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掲載日:2023年5月9日
Q 藤井健志 議員(自民)
大宮公園は、明治18年に「氷川公園」の名称で誕生した最も古い歴史を誇る県営公園です。プロ野球とJリーグの公式戦がそろって開催される珍しい公園で、サッカー場、野球場のほか様々な施設が充実し、日本さくら名所百選や日本都市公園百園に選ばれております。年間来園者数は約200万人で、県内で一番利用者の多い県営公園として親しまれています。
一方で、桜やアカマツの衰弱のほか、樹木の根の成長により生じた園路のでこぼこ、体育館等の施設の老朽化、惜しまれながらもボートがなくなってしまったボート池、老朽化のため利用禁止になり放置された遊具など、課題も少なくありません。
私は、大規模公園が生まれ変わった事例を研究してまいりました。中でも大阪城公園は、全国的に有名です。かつてはブルーシートが建ち並ぶ治安が悪い場所でしたが、公園の全体管理を民間事業者に委託したことで生まれ変わりました。民間事業者の公募に当たっては条件付きの募集を行い、結果、電通関西支社ほか5社からなる特定目的会社が管理者となりました。
従前は、公園内の各施設を各運営主体がそれぞればらばらに管理して、全体のマネジメントがおろそかになっていましたが、特殊な施設を除く公園全体の戦略を一つの事業者が決めるようになり、統一性のある運営に改変されたと伺っております。委託期間も20年に大幅に延長したことで投資意欲が高まり、約50億円もの投資が民間事業者から実行されております。その結果、大阪迎賓館、ランニングステーションや駐車場などが新たに整備され、来園者数は約1.5倍に、維持管理費4,000万円の支出から、現在は市に約2億円を納める稼ぐ公園、魅力ある公園へと変貌いたしました。
スタジアム建設では、有名で面白い事例があります。大阪府吹田市のガンバスタジアムは、個人、企業からの寄附金と助成金で建設費約140億円を調達した国内初のモデルです。スタジアム建設募金団体が募集と建設を行い、完成後は吹田市に寄贈。管理運営者は、指定管理者制度を利用してガンバ大阪が実施しています。
プロサッカーチームが運営に参画する公園として、長居公園も有名です。公園全体の指定管理者である長居公園スポーツの森プロジェクトグループは、一般社団法人セレッソ大阪スポーツクラブを代表者として、株式会社NTTファシリティーズ、タイムズ24株式会社など七つの団体、企業で構成されています。夜間照明のLED化、標識の多言語化、コンサートの開催など、スタジアムの稼働率を高める試みも始まっています。
こうした先進事例は枚挙にいとまがありませんが、都市公園法の改正の後押しもあります。様々な規制緩和や利用者利便性向上のための協議会の設置などが盛り込まれ、民間のビジネスチャンス拡大と都市公園の魅力向上に資するものです。
人口減少と人口構造の大転換が進展している中、全ての公共サービスをこのままの形で行っていくことが厳しい時代が到来しつつあります。憩いの場としてだけでなく、健康、教育、子育て、防災、観光など、多様な機能強化へのニーズの高まりにどのように応えていくべきか。維持管理の負担の軽減を図りながらも魅力の高まりをどのように行っていくのか。その答えは、さきに例示したような公民連携ではないでしょうか。
現在、県では大宮公園グランドデザイン検討委員会を設置し、各分野の専門家によって歴史の検証と長期的な将来像を示すための検討を行っております。熱心で有意義な検討を行っていただいてはおりますが、昨年の中間報告における懸念の声を紹介させていただきます。
同委員会が示した将来イメージ図では、例えば、現在、第1公園に設置されている双輪場、野球場、サッカー場は消えてなくなりオープンスペースに、そして第2公園に新スタジアムの導入が描かれております。平成30年10月29日の日刊工業新聞でも、そのまま報じられました。第1公園の既存施設がほぼなくなっていることへの心配の声、新スタジアムの建設についても、誰が造り、誰が運営するかはこれからの協議にもかかわらず、第2公園と明示されていることに、「固め過ぎた内容では、民間からの柔軟な提案や出資の妨げになるのではないか」などの多くの懸念の声がさいたま市内外から、パブリックコメントでも私のほうにも届いております。この大宮公園の再整備は、周辺地域やさいたま市のみならず、埼玉県のブランディングにも大いに寄与するものと期待が高まっているからこその声だと思います。
