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掲載日:2024年3月26日
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答申第4号(諮問第4号)
答申
1 審査会の結論
埼玉県教育委員会(以下「実施機関」という。)が、埼玉県教育委員会傍聴申込書(平成17年○月○日開催分)の職業欄に記録された個人情報(以下「本件個人情報」という。)について、平成18年1月5日付けで行った利用停止をしない旨の決定は妥当である。
2 不服申立て及び審査の経緯
3 申立人の主張の要旨
4 実施機関の主張の要旨
(1)適法に取得した情報であることについて申立人は、取得の際に、取得目的を明示していないので不適正な方法による取得であるとの主張であるが、取得の状況からみて利用目的は明らかであり、条例第6条第2項第4号の規定に該当し、適法に取得した情報である。
(2)利用目的にのみ利用していることについて申立人は、傍聴人特定のために取得しているのであれば、住所、氏名で足りるとの主張であるが、現に教育委員が審議をしている会議室入口で、瞬時に、かつ確実に傍聴人を特定する必要があるため、また、傍聴人が同じ市町村に居住し同姓同名であった場合に対応できるよう、その他に個人を特定できる情報として職業の記載を求めたものである。
本件個人情報は、教育委員会会議の傍聴のために利用しており、条例第5条第2項の利用目的の達成に必要な範囲内の利用である。
(3)本件対象文書を保有する理由について本件対象文書については、教育委員会会議の終了後廃棄をするものであり、申立人にその旨を伝えてあったにもかかわらず、申立人が開示請求を行ったものである。本件対象文書は、開示請求に係る一連の事務手続きを適正に行うために保有しているものである。
以上の理由から、条例第36条第1項第1号の規定に該当しないため、利用停止しない旨を決定したものである。
5 審査会の判断
(1)条例第6条の個人情報の取得制限等について申立人は、本件個人情報の利用目的が具体的かつ明確に述べられず、さらに、本件個人情報の取得時に、取得目的が明示されていないことから、不適正な方法による取得であると主張している。
しかしながら、本件個人情報は、改正前の埼玉県教育委員会傍聴人規則第3条に基づき、傍聴申込書に申込者が記載することにより、実施機関が取得したものであり、取得の状況からみて利用目的は明らかであることが認められる。
このことから、実施機関は、本件個人情報を適法かつ適正な方法により取得したものと認められる。
(2)条例第5条の個人情報の保有制限等について埼玉県教育委員会傍聴申込書は、教育委員会会議の傍聴手続に利用するため保有され、教育委員会会議の終了後、実施機関により速やかに廃棄されるものであるが、申立人は、本件対象文書が教育委員会会議の終了後に廃棄される事実を知った上で、本件開示請求を行ったものと認められる。
そして、教育委員会会議の終了以降は、実施機関は、申立人からの本件開示請求及び本件利用停止請求に係る事務手続を実施するために、本件対象文書を保有してきたものと認められる。
実施機関が、申立人に対して行った開示決定通知書には、保有個人情報の利用目的として「教育委員会会議の傍聴手続のため」との記載があるが、これは、取得当初の保有の目的についての記述であり、会議終了後に実施機関が本件個人情報を保有してきたのは、上記のとおり、本件開示請求及び本件利用停止請求に係る手続を適正に行うためであったものと認められる。
かつ、このような個人情報の利用は、本件開示請求・本件利用停止請求を公正かつ適切に処理するために不可欠なものであり、本件個人情報の保有が条例第5条第2項の規定に違反する事実は認められない。
以上の理由から、条例第36条第1項第1号の規定には該当しないため、本件利用停止請求には理由がなく、実施機関が利用停止しない旨を決定した判断は妥当である。
以上のことから、「1審査会の結論」のとおり判断する。
(答申に関与した委員の氏名)
大橋豊彦、栗田和美、高橋滋
審議の経過
年月日 |
内容 |
---|---|
平成18年4月10日 |
諮問を受ける(諮問第4号) |
平成18年4月28日 |
実施機関から不利用停止決定理由説明書を受理 |
平成18年5月17日 |
実施機関から意見聴取及び審議 |
平成18年6月20日 |
実施機関からの補充説明及び審議 |
平成18年7月18日 |
審議 |
平成18年9月7日 |
答申 |
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