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掲載日:2023年7月11日
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1-5 試用期間中の解雇について
質問です
ある会社に営業職として3か月間の試用期間を条件に採用されました。
ところが、入社20日目となる先日、「やる気が見られない。信用して仕事を任せられない」との理由で本採用とならず、解雇されました。
体調を崩して2日ほど欠勤したほかは、大きなミスをしたつもりはありません。試用期間中は、この程度の理由でも解雇理由になるのでしょうか。
ここがポイント
お答えします
試用期間とは、使用者が労働者を採用する際に、3か月や6か月など、試みに労働者を使用する期間のことです。使用者は、試用期間中に労働者の業務への適性や勤務態度などを観察して、本採用するかどうかを決定します。
試用期間中も、労働契約自体はすでに成立していますが、就業規則や労働契約等で使用者側に解雇権が留保されている場合も多くあります。
試用期間中の解雇については、通常の解雇よりも広い範囲で解雇の自由が認められていますが、合理的な理由もなく、恣意的に解雇することはできません。採用決定後の調査結果や試用期間中の勤務状態などにより、会社が当初知ることができず、また、知ることが期待できないような事実を知ったために、その者を引き続き雇用することが適当でないと判断することに合理性がある場合に限られます(三菱樹脂事件 最大判昭38年12月12日)。
単に「やる気が見られない」などという抽象的な理由は、客観的に見て合理的な理由とは考えられませんので、使用者に、解雇理由が就業規則や労働契約等に基づいたものかを確認するなど、納得のいく説明を求めてください。
ここにも注意!
解雇予告手当について
試用期間中といえども、14日を超えて雇用している場合は、使用者は30日前までに解雇予告をするか、平均賃金の30日分以上の解雇予告手当を支払う必要があります(労働基準法第20条、21条)。
解雇理由証明書の請求について
労働者は、解雇予告がされた日から退職の日までの間に、解雇の理由について、証明書の発行を請求でき、請求があった場合、使用者は遅滞なく証明書を交付しなければならないこと。この証明書には、労働者の請求しない事項を記入してはならないことが労働基準法に定められています(労働基準法第22条第2・第3項)。
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