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掲載日:2023年5月18日

平成27年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 (並木正年議員)

花き産業と花き文化の振興について

Q 並木正年議員(県民

昨年6月、議員立法により花き振興法が成立しました。この法律は、花き産業に関する施策として、国及び地方公共団体は生産者の経営の安定、生産性や品質の向上、加工や流通の高度化、輸出の促進、研究開発の推進について必要な施策を講ずるよう努めるとしています。また、花き文化の振興に関する施策では、公共施設における花きの活用、いわゆる花育の推進、日常生活における花きの活用、伝統の継承、新文化の創造に対する支援についても定めています。
花き産業は、生産者の高齢化や国際競争により生産量が減少傾向となっています。全国の花市場の取扱額も減少しており、平成19年からの7年間で切り花は約330億円、鉢物は約11億円減少しています。さらに、花植木の産出額も平成7年に比べると2,500億円減少しています。このことから、国産花きの産出額を平成37年には6,500億円、輸出額を平成26年度の89億円から450億円へ拡大することを政策目標として掲げています。
切り花は冠婚葬祭などによってある程度の需要があるようですが、鉢物はお歳暮やギフトでの利用が減少し、シクラメンやシンビジウムなどの価格も低下しておりますので、今後いかに花の消費を伸ばすかが最大の課題となっています。
花き産業は生産者の高齢化が進んでいますが、極めて多様な品種が求められることから若い世代の発想が経営に生かせる分野と言われ、育種や栽培技術、品種数も世界トップレベルで、博覧会などでは国際的に高い評価を得ています。
花きの輸入の多くは、キク、バラ、カーネーションなどの切り花類となっていますが、これらは平成7年に7億本、それが平成24年には14億本と輸入が倍増しています。カーネーションの自給率は平成14年に84パーセントでしたが、10年後には約半分の48パーセントにまで減少しています。例えば、カーネーションの主な輸入先は中国やコロンビアなどですが、現地で収穫してから日本の小売店に並ぶまで約10日前後を要します。これらの花は輸入の過程で、生産、輸送、消費の過程で途切れることなく商品を低温に保つ、いわゆるコールドチェーンが整備され、日もちを高める取組がなされています。
一方、輸出は平成26年の実績で約89億円の規模となっていますが、その92パーセントは植木や盆栽などで、花きの国内産出額の多くを占める切り花の輸出額はわずか3億円程度にとどまっております。
国をはじめとする地方公共団体、花き団体などの関係者が一丸となって花き産業と花き文化の振興、発展に取り組むことを求めておりますので、今後の本県の生産者への支援や需要拡大に向けた取組について、農林部長にお伺いいたします。
また、今後のオリンピック・パラリンピック、さらにラグビーワールドカップの開催に向けて来県される方へのおもてなしと、本県らしいビクトリーブーケや海外の方に人気がある盆栽など、日本の文化伝統を発信していくことが大切であり、また、絶好の機会だとも思います。
本県の花きの産出額は、平成25年度で全国第5位であり、また都心からも近いため、輸送の利便性などを考えた上では大変に恵まれている地域です。今後、オリンピック・パラリンピックの前年に開催されるラグビーワールドカップでの成功事例をつくることで、本県の花き産業の発展につながると思います。
そこで、県産花き・植木を会場装飾に是非とも活用してほしいと思いますが、そのためにはどんな取組を行っていくのか、農林部長に併せてお伺いいたします。

A 河村 仁 農林部長

まず、「生産者への支援や需要拡大に向けた取り組みについて」でございます。
県では、生産者自らが取り組む商品開発や消費者に日頃から花に親しんでもらい需要の拡大につなげることが重要と考えております。
そこで、生産者に対し、種苗登録を行う際の申請費用の助成や新たな商品のパッケージ制作費用、ホームページ開設費用などを支援しております。 
さらに、県と花き業界関係者で構成する協議会では、生産者が販売業者との新たな取引を開拓するため、「埼玉の花植木大商談会」を平成25年度から開催しております。
毎年、全国から卸売市場、花の小売店、ホームセンターの仕入れ担当者など300人以上の方々が来場し、多くの商談が成立しております。
また、需要拡大に向けました取組では、協議会が主催となり平成26年度から花文化展示会や花育イベントを開催しております。
平成26年度は、展示会では著名人によるフラワーアレンジメントの実習や生け花、造園などの展示を行い、約9,000人の方が会場を訪れました。
さらに、花育イベントでは、子供から大人まで約4,000人の方が花の寄せ植えなどを体験いたしました。
これらを通じ、日常生活で花を楽しむ気運が高まりつつございます。
今後とも関係団体と連携し、生産者への支援と花文化の普及による需要の拡大に努めてまいります。
次に、「県産花き・植木をオリンピック・パラリンピック、ラグビーワールドカップの会場装飾に活用してもらうため、どのような取り組みをおこなっていくのか」についてでございます。
オリンピック・パラリンピック等の大きなイベントで本県産の花植木が使われることは、県産花植木をPRする絶好の機会と考えております。
このため、県では夏に適した品目・品種の選定や管理技術の開発に取り組んでおります。
また、大会で本県産の花植木を活用してもらうためには、大会関係者などに本県産の花植木の品目や品質の高さなどを知ってもらうことが重要と考えております。
そこで、鴻巣市を始めとした産地の見学ツアーを開催し、より多くの会場で本県産花植木が使われるよう大会関係者に働きかけを行ってまいります。
今後とも、両大会の会場が本県産花植木で装飾されるよう積極的に取り組んでまいります。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

お問い合わせ

議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4923

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