そこで、お伺いいたします。大宮公園の再整備は、行政だけの手で進めるのではなく、公民連携を前提として民間の柔軟なアイデアや投資を導入するため、事業提案を広く募って検討していくべきです。その提案の募集に当たっては、事業実施のスケジュール感もきちんと示した上で、公園全体を視野に、公園施設の再編や整備から維持管理に至るまで、自由な提案を求めることが欠かせません。併せて、利用者の利便性向上のため、意欲ある関係者が意見交換できる場の設置も検討すべきと考えますが、都市整備部長の御所見をお尋ねいたします。
A 野川達哉 都市整備部長
まず、再整備には、公民連携を前提として、事業提案を広く募るべきについてでございます。
県営公園における公民連携の取組として、民間の人材やノウハウを活用し、管理運営の効率化などを図るため、一部の公園を除き、指定管理者制度を導入しております。
また、上尾運動公園にある埼玉アイスアリーナでは、公園管理者以外の者が施設を設置することのできる、設置管理許可制度を活用し、民間によるスケートリンクの整備・運営が行われております。
一方、議員お話のとおり、全国的には、大阪城公園などにおいて、一体的な公園の整備や運営に民間活力を導入したことにより、利用者のサービス向上や自治体の費用削減に寄与している事例がございます。
このように、公民連携を前提として公園のリニューアルを図っていくことは、大きな効果が期待できるものと考えております。
そして、民間の創意工夫などを最大限活用するためには、広く提案をいただくことが必要です。
このような中、平成29年6月の都市公園法の改正により、パークPFIと呼ばれる、公募設置管理制度が創設されました。
これは、飲食店や売店等の収益施設だけではなく、園路や広場といった、どなたでもご利用になれる施設を含め、一体的に整備を行う事業者を、公募により選定する制度でございます。
整備後の維持管理や運営も合わせて行うよう、事業者に求めることも可能です。
事業者側のメリットとして、設置管理許可の期間や建ぺい率の特例も制度化されております。
大宮公園の再整備にあたっては、この制度の活用も含め、公民連携を前提とした事業提案を募る方策について、幅広く検討してまいります。
次に、提案の募集には、事業実施のスケジュールを示した上で、公園全体を視野に、自由な提案を求めるべきについてでございます。
民間事業者が、公園の整備や長期にわたって管理・運営を行う場合、事業の内容や採算性について詳細な検討が必要となります。
事業の可能性も含め、多くのアイデアをいただくため、まずは、議員お話のとおり、大宮公園全体を視野に、その範囲や内容、採算性などについて、極力制限を設けず、自由な提案を求めることが重要です。
様々な提案を踏まえて、スケジュールを含め、公民連携で進めることができる要件などを整理した上で、公募を行い、事業化を図っていくことが望ましいと考えております。
利用者の満足度が高く、公園管理費用の低減につながり、事業者側も採算が取れるような仕組みづくりができるよう、進めてまいります。
次に、利用者の利便性向上のため、意欲のある関係者が意見交換できる場を設置すべきについてでございます。
大宮公園では、散策をされる方からスポーツを楽しむ方まで、大変多くの皆様に御利用いただいております。
公園のリニューアルは、利用者の利便性向上が大きな目的でございますので、公民連携を進めるにあたっては、利用者や関係者などから、意見を踏まえることが重要でございます。
また、多くの皆様に御利用いただく中で、円滑な利用調整が図れるだけでなく、魅力的なイベント等賑わいづくりなどのアイデアが生まれることも期待できます。
このようなことを踏まえ、利用者や関係者などが自由に意見交換できる場を設置することについて検討してまいります。
大宮公園の再整備に向けて民間と連携し、多くの皆様の期待に応えられるよう、しっかりと取り組んでまいります。
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