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掲載日:2024年2月1日
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「彩玉」は、埼玉県が育成したオリジナル品種です。
昭和59年に「新高(にいたか)」に「豊水(ほうすい)」を交配し、選抜を重ねて育成した新品種で、平成17年2月に農林水産省に品種登録されました。
幸水と豊水の中間の8月下旬から9月上旬に収穫され、糖度は13~14度、酸味が少なくジューシーで美味しい梨で、平均果重は約550gと大玉です。
平成14年春から県内生産者に接ぎ木用穂木等の配布を開始し、平成16年に試験販売を実施し、平成17年から県内で一般販売を開始しています。
また、さいたま農業協同組合では、上尾市、伊奈町で生産し、一定の栽培及び品質基準を満たした彩玉の果実を「黄金の雫」と名付け、販売しています。
開花による貯蔵養分の浪費を防ぐため、着果させない花(蕾)を除去します。写真は、孫(子)花と呼ばれる本来「葉」になるべき花(着果させても形がくずれやすく、品質もよくない)を開花前に除去する様子です。
4月上旬から開花が始まり、約10日間で終わります。彩玉の開花は、「新高」と「豊水」の間と、やや早めの開花です。
「彩玉」は、自分の花粉では受粉しない「自家不和合性」の品種のため、異なった品種(写真は「新興」)の花粉を集めて人工受粉を行います。集めた花は、花弁や子房など不要な部分を取り除いて、花粉だけにして利用します。
梨の果実は種子が多く入るほど、美味しく、大きくなります。
開花時期が4月上旬と早いため、昆虫による受粉では結実が不安定なため、昔から人工授粉が行われています。
どの花に受粉したかが分かるように花粉に「石松子」を混ぜて、花に赤い印が着くようにする生産者も多くいます。
最近は、花粉を溶媒と混ぜ、スプレーを使って受粉する「溶液受粉」など新しい技術も開発されています。
大きくて美味しい「彩玉」ができるように、果実の数を制限します。生育途中で軸が折れたり、形の悪い梨にならないように注意して残す果実を選びます。10aに8000果程度の着果となるよう摘果します。
不必要に枝葉が多くなると、陽当たりが悪くなり、果実品質が劣るようになります。そのため、必要な枝は強く、不要な枝は利用できる花芽などにするように、切除や誘引を行います。
側枝の基部から発生した枝は、葉を持たない芽の上で切り戻し、花芽となるようにします。 | |||
側枝の先端は、1本にして樹勢バランスを整えるようにします。 |
棚の下に、木漏れ日が差すくらいに枝葉の管理をして、果実の成熟を待ちます。
果実の温度が上がらないよう、朝早くから収穫を開始します。
大きさや品質で区分して、箱詰めにして出荷します。写真は、伊奈町の伊奈梨出荷組合の梨選果所です。
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