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掲載日:2024年7月12日

令和6年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(八子朋弘議員)

県立男女別学校の維持について-知事の所感について-

Q 八子朋弘 議員(県民)

あるジャーナリストは、以下のように述べておられました。
男子だけ、女子だけで学びたいとすることが、具体的に誰のどんな権利を奪っているのか。これについては、例えば浦和高校に入りたいのに入れない女子がいる、浦和一女に入りたいのに入れない男子がいるという応答が考えられます。では、浦高に入りたい理由は何なのか、一女に入りたい理由は何か。その目的はほかの選択肢では達成できないのか、その目的を達成するために男子だけ、女子だけで学びたいとする人たちの権利を奪う正当性はあるのか、考えてみるべきである。
私は、そのとおりだと思いました。別学については需要もメリットもあり、共学化によって失われるものは大きいと考えます。そして、男女共同参画については、どのような教育をしたら男女共同参画社会になるのか、社会全体で考えていくべきであると思います。
私は、埼玉においては共学も別学も共存すべきであると思います。公立男女別学校の存在は、埼玉教育の特色でもあると思います。多くの子供たちが別学の維持を求めています。子供たちの希望に応えるのは、大人の責務です。
宮城県の共学化は、当時の浅野知事の肝煎りで進められたと語られることが多いですが、実際、御本人の講演会や宮城県を視察して分かりましたが、むしろ教育委員会主導で進められていたというふうに感じました。共学化の議論は、政治的な思惑やパワーバランスなどに左右されることなく、また、大人の価値観を押し付けることもなく、子供たちの意向こそ尊重すべきであると思います。
先日金曜日に放送されたNHKの特集、コメンテーターのある大学の先生は、埼玉県で東大に行きたい男子は浦高に行けばいいが、女子は東京の私立に行かなければならない。だから、差別ではないのかと発言をされておられました。
共学の大宮高校や女子高の浦和一女、川越女子からも東大に行く子もいます。この発言は事実誤認であるとともに、埼玉の公教育そのものや、埼玉県内の公立、私立を問わず、それぞれの学校で難関校を目指して頑張っているという全ての高校生に対して失礼極まりないものだと私は思いました。
最後に、これまでのやり取りを聞かれて、知事はどのように思われましたでしょうか。知事の所感をお伺いしたいと思います。

A 大野元裕 知事

これまでのやりとりを聞いての感想ということでございますが、議員にとっては消化不良という感情を抱かれたのであろうと、そういう印象を抱きました。県立高校共学化を含め、教育に関することについては、基本的に、教育委員会において決定をするものであります。
教育委員会での対応に影響を与えるようなお答えは私にもできませんが、あえて男女共同参画の観点から申し上げれば、性別にかかわらず、個人の能力と希望に応じた進学先の選択肢があることが重要であり、共学であれ別学であれ、男女の進学機会の均等が確保されていなければならないと感じています。
女子差別撤廃条約においては、女子に対する差別を撤廃するため「同一の教育課程、同一の試験、同一の水準の資格を有する教育職員並びに同一の質の学校施設及び設備」を提供すること、並びに「すべての段階及びあらゆる形態の教育における男女の役割についての定型化された概念の撤廃」などが求められています。
今後、高校入学者の減少が見込まれ、地域によっては定員の確保が困難となる学校もある中で、進学機会の均等を維持するためには、男女別学の是非のみならず、本県の各地域の特性も踏まえ高校教育の在り方を総合的に議論することが必要であり、そしてそれは今でなければならないのではないかと考えています。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
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