共同参画推進センターや婦人相談センターがDV被害者の心の拠り所にしっかりなれるように、細やかな施策をうっていくつもりでございます。
こうした取組によって、DV被害者が一日も早く立ち直り、DVの負の連鎖を断ち切ることができるように今後とも支援をしてまいります。
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