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掲載日:2024年7月12日

令和6年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(小久保憲一議員)

分収林事業における、県の損失を踏まえた債務返済計画について

Q 小久保憲一 議員(自民)

昭和58年度からスタートした本事業は、公益社団法人埼玉県農林公社が土地所有者の代わりに森林を育成、伐採、収益を土地所有者と分収するものです。森林の維持管理に係る資金は、本県や株式会社日本政策金融公庫が農林公社に貸し付け、金融公庫からの借入金は、県が金融公庫に対し損失補償義務を負うものです。
令和4年度末現在、土地所有者と契約件数は1,546件、契約面積約3,300ヘクタールは、県森林面積の3パーセントとなっています。造林期間は50年、令和16年度に最初の樹木伐採を迎えます。昭和58年度の当初計画では、農林公社と土地所有者の分収契約は6対4としていましたが、平成14年度より7.5対2.5に変更されています。
平成22年、県有識者会議により農林公社経営改革プランを策定し、令和45年度の黒字確保を見込み、新規造林等を推進してきました。しかし、平成30年度に将来の償還リスク回避のため新規造林を中止するとともに、収入が見込めない分収林を解約し、金融公庫からの借入金を繰上償還し、利息の削減を始めました。事業開始以降、現在まで40年間、木材価格下落が続く中、昨年度のプラン見直しまでにタイミングは何度もあったのではないでしょうか。
事実、森林整備法人全国協議会調査によれば、平成20年には、分収林事業を実施する全国40団体のうち、32団体が新規造林から撤退しています。にもかかわらず、本県では平成29年度まで新規造林を続け、結果、農林公社の債務は令和5年度には208億円まで膨らみました。「価格下落を想定していなかった」「令和45年度に黒字確保を見込んでいた」とは非現実的な希望であり、将来に責任を転嫁したと言わざるを得ません。
また、県はこれまで農林公社に対する貸付金の一部無利子化を行い、令和6年度以降、令和50年度までの金融公庫の利息への補助予定額と合わせ、合計54.2億円の利息免除すなわち債権放棄を行います。民間企業であれば、これは桁違いの特例措置です。
その上、農林公社は金融公庫からの借入金について、昭和59年度から利息分、平成16年度から元金分の返済を行っておりますが、これらは全て県が農林公社に新たに貸し付ける形で行われています。
令和6年度の返済残高86億円の今後の返済及び令和12年度から始まる県からの借入金122億円、合計208億円の返済が迫っています。農林公社が返済できない場合、県が金融公庫に対し損失補償義務があります。県の損失を踏まえた農林公社の債務返済計画について、農林部長の見解を伺います。

A 横塚正一 農林部長

埼玉県農林公社の分収林事業は、木材販売収入を得るまでの間、日本政策金融公庫と県からの長期負債で賄われておりますが、木材販売価格の長期低迷など当初からの事業環境の変化が大きな経営課題となっています。
農林公社では、平成9年度から植栽コスト削減等を進め、平成21年度から県が策定した経営改革プランに基づき、分収割合の変更など経営改善に努めてきました。
しかし、木材価格の長期低迷や獣害対策の増大など、当時の想定から経営環境がかい離してきたため、昨年度にプランを見直しました。
議員お話の54.2億円は、県から農林公社への貸付金に関する、既発生利子の一部と将来利子、及び公庫の利子への補助予定額でございます。
なお、利子への補助予定額は、農林公社が不採算林等を解約し、公庫への元金を繰上償還することにより削減されます。
県の財政負担の抑制や農林公社の財務運営の健全性を維持するため、県として無利子化と利子補給を行うものであり、このことにより特別交付税措置の上積みが見込まれます。 
他方、農林公社へは、借入残高と将来利息の圧縮、さらに、県への償還のための収入を得られるよう、不採算林等の解約による繰上償還、間伐材の販売やJクレジットの取得販売による収入の確保、償還に向けた積立資金の形成などの他、考え得る収益向上対策全てを講じることを強く求めてまいります。
今後も県と農林公社が一丸となって債務返済に取り組んでまいります。

Q 小久保憲一 議員(自民)

ただ今の御答弁でありますが、県貸付金の無利子化ということですけれども、これつまり無利子化という名の債権放棄なんですよ。県の損失なんですよ。
であれば伺いますが、令和49年の時点、農林公社の県からの借入金残高予定184億円とのことでありますが、それでは削減するための具体的な計画を持っていらっしゃるのか。そして、それによって幾ら削減できるのか、農林部長に伺います。

再A 横塚正一 農林部長

令和49年の債務残高の削減につきまして、先ほどご答弁いたしましたとおり、農林公社に対しては、借入残高と将来利息の圧縮、更には県への償還のための収入を得られるように、考え得る収益向上対策全てをしっかりと講じるように強く求めているところでございます。
さらに、また、県としましては、農林公社の経営状況や、経営改革プランに基づく経営改善の取組状況を確認し、点検評価を毎年度実施するとともに、概ね5年を目途に検証を行い、農林公社とともに債務の削減に取り組んでまいることとしているところでございます。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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