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ページ番号:201296

掲載日:2024年7月4日

令和3年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(内沼博史議員)

森林の循環利用の推進について - 循環利用に向けた県の取組について-

Q 内沼博史 議員(自民)

森林を循環利用することは、水源の涵養、県土の保全、地球温暖化の防止に貢献するとともに、上流域の山村住民のみならず、中下流域の都市住民の生活を豊かにし、更に人々の心や体にも癒しの効果を与えています。林業は山の木を切って木材として住宅などに利用し、切った後に再び苗木を植え、下刈りや間伐などを繰り返し、50年以上かけて循環利用を行う産業であります。
しかし、木材価格の低迷が長期にわたっていることなどから、間伐などの手入れが不十分な人工林や伐採時期を迎えていても、伐採が進まない人工林が多く存在します。森林の手入れを中心的に行っている森林組合に聞いたところ、機械化による生産性の向上や経費削減の努力はしているが、伐期に達した木を切って売っても、その後の再造林や下刈りなどの保育作業の経費には足りない。このため、森林所有者は木を切ることを控えており、県産木材の生産がなかなか進んでいかないのが現実であります。
このような折、新型コロナによる経済情勢の変化などにより、米国や欧州等の木材輸出国及び大量に輸入している中国において木材需要が急速に高まり、木材価格が高騰しています。いわゆるウッドショックと呼ばれていますが、これに端を発し、日本へ輸入される木材が不足し、住宅の建築に使用する輸入材がひっ迫しています。このため、今年の3月頃から住宅関係事業者の一部が県産材や国産材への切り換えを行っています。この影響で、県内においても柱などの製材品の需要が高まり、価格が上昇していると聞いています。
この状況がどれくらい続くかは、まだ見通せない状況にあります。しかし、この機会に将来に向けて中長期的に国産材へシフトしていく供給体制を目指し、県産材の供給量、更に増加していくための体制づくりを着実に進めていくべきではないかと考えます。
そこで、循環利用に向けた県の取組について伺います。
切って、使って、植えて、育てる、森林の循環利用を推進していくに当たり、県産木材の供給量を増加させるためには、まず伐採を進めていくことが必要であります。そのためには、伐採地の立木1本1本の詳細な資源状況の把握と森林所有者が懸念する伐採後の植えて育てるを確実に行うことが重要と考えます。
伐採を進め、かつ森林の体制を確実なものにしていくための県の取組について、農林部長にお伺いします。

A 強瀬道男 農林部長

議員御承知のとおり、森林の循環利用を進めるには、「伐って・使う」伐採事業者、「植えて、育てる」作業を担う森林組合、そして伐採や造林の決断を行う森林所有者と、多くの関係者が存在します。
現在、県内の人工林の8割が伐採時期を迎えていますが、多くの森林所有者は、木材販売だけで再造林の費用を賄うことが困難と考え、森林循環のスタートとなる、伐採を控えてしまう状況です。森林所有者が伐採を決断するためには、山で育った立木の販売収入によって再造林も賄えるという、確かな判断材料が必要です。このためには、立木をできるだけ高く売ることと、再造林のコストをできるだけ下げることが重要となります。高く売るためには、所有する森林に需要者の求める立木があるかを調べる、詳細な森林資源の把握が有効で、従来の急峻な山を人が歩いて把握していた方法に替えて、効率的かつ精度の高いレーザ計測技術の活用を進めています。
再造林の低コスト化については、植栽にかかる人件費の大幅な低減が可能となるポット状の容器で育成された苗を普及し、山への植栽も進めています。さらに、現場作業を担う伐採事業者や森林組合に対して、作業道の開設から、伐採、地拵え(じごしらえ)、植栽、下刈までの一貫作業に係る補助を行っています。
これらの取組を通じて、森林所有者が安心して伐採を決断できる環境整備に努め、森林の循環利用を推進してまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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