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掲載日:2024年10月16日
福祉保健医療委員会における審査経過の概要について、御報告申し上げます。
本委員会に付託されました案件は、議案6件であります。
以下、これらの議案に関して行われた主な論議について申し上げます。
まず、福祉部関係では、第85号議案について、「個別支援計画の作成を義務付けることにより、施設における業務が増加すると考えるが、計画作成に対する支援はあるのか」との質疑に対し、「国において、具体的な計画策定プロセスや計画に基づく支援方法を示した個別支援計画の策定導入マニュアルを作成している。また、本年10月1日から個別支援計画に基づく支援により地域へ移行した実績に応じて施設事務費に加算する制度が新たに設けられた。県では、これらの活用について施設に働き掛けを行い支援していく」との答弁がありました。
次に、第86号議案について、「朝霞児童相談所を設置することにより、どのような効果が期待されるのか」との質疑に対し、「川越児童相談所や所沢児童相談所の所管人口が、いずれも国の示す目安である100万人を下回ることとなり、虐待相談対応件数の平準化が図られる。また、所管区域がコンパクトになることで移動の負担が軽減され、その分の時間を相談対応に充当できるなど、より迅速かつきめ細かな対応が可能となる。一時保護施設も増設され、1施設当たりの入所児童数の減少も見込まれることからきめ細かな対応が可能となる」との答弁がありました。
次に、保健医療部関係では、第87号議案について、「奨学金に設定する年10%の利息は、他県と比較して適正か。また、利息を付すことで、応募倍率が下がってしまう懸念はないのか」との質疑に対し、「厚生労働省は、適切な金利を設定することを条件とし、具体的な利率は定めていない。38都道府県で10%を設定しており、他の自治体と足並みをそろえた。また、金利を設定している他の自治体において、近年の入試応募者が大きく減少している状況は見受けられず、金利の有無が志願者数に与える影響は大きくないと考える」との答弁がありました。
このほか、第83号議案及び第88号議案についても活発な論議がなされました。
続いて、討論に入りましたところ、第87号議案に反対の立場から、「制度離脱防止を理由に利息を付す内容だが、返済免除や一部免除の要件が規定されていない中で、年利息10%は余りにも重い。医師確保は本県にとって重要な課題だが、個人の意図しない場合への対応は、規則で明確に定めておく必要がある」との意見が出されました。
以上のような審査経過を踏まえ、本委員会に付託されました知事提出議案5件について採決いたしましたところ、第87号議案については多数をもって、その他の議案については総員をもって、原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
次に、議第30号議案「埼玉県こども・若者基本条例」の審査について申し上げます。
まず、提案代表者から提案説明がなされ、その後質疑を行いました。
その中で、「本条例策定における問題意識として、何を解決するための条例なのか。また、どのようなプロセスを経て策定されたのか」との質疑に対し、「国において、こども家庭庁の設置や、こども基本法の施行など、こども、若者の成長を後押しする機運が高まっている中、こども、若者をしっかり支援する目的でプロジェクトチームを昨年6月に設置し、有識者や、70を超える関係団体との意見交換などを通じ、知見を深めてきたとともに、具体的な施策の要望や条例化に向けた提言などをいただいたところである。こうした経緯を経て、子育ち、子育てに関する施策の更なる充実・強化に向けて、本県における各施策の充実・強化を図るために、基本的方向性を明確にしていくこと、社会全体で子育ち、子育てを支える重要性を広く呼び掛ける必要があると考え、その趣旨を込めた条例案の提案に至った」との答弁がありました。
また、「同様の条例を定める他の都道府県もあるが、本県の条例案の特徴や違いは何か」との質疑に対し、「これまで29都道府県でこども等に関する条例が制定されているが、こどもの権利保障に関する条例や少子化対策に特化した条例など様々である。本県の条例案はこどもの権利保障のみならず様々な施策も含んだ包括的な条例であり、意見聴取、意見反映に関する施策や、横断的に取組を行うための体制などについても規定している」との答弁がありました。
以上のような審査経過を踏まえ、議第30号議案について採決いたしましたところ、総員をもって、原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
次に、所管事務の調査として、「放課後児童支援員認定資格事業の在り方について」及び「障害児通所支援事業所『こどもプラス東松山教室』の行政処分について」質問が行われました。
その中で、「放課後児童支援員認定資格研修で使用される講師の作成したテキストについて、県は監修しているのか。監修していないのであれば、事実でない情報や私見を述べているなどの場合、受講者に対しどのように事実を周知していくのか」との質問に対し、「研修の理解促進のための副教材を講師が作成したものであるが、専門知識を有する者が作成していたため、確認が十分ではなかった。誤りについては修正し、県ホームページに掲載するほか、受講者に対しては、資料を差し替える」との答弁がありました。
次に、「監査等の権限がない市町村に対し、利用に要した費用の返還義務が課されていることは、負担が重いと考える。負担割合や権限等の問題をどのように考えるか。また、自らの市町に当該施設がない場合、どのように取り組んでいくのか」との質問に対し、「事業所からの返還の有無に関わらず、国や県の過大負担について是正するために、市町村が返還する取扱いになっていると国に確認しているが、この取扱いは市町村の負担が大きく見直しが必要と考える。また、市町村には事業所の指定の権限はないが、障害児通所給付費に関しては事業所に対して報告や文書の提出を求め立入検査を行う権限があると児童福祉法に規定されている。事業所が他の市町村に所在する場合でも、調査等は可能である。県では、過去にも、市町村に対し適正に給付を行う観点から、実地の指導を検討するよう通知している」との答弁がありました。
なお、当面する行政課題として、保健医療部から「埼玉県県民健康福祉村の都市公園への変更について」及び「順天堂大学附属病院等整備の進捗状況について」の報告があり、種々活発な論議がなされましたことを申し添えまして、本委員会の報告を終わります。
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