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掲載日:2023年12月28日

令和5年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(東山徹議員)

特殊詐欺被害の撲滅について

Q   東山徹 議員(自民)

特殊詐欺についての報道は、残念ながら絶えることがありませんが、県警はじめ関係者の方々の日々の対応に、心から感謝をいたします。
警察庁のまとめによると、昨年の特殊詐欺被害額は8年ぶりに増加に転じ、前年比3割増の約370億円に上りました。本年上半期においては更に増加し、被害額は前年同期より40億7,000万円、26パーセント増の193億円になったとのことです。また、県における本年上半期に認知した特殊詐欺の被害件数が前年同期比31件増の615件で、被害額が約1億9,300万円増の約14億3,800万円に上っています。
特殊詐欺被害の撲滅については、これまで岡地議員、荒木議員、関根議員はじめ多くの議員から一般質問で取り上げられています。また、平成31年3月には、自民党県議団の提案により、埼玉県特殊詐欺撲滅条例が制定され、積極的な情報提供や見守り活動などが実施されていますが、特殊詐欺との長い長い闘いは、高齢社会の急激な進行とともに、新しい局面を迎えるように思います。
私の住んでいる狭山警察署管内は、認知件数が昨年県内ワースト1位で、地域の皆さんが強い危機感を持って対応されています。実際、本年4月、私の知人にも犯人から電話があり、その際、金融機関や警察の皆さんの力強い御助力により、被害を免れたといったことがありました。中には、複数回被害に遭った方もおり、改めて身近に迫っているとの危惧を抱いています。
こうした中、令和6年4月には、警視庁、埼玉県警、千葉県警、神奈川県警の4都県で、特殊詐欺捜査の400人体制の専門部隊が発足します。愛知県警、大阪府警、福岡県警にも同様の部隊が設置され、7都府県警による特殊詐欺撲滅500人体制が始動することになり、今後、捜査進展が期待されるところであります。
また、県内では、特殊詐欺の被害を一般の方が防いだケースが今年1月から10月末までに163件あり、昨年1年間の103件を大きく上回っているとのことです。これを更に増やす仕掛けとして、県警が功労者証を交付し、カラオケや温泉施設を無料にするなど、全国初となる積極的な取組を数々実施されています。
また、注目すべきはAIを活用した取組です。電話の会話をAIが分析し、例えば「口座」や「振り込め」などの言葉を多用した場合に詐欺の可能性が高いと判断し、あらかじめ登録した本人や親族に危険を知らせることによって、安心して電話に出てもらおうという電話会社の取組があるとのことです。このような新たな取組、特にAIを活用した取組には、大きな可能性があると考えます。
先日行われた決算特別委員会では、AIを活用した取組は行っていないとの答弁がありましたが、県の高齢者数は約200万人であり、より多くの方に啓発を行うためには、現在の対策の強化に加え、AIを活用した普及啓発を行うことが必要だと考えます。
そこで、今後、AIの活用も含め特殊詐欺撲滅に向けてどのような対策を講じていくのか、警察本部長に伺います。

A 鈴木基之 警察本部長

本県の特殊詐欺被害の現状については、本年10月末現在、認知件数は1,071件で前年比47件減少しましたが、被害額については、24億9,530万円で前年比1億26万円増加しており、大変厳しい情勢であります。
議員お話しのAIを活用した取組については、現在、事業者等と連携を図り、AI活用の有効性を検証の上、その活用を検討しているところであります。
具体的には、議員お話しのとおり、NTT東日本において、通話内容をAIで解析し注意喚起する「特殊詐欺対策サービス」を提供していることから、同社と協定を締結し、本年7月には、入間市において、自治体や地域住民の協力を得て、より効果的なサービスの実証実験を行い、その有効性と実用性について事業者と検討を続けているところであります。
その他、ATM前で利用者が携帯電話で通話する動作をAIで検知するカメラ等の機器を開発している事業者もあることから、そうした事業者の技術を警察における抑止対策に活用することができるよう、引き続きAI等先端技術の活用を積極的に検討して参ります。
県警察といたしましては、県民の安全、安心を確保するため、より一層抑止と検挙を両輪とした対策を強力に推進してまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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