トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 令和6年6月定例会 > 令和6年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 > 6月26日(水曜日) > 阿左美健司(自民) > 令和6年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(阿左美健司議員)
ここから本文です。
ページ番号:255736
掲載日:2024年7月12日
Q 阿左美健司 議員(自民)
全国植樹祭の開催理念には、まず一つ目、「適切な森林の整備と森林資源の循環利用を推進し、森林の持つ多面的機能を持続的に発揮することで、森林・水・木材と私たちの暮らしや産業との結び付きを深め大切にしていきます」。そして二つ目、「豊かな川で繋がる山村と都市が、協力して森林・みどりを共有の財産として守り育て、元気な姿で未来の子供たちへ繋いでいきます」とあります。
私は、埼玉県の母なる川荒川の上流の秩父の豊かな自然に囲まれて生まれ育ちました。幼い頃から見てきたこの緑の美しさと森林がもたらす豊かな恵みを、山村と都市が協力して元気な姿で次の世代に引き継ぐことは、植樹祭開催理念にあるように今の時代を生きる我々の責務だと思っております。
埼玉県の森林の多くは戦後に植林され、林業の営みの中で守り育てられてきましたが、蓄えられた森林資源が本格的な利用期を既に迎えています。こうした中で、森林を適切に更新していくためには、植えて育てて切る林業と木材を使うために様々な木材製品に加工して流通させる木材産業が両輪となって進んでいく必要があります。充実した森林資源をどんどん切って活用し、そして新たに木を植えて森を若返らせる森林の循環利用を実現することで、森林は元気な姿でい続けることができます。
一方で、林業や木材産業の現場では従事者の高齢化が進み、人材不足が深刻になってきており、未来の林業・木材産業を担う人材の確保・育成が緊急で深刻で大きな課題となっています。
知事は、埼玉県の林業・木材産業を発展させるべく、新しい県産木材の供給・流通体制の構築を目指しています。その成果も徐々に出つつありますが、体制が整っても10年後、20年後に林業・木材産業担う人材がいなければ、効果も期待できません。地元では10年後、20年後には多くの製材工場が廃業してしまうのではないかと危惧されています。
森林は長い時間をかけて守り育てていかなければならないことから、これを担う人材も同様に育てて、知識・技術を継承していかなければなりません。また、こういった人材が森林づくりの仕事に誇りややりがいを持ってしっかりと地域に根付いていることが、未来に向けて求められていることだと思います。
埼玉県の林業・木材産業が将来にわたって受け継がれていくためには、担い手の確保・育成を支援するとともに、木に関わる仕事が職業として選ばれる環境づくりを進め、担い手不足を解消していく必要があると考えます。全国植樹祭の開催理念にあるように、埼玉県の森林を元気な姿で未来へつないでいくために、林業・木材産業をどのようにして次の世代に引き継いでいくのか、知事の考えを伺います。
A 大野元裕 知事
県内の林業従事者は、平成22年270人から令和2年には220人、木材産業従事者は365人から284人へと減少しております。
議員御指摘の供給・流通体制の構築により林業・木材産業をもうかる産業へと発展させることで、林業従事者の増加を図るだけでなく、人材の育成や環境の整備に努めることが必要であります。
特に林業は、重労働で災害リスクが高いなど、きつい、汚い、危険のイメージが強く、労働力人口が減少する中、更なる深刻化も懸念されます。
担い手を確保していくためには、林業・木材産業が安全で働きやすく、様々な人にとって魅力のある職業であることが必要であります。
このため県では、労働者の安全確保や負担軽減につながるスマート林業や高性能な林業機械、木材加工施設の導入を支援し、労働環境の改善を図っております。
また、女性従事者が少ない職業でありますが、近年、測量や伐採作業など実践的な研修を毎年女性に受講いただいており、ジェンダー主流化の観点を踏まえた上で、安全で働きやすい職場環境づくりを進め、様々な人から就職先として選ばれるよう取り組んでまいります。
さらに、経営が安定し、担い手が定着しやすい魅力がある林業・木材産業とするため、川上から川下までの県産木材の需給関係者が連携し、新たな流通体制の構築を進めているところであります。
そして、全国植樹祭の開催は、県民の皆様に森林づくりに関心を持っていただける絶好の機会と考えます。
全国林業後継者大会などの関連行事や記念イベントと合わせて、林業・木材産業の魅力をしっかりと発信してまいります。
本県の豊かな森林を次の世代につなぐとともに、林業・木材産業が将来に引き継がれるよう、引き続き必要な支援を行ってまいります。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください