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掲載日:2020年6月30日

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毎日残業続きで体調不安

10 その他

10-4 毎日残業続きで体調不安

質問です

毎日残業続きで休日も休めず、1か月の残業時間が100時間にもなります。体調に不安を感じているのですが、どうしたらよいでしょうか。

ここがポイント

  • 労使は、時間外労働協定を締結するに当たり、厚生労働大臣が定めた時間外労働の限度時間を守る義務があります。
  • 使用者は、労働者の1か月の時間外・休日労働が100時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められるときは、労働者の申出を受けて、医師による面接指導を行わなければなりません。

お答えします

1 まず、次のことについて確認しましょう。

労働時間は、1日8時間及び1週40時間以内と定められています(法定労働時間)。使用者が、法定労働時間を超えて労働者を働かせるには、労働基準法第36条に規定する労使協定(「36協定」といいます。)を、労働者の過半数で組織する労働組合(それがない場合は労働者の過半数の代表者)と締結し、労働基準監督署に届け出なければなりません。また、36協定があれば労働者に時間外労働を義務づけられるということではありません。就業規則や労働契約に時間外労働をさせることがある旨の規定があり、時間外労働を命じるその内容が合理的でなければなりません。割増賃金の支払いも必要です。
これらの要件を満たしていない場合は、使用者に改善を要求しましょう。36協定がなかったり、割増賃金が支払われていない場合は、労働基準法違反として労働基準監督署に申告することもできます。
労働者及び使用者は、36協定締結にあたり、厚生労働大臣が定めた時間外労働の上限の基準を守る義務があります。これまで、36協定で定める時間外労働については、厚生労働大臣の告示によって上限の基準が定められていましたが、これまでの限度基準告示による上限は、罰則による強制力がなく、また特に繁忙な事情などがある場合には特別条項を設けることで上限無く時間外労働を行わせることが可能となっていました。
2019年4月労働基準法改正によって、罰則付きの上限が法律に規定され、さらに、臨時的な特別な事情がある場合にも上回ることのできない上限が設けられました(中小企業には2020年4月から適用)。

※時間外の上限基準
基本的な上限基準
時間外労働(休日労働は含まずの上限は、原則として、月45時間・年360時間となり、臨時的な特別の事情がなければ、これを超えることはできません。)
・特別事情(特別条項付き36協定)による場合の上限基準
臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合でも、
・時間外労働(年720時間以内)
・時間外労働+休日労働(月100時間未満、2~6か月平均80時間以内とする必要があります。また、原則である月45時間を超えることができるのは、年6か月までです。)

※育児・介護を行う労働者が使用者に申し出た場合は、1か月24時間、1年150時間を超える時間外労働をさせることはできません。

※工作物の建設等の事業、自動車の運転業務及び医師については、上限規制の適用が5年間猶予され、新技術・新商品等の研究開発業務については、上限規制の適用が除外されています。
なお、今回の法改正によって労働安全衛生法が改正され、1週間当たり40時間を超えて労働した時間が月100時間を超えた労働者に対しては、医師の面接指導が罰則付きで義務付けられました。

2 医師による面接指導を実施するよう、使用者に申し出ましょう。

時間外・休日労働時間と健康障害リスクには、月45時間以内であればリスクは低く、長くなるほど除々にリスクは高まるという関連性があります。1か月100時間または2~6か月の平均が月80時間を超えると、脳血管疾患及び虚血性心疾患の発症リスクが「高い」とされています(※1)。
労働安全衛生法では、長時間労働者への医師による面接指導の実施について定めています。
1か月の時間外・休日労働時間が100時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる労働者については、使用者は、労働者から申し出があれば、医師による面接指導を実施しなければなりません。また、面接指導した医師から必要な措置について意見聴取を行い、必要と認める場合は、適切な事後措置(※2)を実施しなければなりません。
1か月の時間外・休日労働が80時間を超える労働者等に対しては、使用者は、面接指導または保健師等による保健指導等を実施するよう努めなければなりません。

※1 労災補償に係る脳・心臓疾患の労災認定基準の考え方の基礎となった医学的検討結果を踏まえたものです。

※2 就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少、衛生委員会等への報告等

(参考)職場におけるメンタルヘルス対策・過重労働対策・心身両面にわたる健康づくり(厚生労働省のホームページにリンクします)

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