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掲載日:2023年7月11日
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8-4 妊産婦に対するいやがらせについて
質問です
妊娠5か月になります。流れ作業の立ち仕事がつらいので、軽易な業務(座り仕事)へ配置転換してもらったのですが、その後椅子を取りあげられるなどのいやがらせを受けています。
我慢していたのですが体調を崩し休んでおり、会社は辞めるのを待っているようです。どうしたらよいのでしょうか。
ここがポイント
女性労働者の権利として、男女雇用機会均等法や労働基準法に様々な定めがあります。
お答えします
男女雇用機会均等法は、次のような婚姻・妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いの禁止等を定めています。
(1) 婚姻・妊娠・出産したことを退職理由として予定する定めの禁止(男女雇用機会均等法第9条第1項)
(2) 婚姻したことを理由とする解雇の禁止(男女雇用機会均等法第9条第2項)
(3) 妊娠・出産等を理由とする解雇その他不利益な取扱いの禁止(男女雇用機会均等法第9条第3項)
(4) 妊娠中・産後1年以内の解雇の無効(男女雇用機会均等法第9条第4項)
(事業主が、妊娠等が理由ではないことを証明しない限り無効)
(5) 職場における妊娠、出産等に関する言動に起因する問題に関する雇用管理上の措置(男女雇用機会均等法第11条の3)
事業主は、上司・同僚からの、妊娠・出産、育児休業、介護休業等を理由とする嫌がらせ等(いわゆるマタハラ・パタハラなど)を防止する措置を講じなければなりません。
また、労働基準法は、母性保護という見地から次のような規定を設けています。
(6) 妊産婦等に係る危険有害業務の就業制限(労働基準法第64条の3第1項)
使用者は、妊娠中の女性及び産後1年を経過しない女性(妊産婦)を、重量物を取り扱う業務や有毒ガスを発散する場所における業務など、危険有害な業務に就かせてはなりません。
(7) 時間外労働・休日労働・深夜業の制限(労働基準法第66条)
使用者は、妊産婦から請求があった場合は、その請求の範囲内で時間外・休日の労働、深夜業などをさせてはなりません。
(8) 軽易作業への転換(労働基準法第65条第3項)
使用者は、妊娠中の女性から請求があった場合には、他の軽易な業務に転換させなければなりません。
このように、事業主が妊産婦に配慮すべき様々な保護法令がありますので、まず、事業主にその旨申し出てください。
なお、職場には他にも女性労働者の方がいるようでしたら、女性労働者が出産後も安心して仕事を続けられるように、また、よりよい職場環境を整えるといった意味からも、他の女性労働者と一緒に皆さんで申し出てみてはいかがでしょうか。
また、事業主が適切な対応をしない場合は、セクハラやいやがらせなど、男女雇用機会均等法や女性労働問題などについては都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)、労働基準法の違反については労働基準監督署にそれぞれ申し出ることも考えられます。
なお、妊娠したことを理由とする解雇は上記のとおり男女雇用機会均等法違反となり認められません。
ここにも注意!
一般的に、事業主にも女性労働者に対する配慮規定が知られていないこともあります。法律に規定がある旨を伝えることが必要です。
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