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掲載日:2024年3月11日
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2-1-2 時間外手当の未払いについて
質問です
製造業の会社に入社して3年になりますが、最近残業をしても時間外手当をもらえなくなりました。
不景気など社会的状況により、会社は時間外手当を支払わなくてもよいのでしょうか。
ここがポイント
お答えします
不景気など社会的状況によって時間外手当を支払わなくてよいという根拠(法律)はありませんので、会社に支払いを請求してください。
請求する上では、他の従業員の方も同様の取扱いであれば、皆さんで一緒に請求するのがよいでしょう。会社が応じてくれない場合は、配達証明付きの内容証明郵便により文書で請求する、支払督促、民事調停、少額訴訟など簡易裁判所を利用するなどの方法もあります。また、労働組合で団体交渉するのも一つの方法です。
また、労働基準法違反として、労働基準監督署に申告することもできます(労働基準法第104条第1項)。
いずれにしましても、残業時間・時間外手当を算定する上で裏付けとなる資料を集め、未払額がいくらになるのかを明確にしておくのがよいでしょう。
日々の労働時間をメモしておくことも、裏付資料のひとつになると考えられます。
内容証明郵便
内容証明郵便は、いつ、いかなる内容の文書を誰から誰あてに差し出したかを、郵便局に証明してもらうものです。
同じ文面の手紙を3枚作成して郵便局に差し出すと、1枚は相手方に届き、1枚は差出人に返し、1枚は郵便局で保存します。
内容証明郵便を利用することにより、(1)相手方に出した文面(意思表示)の内容を証明し、(2)出した日付を明らかにすることができます。
なお、相手方に配達されたことを明らかにするために、配達証明を付けるとよいでしょう。
※ 「内容証明郵便」は、相手方への意思表示の内容や日付の証明には有効ですが、まずは直接使用者等と話し合うことが重要です。十分な話し合いをせずにいきなり「内容証明郵便」を送付した場合、かえって問題を複雑にすることもありますので注意してください。
「管轄は、原則として会社所在地を受け持つ簡易裁判所」
調停は、裁判所の判決によってではなく、裁判官又は調停委員会の仲介を通して、当事者がお互いに譲歩し合意することによって紛争を解決するものです。この制度は、あらゆる種類の民事紛争を話合いで解決するために利用することができます。
お互いの合意が得られれば「調停調書」が作成され、その内容は確定判決と同じ強制力があります。
ただし、不調となった場合は裁判所から強制力のある命令がされるわけではありませんので、お互いの主張の隔たりが大きい場合には向きません。
「管轄は、原則として会社所在地を受け持つ簡易裁判所」
支払督促は、貸金、売掛金、賃金などを相手方が支払わない場合に、申立人の申立だけに基づいて行われる略式の裁判です。審理は書類のみで進められます。
相手方の異議があれば訴訟となりますが、異議がなければ申立人は仮執行の裁判(仮執行宣言)を得て強制執行に移ることもできます。
請求額が明確で、相手方が争ってこない場合に有効です。
「管轄は、原則として会社所在地を受け持つ簡易裁判所」
民事訴訟のうち、60万円以下の金銭トラブルに限り利用できる手続です。
原則として、1回の審理で判決が言い渡されます。当事者は、基本的に最初の期日までにすべての主張と証拠を提出しなけれらばなりませんので、証拠調べは即時に調べることができる証拠に限りすることができるとされています。事前に証拠を十分準備しておくことが必要です。
なお、簡易裁判所に定型の訴状用紙が備え付けられています。
仮差押
未払賃金などの金銭の支払いを求める場合に、使用者の不動産などの一般財産を、処分できないように仮に差し押さえる手続です。
会社が倒産しそうな場合など、時間をかけて通常訴訟や民事調停を行っているうちに、使用者の財産が散逸してしまう恐れがある場合などに用いられます。
なお、仮差押をするには、請求額等に応じた保証金が必要です。
急迫した状態を暫定的に解消するための手続です。
解雇や配置転換を争う場合や、退職強要の行為差止を要求する場合などに用いられます。
仮処分の決定はあくまでも暫定的なものですが、通常訴訟より短期間で結論が出ますし、手続きの中で和解が成立することもあります。
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