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掲載日:2022年6月23日

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パワーハラスメントへの対応について

10 その他

10-1-2 パワーハラスメントへの対応について

質問です

職場で上司や先輩から仕事のやり方を教えてもらおうとしても、「自分で考えろ」とか「人の仕事を盗んで覚えるもの」として教えてもらえません。そのくせ、仕事が遅いと叱られたり、失敗すると延々と怒鳴られる毎日で、会社に行くのが嫌になります。
これはパワーハラスメント(パワハラ)ではないでしょうか。パワハラをやめさせる良い方法はないでしょうか。

ここがポイント

  • どんなことをされたのか記録する。パワハラと思われる行為をされた場合は、可能であれば相手に当該行為を止めるように伝え、いつどこで誰が何を何のために(5w1h)したのかを記録しましょう。
  •  周囲に相談する。パワハラは我慢していても解決しません。一人で悩まず、まず同僚や上司に相談しましょう。
  •  身近な相談者(上司や同僚)や会社の相談窓口に相談する。上司に相談できない場合は、人事部や社内相談窓口に相談しましょう。事業主は相談に応じ、適切に対応するための体制整備が義務付けられています。
  • 外部の相談窓口や専門家への相談を検討する。社内に相談窓口がない場合や、社内では解決できない場合は、外部の相談窓口、法律専門家に相談しましょう(都道府県労働局及び各労働基準監督署には「総合労働相談コーナー」が設置されています)。

お答えします

1 パワーハラスメント(パワハラ)とは

職場のパワハラとは、(1)優越的な関係を背景とした言動であって、(2)業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、(3)労働者の就業環境が害されるものであり、(1)から(3)までの3つの要素を全て満たすものをいうと定義されています(労働施策総合推進法第30条の2)。
ただし、客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、職場におけるパワハラには該当しません。

なお、職場とは、労働者が通常就業している場所に限らず、出張先や取引先との打ち合わせや接待の場所、業務で使用する自動車内など労働者が業務を遂行する場所全般を指すとされます。

2 パワハラの類型について

厚生労働省では、パワハラに該当すると考えられる代表的な言動を次の6つに類型化して公表しています。

(1)身体的な攻撃(暴行・傷害)

 殴打、足蹴りを行う

(2)精神的な攻撃(脅迫、名誉棄損、侮辱、ひどい暴言)

 人格を否定する言動を行う、必要以上に長時間にわたる厳しい叱責を繰り返す、他の労働者、顧客等の面前における大声で威圧的な叱責を繰り返す、相手の能力を否定し、罵倒するような内容の電子メール等を当該相手を含む複数の労働者あて送信する。

(3)人間関係からの切り離し(隔離、仲間外し、無視)

 仕事の担当を外し、長期間にわたり、別室に隔離したり自宅研修をさせたりする、一人の労働者に対して同僚が集団で無視をしたり、情報を遮断するなどして職場で孤立させる。

(4)過大な要求(明らかに遂行不可能や不能なことの強制・仕事の妨害)

 新卒採用者等に対し、必要な教育を行わないまま到底対応できないレベルの業績目標を課し、達成できなかったことに対し厳しく叱責する、業務とは関係のない私的な雑用の処理を強制する、猛暑・厳寒など肉体的苦痛を伴う過酷な環境下で、勤務に直接必要ない作業を命じる。

(5)過小な要求(能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じたり、仕事を与えないこと)

 退職勧奨を目的に、高度の経験・知識・技能を有する労働者に、ごく簡単な業務を指示する、気に入らない労働者に対し意図的に仕事を与えない、勤務シフトから外す。

(6)個の侵害(私的なことに過度に立ち入る)

 職場の内外で継続的に監視したり、私物の写真撮影をする、個人の性的志向・性自認や病歴、家族歴などの個人情報を本人の了解を得ずに職場で暴露する。

2 パワハラ防止のために事業者が講ずべき雇用管理上の措置(義務)

パワハラやセクハラ他各種ハラスメントを防止するために、事業主が雇用管理上講ずべき措置の内容が厚生労働大臣の指針に定められています。

(1)事業主の方針の明確化及びその周知・啓発

パワハラの内容、パワハラを行ってはならない旨の方針を明確化し、管理監督者を含む労働者に周知すること。パワハラ行為者の厳正な対処方針を就業規則に規定すること。

(2)相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備

相談窓口を設置・周知し、相談担当者が適切に対応できるように体制を整備すること。

(3)職場におけるハラスメントへの事後の迅速かつ適切な対応

事実関係の迅速かつ正確な確認と、確認ができた場合には速やかな被害者に対する配慮の措置と行為者に対する措置を適正に行い、再発防止に向けた措置を講ずること

(4)プライバシー保護、不利益取扱いの禁止のために必要な措置を講ずること

3 対応方法は
職場内でのパワハラ被害に対する具体的な対応方法としては、次のようなものが考えられますが、まずは誰か信頼できる方に現状について相談し、1人で悩まないようにすることが大切です。

パワハラ被害を受けた場合は、可能な範囲で、行為者に対し止めるよう伝えるとともに、パワハラの言動が行われた日時、場所、どのような被害にあったか、近くに誰がいたかなど、具体的な状況をできるだけ詳細にメモする。録音するのも効果的。

身体的に危害を加えられた場合は、早急に医師の診察を受け診療記録を残すこと。

使用者には、職場のパワハラに対し、相談窓口を設け、担当者を配置し職場に周知することが義務付けられています。まず身近な上司や社内の相談窓口に相談しましょう。

会社に労働組合があれば、組合で取り上げてもらい、改善を求めて交渉してもらうという方法もあります。労働組合がない場合にも、個人加入できる労働組合に加入して交渉してもらうことも可能です。

職場のトップや上司が加害者である場合など、社内の相談窓口が機能しない場合は、埼玉労働局や労働基準監督署の総合労働相談センターに相談し、埼玉労働局長による助言・指導を求めることができます。

弁護士または弁護士会の人権救済部門に相談し、法的措置を検討する方法も考えられます。

ここにも注目!

男女雇用機会均等法、育児・介護休業法等関連法規の同時改正により、パワハラの問題に限らず、セクシュアルハラスメント(セクハラ)、妊娠・出産及び育児・介護休業等に関するハラスメントについても、使用者に対するハラスメント防止対策が強化されました。

また使用者には、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をすることが義務付けられています(安全配慮義務)。

職場のパワハラ等の問題に適切な対応を取らなかったことが原因で、労働者の生命・身体の安全が損なわれた場合には、労災補償や損害賠償の問題に発展するおそれがあります。

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産業労働部 雇用労働課 労働相談担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 第二庁舎1階

ファックス:048-830-4852

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