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掲載日:2024年7月12日
Q 町田皇介 議員(民主フォーラム)
今年度の介護報酬改定では、全体で1.59パーセントのプラス改定となり、そのうち0.98パーセントを介護職員の賃上げに当てることとなりました。しかし、訪問事業者の利益率が高いという理由から、訪問介護の基本報酬は引き下げられたところです。
この引下げは、主にサービス付き高齢者住宅など複合的な介護サービスを担う大手事業所の収益実態を基に行われたため、訪問介護を担う小規模事業者においては事業収入の減少が予想され、経営の悪化、雇用確保の困難さなどから倒産する事業所の増加も懸念されているところです。民間の調査では、昨年1年間の訪問介護事業者の倒産件数は67件と過去最多となり、内訳は小規模事業者の倒産が大勢を占め、訪問ヘルパーなどの人材不足を理由とする倒産も最多となっています。
厚労省は基本報酬引下げと同時に処遇改善加算を一本化し、職員の給与の上昇を図る方針ですが、小規模事業者からは手続や申請が人手不足の中で負担となり、要件のハードルが高いという声も伺います。
また、訪問介護は移動が必要ですが、移動時間は直接的には介護報酬の対象時間とならないため、小規模事業者のように利用者宅が点在している場合、事業収入が少なくなります。ガソリンの価格高騰も続いており、これも収入減の直接的な要因となっており、苦しんでいる現状もあります。
このように小規模事業者の声を受け、会派として3月末に、訪問介護の基本報酬引下げの見直しや小規模事業者でも処遇改善加算がとれるような支援など、国への働き掛けも含め改善要望を知事へ提出させていただきました。
そこで、今回の改定に対する所見と我が会派の要望を踏まえた小規模事業者への対応について、大野知事に伺います。
A 大野元裕 知事
介護報酬は介護保険制度の持続可能性を確保する観点から、介護保険料、公費負担、利用者負担とのバランスを考慮し、幅広い議論を経て決定されております。
今回の改定について、国は、介護現場で働く方々の処遇改善を着実に行いつつ、サービスごとの経営状況の違いを踏まえた対応を行ったと説明をしております。
例えば、令和4年度の全事業所の平均収支において1.0パーセントの赤字であった特別養護老人ホームの基本報酬は引き上げ、逆に7.8パーセントの黒字であった訪問介護を引き下げるという措置が講じられました。
しかしながら、訪問介護事業所のうち、およそ3分の1は赤字という実態もあり、こうした事業所にとって今回の改定は厳しいものであったと考えられます。
報酬の引下げと最近の物価高騰が重なり、県内の事業者団体からは小規模事業者の撤退や交通不便地でのサービス縮小などが懸念されると伺っております。
こうした声を受けて、介護サービス事業者の安定的な運営のため、社会経済情勢を反映した介護報酬とするよう、令和7年度の国の施策に対する要望を行いました。
さらに、6月13日には、私自ら厚生労働大臣政務官を訪ね、重ねて要望を行いました。
他方、今回の改定では訪問介護の基本報酬は引き下げられましたが、処遇改善加算については、最大24.5パーセントの加算が取得できるものとなっており、特別養護老人ホームの最大14パーセントに比べ高い加算率となっております。
議員からの加算の要件を満たすのは小規模事業者にとって高いハードルになっているというお話しがありました。
この点について、県としても様々な情報提供や社会保険労務士など専門家の派遣により、加算を取得できるようきめ細やかに支援をしてまいりたいと思います。
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